1. 日蓮と蒙古大襲来
《ネタバレ》 元軍が暴風雨のために壊滅してくシーンはおそらく日本の特撮史において特筆すべき圧巻です。実写と特撮を短いカットでつないでいくことで極めて迫力あるシーンとなっています。そのつなぎは決して不自然ではなく、例えば実写にて船上で水と火に翻弄される元軍兵士を映し、次に特撮で船から多数の兵士が海に投げ出されている等、壊滅のプロセスを丁寧に描いています。確かに、前半は日蓮のエピソードがうざいほど語られて、ややストーリー的にも平板な感は否定できません。しかし、あくまでも特撮映画としてみるとき、ここで試されたスキルやテクニックがやがて「大魔神」につながっていくことを考えれば、東宝や東映とは異なる独自の立場を確立しているということは言えると思います。(この作品を民族的な視点で評したり、神風を扱っているから荒唐無稽としたり、あるいは特定の宗教的立場で論じたりしたとしても、本作の魅力を語ることにはならないと思います)。 [DVD(邦画)] 6点(2015-09-05 17:09:00) |