1. 26世紀青年
《ネタバレ》 あの「バス男(=ナポレオン・ダイナマイト)」並に手に取るのを躊躇する邦題。朗らかに笑おうと思ってチョイスした本作。確かに、何度か声あげて笑ったのですが、しかし。2006年のブッシュを嗤っていられたあのころから、2024年の熱狂的なトランプの支持者がいる現在のアメリカを考えると、怖いような気もするなあ。見終わって、もしかしたら、楽しみ方をワタシ間違ってたかもしれん、と後ろを振り返りたくなる。けっこう難解なのか、どうなんだ?邦題には、いい意味で裏切られたと思うことにします(前掲「バス男」同様)。バカっぽい邦題も、作品世界になじんでいたのね。 [DVD(字幕)] 8点(2024-09-14 13:30:42) |
2. 人間魚雷回天
《ネタバレ》 うーん。脱出装置はなく、1.5tの爆薬とともに出撃すれば、敵艦に体当たりするかそうでなければ自沈するしかない、「鉄の棺桶」とよばれた回天の絶望を考えると、本作で開陳されるエピソードはピンとこないですよ。神風(航空機)による特攻よりも狂気が深いことを考えると、前夜のデートや最後の酒宴なんて想像の範囲のセンチメンタルというか(ひとでなし)。作中、朝倉少尉の「僕達が死んで行くのは、無謀な戦いを無謀なものだと気付かせるためなんです。」というセリフはメチャクチャなんだけど、志願する兵士のメチャクチャなメンタルを多少なりとも理解できるセリフ。オレは何を見たがっていたんだろうとも思うが、大津島であったことはこんなんじゃないだろうと思っています。■回天の攻撃成功率は、2%(神風は10%程度)だったとのこと。わたしゃ、最後の出撃は、4人全員失敗してこそこの映画の価値と思っています(どんどんひとでなし)。 [DVD(邦画)] 4点(2024-08-26 20:24:12) |
3. 21世紀の資本
《ネタバレ》 うーん、期待外れ。資本収益率が経済成長率を上回り続けており、これがすなわち金持ちがどんどん良くなって、こっちはさっぱり良くならない(格差)このざま、ということのみ予習して見に行きました(ということですよね?)。もっと、このことを身にしみたいと思ったのですね、さて本作、書籍版では膨大なデータを駆使して説明したことを、あえて数字を使わず、過去のドキュメンタリーや映画を駆使して、つまり映像で説明しようという趣向のものだったのだと解釈しています。しかし残念ながら、そのチョイスされた映像が、なんかメリハリがなく(同じものが繰り返されたり)、やはりデータによる説明が少ないから説得力に乏しかったと思います。上記の主張が身にしみて、こんなことではいかんと立ち上がり、行動様式を変えるということまでに至らず、なんとなく明日からも同じようなことを繰り返してしまいそうです。そうです、残念なのはワタシです。【210225変更】 [映画館(字幕)] 3点(2020-06-15 16:07:34) |
4. 肉弾(1968)
《ネタバレ》 「不思議惑星キン・ザ・ザ」を観たときの感想を思い出しました。なにか、メッセージ的なものがあるように見えるのですが、その実(じつ)、何もいってない。少しどうにかなってしまった人の心象風景のような殺伐としたシーンが続き、正直困惑。そして、そのまんま。オラは、こんなの好きじゃないよ。 [DVD(邦画)] 2点(2019-03-18 15:35:00) |
5. 22年目の告白 -私が殺人犯です-
《ネタバレ》 なかなかの変態映画なんですが、映倫区分はG(どなたでもご覧になれます)。絞殺シーンもさることながら、ラスト間際の千堂の壊れっぷりは相当なもの…。なんてなあ。元少年Aの例の手記をなかったかのように、この物語を消費しているワタシ自身がイヤなんだ。…面白かったです。 [DVD(邦画)] 8点(2017-10-15 19:54:32) |
6. 日本一の男の中の男
《ネタバレ》 ウーマンリブ運動のアンチとして作られた映画とお見受けします。♪男がエラいに、決まってるさ。でもただひたすらなのですね。とはいえ、女性の支えがあってこそという、お為ごかしをする余裕すらない。戦後の教育を受けたモノとしては「若いくせして頑迷な親父」にしか見えません。何を、そんなに、必死なんだ。かつてあった時代の断末魔としてなら見る価値があったかもしれません。 [DVD(邦画)] 3点(2016-08-15 07:07:08) |
7. 日本と原発
《ネタバレ》 本作を観るにあたって、「逆襲弁護士 河合弘之」(さくら舎、大下英治)を読んだ。「弁護とは『正義』ではなく、『論理』だ」と言い、「元々金権弁護士だ」と韜晦する河合弁護士の映画がどのようなものか興味津々とスクリーンに望んだ。しかし。「裁判はたったひとりでも正義をかけて闘える民主主義社会の安全弁みたいなものだ」と弁護士は言う。このこと自体、しごくもっともなことなのだけれど、そんないい子ちゃんじゃないんでしょう。「違法でない限りベストを尽くす」ってスタンスなんだから。原発にまつわるたくさんの事柄がわかりやすく解説がされていてよいのですが、弁護士自身解説者になってしまっています。だから弁護士の熱が伝わってこない。自作自演の限界かと思いますので、やっぱり監督はプロに任せて欲しかった。以上、映画としてのレビューですが、最後に。応援しています、河合弁護士。5兆5045億円の賠償を東電経営陣に求める株主代表訴訟、注目しています。 [映画館(邦画)] 7点(2015-03-08 17:34:32) |
