21. 狼たちの午後
《ネタバレ》 ゲイの愛人の性転換費用のために銀行を襲うソニーとサルの二人は、本当に愚かで、心が折れそうなほど弱く、限りなく優しい人物だ。当時の腐敗しきった警察組織を相手に、「アッティカ!アッティカ!」と叫び(アッティカ刑務所で待遇改善を要求し暴動を起こした囚人たち数十名が殺害された事件)、一躍人気者になるソニー。ワイオミングを外国だと思い、肺癌になるのを畏れタバコを喫えないサル。そんな彼らに冷たい現実が押し寄せる。『ゴッドファーザー』とは対照的に、全身で感情を表現するアル・パチーノのベスト・アクト。早逝したジョン・カザールも忘れられない名演を残した。社会派シドニー・ルメット監督の傑作ドラマ。 [DVD(字幕)] 8点(2009-07-19 22:17:43) |
22. オルゴール
公開当時はかなり衝撃的だったことを覚えているが、いま観ると、単なる長渕の「俺様映画」に過ぎない。ヤクザ風情が(失礼!)正義面して説教垂れて、気に入らない奴はぶちのめす。子供をダシに涙を誘うところがまた悪趣味。 [DVD(邦画)] 4点(2009-06-18 22:27:00) |
23. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 『ゴジラ』のパロディから始まるスペクタクルなオープニングに意表を突かれた。しかし、そこで力尽きたのか、展開は徐々にトーンダウン。必ずしも必要とは言えないエピソードも散見され、前作超えは厳しいと痛感。それでも、標準以上の出来栄えであることに変わりはない。 [DVD(邦画)] 7点(2008-05-30 09:11:54) |
24. ALWAYS 三丁目の夕日
条件反射みたいに泣けてしまう。 [映画館(邦画)] 9点(2008-05-30 09:08:17)(良:2票) |
25. オペラ座/血の喝采
《ネタバレ》 破格の制作費をかけたらしく、スケールの大きさは随所に見られるが、全体的に意味不明すぎる。ここまでストーリーが破綻したサスペンス映画も珍しい。もっとも、オペラ座を縦横無尽に動き回るカメラワークや、ドア越しに撃ち込まれる銃弾など、アルジェント流の撮影テクニックは充分に堪能できる。また、日本で観られるビデオは短縮版なので、もし「完全版」を観る機会があれば、評価も変わるかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 5点(2008-04-20 00:20:35) |
26. 終わりで始まりの4日間
小品だが心に残る青春映画。こんなふうに悩んでいた時期というのは自分にもある。過去に受けた傷を抱え、うまく息ができない感じ。でもそんなものはいつの間にか消え去った。人との出会いがそうさせたのだと思う。他人を受け入れることで、自分も受け入れてもらえた。すごく簡単なことが、当時はすごく難しかった。だから主人公の気持ちは分かる。彼がサムに出会えたことは偶然だが、彼女を「通りすがりの誰か」ではなく、「大切な人」として受け入れることができたのは、やはり彼に「変わりたい」という気持ちがあったからだろう。変わりたいと願えば、誰でも変わることができるのだ。 [DVD(字幕)] 6点(2007-11-11 20:23:23)(良:1票) |
27. 狼/男たちの挽歌・最終章
《ネタバレ》 香港ノワールの到達点。ジョン・ウーはもうこれ以上の作品を撮れないのだろうか?とにかく華麗すぎるチョウ・ユンファの銃さばき。殺し屋と刑事の友情。男泣き必至の大傑作だ。ところで、ポニーキャニオンから出ていた旧版DVDと最近のリマスター版では字幕が違う(役名まで変わってる)。個人的には旧版の方が作風に合っていて好き。ラストシーンは「やったぞ…」の方が断然良い!(ちなみに、この度ブルーレイで観直したのだが、何とダニー・リーの顎からちぢれ毛が一本ビヨ~ンと伸びているではないか!DVDでは気付かなかった発見だが、ラストの感動するところで笑っちゃったよ) [ブルーレイ(字幕)] 9点(2007-11-08 07:13:43) |
28. オー・ブラザー!
