1. ノンちゃん雲に乗る
今まで僕は知らなかったのだけれど、鰐淵晴子という人は戦後「天才少女バイオリニスト」として名を馳せた人だそうな。これはあくまで想像だけど、丁度終戦の年(1945)に生まれ、優雅にバイオリンを奏でるばかりか、ピアノやバレエもこなし(おそらくこの時代、子供の頃からバイオリンを学べる環境にある、というのはある程度裕福な家でないと無理だったと思う)、その上まるで少女雑誌の挿絵から抜け出たような可憐さを持った彼女は「戦後の復興」、或いは「日本が目指すべき豊かさ」を象徴するアイドル的存在だったのではないかな。この作品を今観てみると、お話としては他愛もないし、子供に対する教訓話みたいでもあるのだけど、戦後のある時期にあった(であろう)一種の解放感と瑞々しさと無邪気さに溢れていると思う。なにより、ノンちゃんのお母さん役で出演している原節子が良いのです。こんなお母さんだったら、ノンちゃんじゃなくても大好きになっちゃうよねえ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-04-07 18:29:49) |
2. のんきな姉さん
《ネタバレ》 この作品、実は今年(2004年)の初め、公開初日に観ました(監督・キャストの方々の舞台挨拶も初体験)。んじゃあ何で今までレビューを書かなかったかというと、(ひょっとして約一名?ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが)実は鑑賞前にビールを飲んでしまったために物語の後半部分では尿意との戦いで精一杯で、とても鑑賞どころではなかったのでした、ゴメンナサイ。ということでDVDで改めて鑑賞。・・・正直、とっつきにくい作品かもしれません。時間軸がバラバラというのもあるし、登場人物の寿司夫(弟)があまりにもダメ人間、というかちょっと「いっちゃってる」奴に思えてしまうし。でもきっと、この作品は「そういう風に観る」作品ではないんだろーなーと思いつつ故・ブルース・リーの「Don't think.Feel!」の精神で鑑賞(でも「何も考えないで観る」って意外と難しい。ついつい雑念とか入り込んできちゃうから)。最初はどこか、重苦しいような感じがしてたのですが、途中三浦友和と佐藤允がシュールな感じで出てきて何とも言えない「間」を作り出してるところ辺りがツボに入りました。で、最後に安寿子(姉)が雪の中、弟に寄り添うところで見せた笑顔が何だか暖かな感じで、ちょっと切なかったです。何だか幼い頃見た、目が覚めた時何故か泣きたくなっちゃったような夢をそのまま映画にしたような、不思議な印象でした。 6点(2004-12-12 18:41:57)(良:2票) |
3. のど自慢
井筒監督って、こういう市井の人々を丹念に描くのがホント上手ですねえ。いわゆる群像劇なんだけど、脇役やチョイ役のキャラクターの描き方も細やかで、監督の人間に対する愛情が感じられました。個人的に好きだったのは可愛いパパに扮した大友康平(とその家族)、自閉症気味の孫を預かるおじいちゃん役の北村和夫、あと、予選で出場者のそばについて細やかな気配りを見せるディレクター役の田口浩正も良かった(そういえばこの人、「シコふんじゃった」でもいい味出してたなあ・・・)。正直、「のど自慢(番組の方)」も演歌も好きじゃないし、あんまり若者ウケする内容ではないかもしれないけれど、良い作品でした。<2005.4.18追記>久々に観直しました。最近時々思うのだけれど、日々のイトナミの中で人がこだわったり夢中になったりする事ってそのほとんどが、客観的に見たらくだらなくて愚かしい事ばっかだと思う。でも、いーじゃん、バカで。バカな事をひとつもやらない人生なんて、きっとさみしくて、つまんないぞ。この作品は、そんなバカみたいな市井の人々の悲喜こもごもをサラッと描くことで、それぞれの人の中にそれぞれのドラマがあり、そしてそれぞれの「うた」が流れているのだ、ということを再確認させてくれる。これが泣かずにおらりょうかよ。っつう事で1点プラス。 [DVD(字幕)] 9点(2003-09-12 18:52:39) |
4. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
さかQさんに同感です。僕もあまりハマれませんでした。でもやっぱ「天国の扉」は名曲ですねー。ウルッときちゃいました。 6点(2003-05-06 17:35:46) |
5. ノー・マンズ・ランド(2001)
あの二人はきっと分かり合えるんだろう、と思ってみていたら・・・本当の意味での「衝撃のラスト」ですね。でも基本的に戦争映画にハッピーエンドってありえないんじゃないでしょうか?その意味では「正しい」戦争映画だと思います。余談ですが、この映画を喫煙者が観るとすごくタバコが吸いたくなります。 8点(2003-03-03 18:00:07) |