8. 任侠ヘルパー
《ネタバレ》 イロもんだと思ってみたら、大間違い。結構真面目に作ってあります。草村礼子さんをはじめとした、お年寄り役者さんたちの腹をくくった認知症の演技。リアルだ。いい台詞もあるんだ。「しょうがねえだろ、子分がそういってるんだから。」「いいよな、おまえらバカで。」鑑賞後には、いわゆる「ヤクザ映画を観た後の視点が少し高くなったような気分」にもきちんと浸れました。草彅剛。かっこいい。 [DVD(邦画)] 8点(2013-09-15 10:31:31) |
9. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
ワタシ自らが「劇場版」を選んで見ることはおそらく無いと思うので、誰かとよんどころない理由により、観る機会が訪れることを祈念しつつ。気持ちの上ではもはや幻の「劇場版」が、ああであったんだろうか、こうでもあったんだろうかと想像しつつ。それでも、少なからず驚かされたラストシーンに3点献上。 [DVD(吹替)] 3点(2012-08-15 16:51:33) |
10. 28日後...
《ネタバレ》 ラスト20分。半裸のまま、兵隊を殺戮していくジムは、もはや立派な「凶暴性」の感染者。青白い顔で薄笑いしながら、天窓から中の様子を伺っているジムはかなり不気味。生き延びていいキャラクターとは思えない。だから、劇場公開バージョンの方が正解だったのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2011-02-04 23:57:18) |
11. ニッポン無責任野郎
《ネタバレ》 「日本一のゴリガン男」、「ニッポン無責任時代」と植木等を見てきました。この2作には、他人の気持ちを思いやるような要素も持ち備えていた主人公でしたし、見ていて「これでいいじゃん」という気持ちにもなりました。しかし、本作においては、植木等はまるで「唄う悪魔」。ツノが生えて、キバがある緑鬼のようにも見える。自分の欲望のまま、気の向くまま。年寄りの庭を、無断でパーキングにするなよ。結果として、うまくいったケースもあるが、そうでないケースの方が多い。最後の笑いは、悪魔の哄笑のようだ。そういう意図で、作られていたのであれば別ですけど(事実そうかもしれないとも思う)。ワタシには3点。なんか、まじめでごめんなさい。 [DVD(邦画)] 3点(2010-12-26 23:24:50)(良:1票) |
12. 2012(2009)
《ネタバレ》 ジャクソンには、物語中盤で退場してもらい、後半ゴードンが大活躍し始めるという話だと、ひねりがあってもう少しよかったかも。「アバター」のおかげで、マスコミからは、すっかり日陰に追いやられたような本作ですが、これだけ丁寧に地球を壊してくれたんだから、同監督の「インディペンデンス・デイ」や「アルマゲドン」程度に評価されてもいいんじゃないでしょうか。…あ、同じ程度ですね(レビュワー平均点)。 [DVD(字幕)] 6点(2010-06-05 07:03:51) |
13. 日本のいちばん長い日(1967)
《ネタバレ》 登場人物の衣装に浮き出た汗ジミが印象的な映画でしたね、出てくる人が、みんな、必死。ただ、なんていうんでしょうか、一人として感情移入できる登場人物がいませんでしたね。戦争が終わってほっとした軍人、あるいは今後の身の振り方素早く計算した人間だっていたんじゃないですか。そういう人とのコントラストで、反乱軍を描けば、身勝手なヒロイズムで突っ走ったみなさん、という評価だけで終わらなかったンじゃないでしょうか。 [DVD(邦画)] 5点(2010-01-01 23:58:45)(良:2票) |
14. 人情紙風船
《ネタバレ》 髪結新三は、お駒誘拐を決行した時点で、最期を覚悟していたのだろう。又十郎よりむしろ魅力的。終始暗い眼をしていた女房おたきは、又十郎の善良さが許せなかったのだと思う。気の弱い又十郎が、自分のためにつく「うそ」が澱のようにおたきに溜まり、最後の「隠し通せないうそ」で感情を決壊させたのだろう。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-11-13 00:02:39) |
15. ニッポン無責任時代
《ネタバレ》 あの、ゴージャスだか、貧乏くさいんだか分からない、「♪ハイそれまでヨ」のシーンが私は好きです。「無責任野郎」の方が面白いんですか!楽しみです。 [DVD(邦画)] 8点(2009-07-21 21:27:15) |
16. 日本一のゴリガン男
《ネタバレ》 鼻歌を唄うように生きていきたい、と思った。 [DVD(邦画)] 9点(2009-07-20 16:07:09) |