1. ニューヨーク東8番街の奇跡
社会的問題をファンタジーで解決されてもねえという点には目をつぶるとしても、リアリズムをないがしろにしているのは許容できません。冒頭に老人が「私有地だ」と言っているので、土地や建物は老人の所有なのでしょう。犯罪で更地にしても所有権が開発側に移ることはないはずです。嫌がらせの一環ということで辻褄は合うのかもしれませんが、それだけでは説得力が不足しています。地上げを正当化することはできるのですが、チンピラに犯罪を犯させるのはリスクが大きすぎます。 ビルに挟まれて古い建物が残りましたというのは、この作品の作風に合ったハッピーエンドと言えるでしょう。日当たり悪そうという思いがすぐさま湧きましたが、今時そんなのは当たり前でしたね。 個人的にはビルの建設を挫折させることで、都市への一極集中と地方の過疎化に対するアンチで締めて欲しかったですが、この製作陣にはそもそもそんな気が合ったわけがないのでない物ねだりでしょうね。 [地上波(字幕)] 6点(2023-01-23 12:38:52) |