《ネタバレ》 これって数日間の話ですよね?よく分からないんだけど、たった数日でレコードが売れたり、全米の人気者になったりするものですかね?普段あまり映画にリアリティを求めない方なんですが、これはまるで数ヶ月間の話のよう。脱獄後、また捕まったタトゥーロがすぐ別の場所で労働に就かされているのも?(懲罰房に入れられたりしないものなのか?)ストーリーの根幹は面白いが、細部が穴だらけなのでシラけてしまう。クルーニーのコメディ演技は良かった。 [DVD(吹替)] 6点(2007-11-06 15:37:43)(良:1票) |
29. 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
《ネタバレ》 「リーダーのいない組織」って、そもそも組織じゃないだろ!ただ徒党を組んでるだけの雑魚の集団に過ぎない。そんなものに振り回される警察組織もどうだろう。勝手に内部分裂しているだけで、まともに動けばこんな連中に負けるはずがない。また、雪乃さんを人質に取り拳銃を振り回している犯人の傍に、「偶然」行方不明の女の子がいる→わざわざ犯人に突進して行って撃たれるすみれさん→SATに完全に包囲されている状態で雪乃さんを連れて逃げ切る犯人…という、どう考えてもあり得ないご都合主義の展開が鼻につく。君塚脚本の崩壊ぶりが甚だしい。ただ、TVシリーズから観ているファンにとっては、青島をはじめとする「踊る」のキャラクター性で押し切られた感があり、例のテーマソングが流れるとついワクワクしてしまうのだ。 [映画館(邦画)] 6点(2007-10-20 23:41:37) |
30. 踊る大捜査線 THE MOVIE
《ネタバレ》 (2012年1月26日追記)改めてTVシリーズを観直してみると、あまりの面白さと懐かしさに涙が出てきた…。そして、2本のTVスペシャル(歳末SPと秋SP)を経ての本作。最後に観てから何年も経つが、驚くほど細部までシーンや台詞を覚えていた。やっぱ好きだわ、この映画。その後のシリーズは目も当てられない出来だが、ここまでは素直に面白かった。今年(2012年)9月に完結篇が公開されるらしいので、結局観に行ってしまうんだろうな。 [映画館(邦画)] 8点(2007-10-20 23:34:48) |
31. 男たちの挽歌
《ネタバレ》 『挽歌』シリーズは、『Ⅱ』>『狼』>『Ⅰ』>『ハードボイルド』>『アゲイン』の順で好き。さて、「香港ノワール」というジャンルを確立した本作だが、今観たら結構粗が目立つ。と言うか、チョウ・ユンファ、主役じゃなかったんだ…。彼がいちばん格好良いのは、序盤の二丁拳銃で殴り込みをかけるところ。それ以降は鼻血ブーだし文句ばかり言ってるし、あまり良いところがない(最後に殺されちゃうし)。また、やはり問題なのはレスリー・チャン。演技がクサすぎる。ユンファやティ・ロンもクサいのはクサいのだが、彼らにはまだ演技力がある。しかし、レスリーは観ているこっちが恥ずかしくなるくらいヘタ。冒頭の純粋無垢な感じから、中盤以降の大袈裟過ぎる豹変振り、喋るたびに口から涎垂れてます(ブルーレイでくっきり見える)。「刑事さん…」のところはティ・ロンさんの名演で泣けるシーンだが、レスリーの顔を見るたびに思わず吹き出してしまう。そんな『Ⅰ』ですが、やっぱり燃えるので、8点はカタイ。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2007-09-10 15:45:19) |
32. 男たちの挽歌II
《ネタバレ》 『挽歌』シリーズではいちばん好き。何と言ってもクライマックス、キットの死から敵陣への殴り込みまでの一連の流れが素晴らしい。音楽が最高潮に盛り上がり、香港映画史上最高の大銃撃戦へと雪崩れ込む。ロングコートを翻し、サングラスをかけたチョウ・ユンファが二丁拳銃で撃ちまくる!そして、一匹狼の殺し屋との決闘の凄まじさ。真正面から撃ち合い、何発もの銃弾を浴びながらも倒れない。熱い!熱すぎるよ!!ハリウッドに渡り骨抜きになったジョン・ウー先生の最高傑作。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2007-09-10 15:40:01) |
33. オーシャンズ13
《ネタバレ》 前作の反省を踏まえてか、軌道修正されたオーシャンズ。もはや泥棒映画でなくなっているのがナンだが、明確な悪役を設定することで、娯楽色豊かな作品となった。相変わらず誰も死なないので(予告編を観てルーベンが殺されるのかと思ったが、裏切られたショックで倒れただけ)、お気楽に観られる。ベネディクトが味方についたのには驚き(最後には良い人になってるし)。ナイトフォックスの登場など、前2作をきちんと把握してないと「?」なシーンが多いので、他のレビュアーの方も言っているが、前作の復習は忘れずに。個人的にはメキシコの騒動が面白かった。ジュリア・ロバーツはいなくて正解。 [映画館(字幕)] 5点(2007-08-14 14:09:16) |
34. オーシャンズ11
オシャレな犯罪映画。ジョージ・クルーニーが好きなので贔屓目ですが、つい何度も観てしまう。基本的に誰も死なないのが良いのかも。かつて、故・淀川長治氏が『特攻野郎Aチーム』を紹介する時に、「Aチームは誰も殺さないのが良い」みたいなことを言っていたことがあります。時間をかけて仲間を集め、わいわい言いながら仕事をするところなんか、『Aチーム』的で好きですね。って、『Aチーム』のことばっかり言ってるな… [映画館(字幕)] 6点(2007-08-07 07:38:57) |
35. オーシャンズ12
《ネタバレ》 『グレムリン2』を思い出した。まさに監督のやりたい放題。前作はわりと一般向けの娯楽映画として作られていたが、これは監督の趣味丸出し。ストーリーの整合性より、ジョークを楽しむべき映画。それにノレるかどうか何だけど、正直イマイチ?面白いといえば面白いし、面白くないといえば面白くない。愛車を爆破された時と、携帯を盗られた時のブラピのヘン顔が良かった。クルーニーの「俺って50に見える?」も笑った。ジュリア・ロバーツとブルース・ウィリスのギャグはやり過ぎかと… [DVD(吹替)] 4点(2007-08-04 07:21:48) |