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1.  狼たちの午後 《ネタバレ》 
気になっていたけれどやっと観る機会ができました。当時に社会的な問題になりつつあったベトナム帰還兵、性同一性障害者との同性結婚とそれに理解を示した聖職者の上位との対立、警官と群衆とメディア、サルに代表されるサイコパスなどいろいろな社会面を銀行強盗事件を通じて紹介したみたいな映画です。巡査部長はうまく事態をまるく収めたくてあらゆる取引に応じてみせるけれど、FBIは危険なサルを当初から排除の方針を固めていて最後にバスに乗せたときの一瞬の隙に額に小口径弾を一発で全て解決。当初の3人組が実行初期に一人脱落するけれど、それでも戻ってきて机の下に女性が隠れていることを教えたりと意外と義理堅い。ノンフィクションで主犯は20年の刑ですから制作時には刑期を終えていたようです。展開は面白いけれど何か拍子抜け。
[DVD(字幕)] 6点(2011-07-26 16:25:49)
2.  男たちの大和 YAMATO 《ネタバレ》 
率直に言うなら女の視点からの「大和の男たち」としたほうがより正確ではないでしょうか?不死身の兵曹の娘(実は養女)が父親の遺志を実現する旅からの出だしからしてその視点がどこにあるかははっきりしています。登場人物の配置場所も機銃や高角砲、厨房と言うような戦艦では本来裏方であったような場所での水兵勤務ですので過酷とは言えなくても命令により戦局などとは無関係の使い走りの毎日が描かれています。そのために従来のこの種の映画であまり描かれることのなかった対空機関砲の操作や砲弾の扱いなどが丁寧に示されています。戦闘機と差しでの勝負とは言っても、機首を向けたほうに照準が定まる毎秒150mの戦闘機が空を斜めによぎるのを人手で銃弾を補充しながら仰角と方向を二人が呼吸を合わせてでは公平な勝負には程遠いし、重い砲弾を人手で運搬の高角砲も近接信管を抜きでは当たるほうが奇跡に近いです。それでも沈没に際しては甲板に近いほうが助かる率は高いのですが。もともと大和の出撃自体が(天皇から聯合艦隊の残存についての質問があったことが発端とされていますが)無意味なことで、沖縄に到達できるとは誰も信じていない中で官僚機構の組織での伝達の正当化が行われ、人と艦を捨てに行ったに等しいものですから。サイパンの陥落で多くの民間人を巻き添えにした悲劇を認識しながらそれを美化し、それでいながらレイテでの海戦でまだ次の機会があるとして戻り(そこで温存した艦船は帰路に撃沈されたり軍港で爆撃に遭ったりしてほとんど全滅状態)それでいて重油が枯渇しているのだから実際には聯合艦隊はレイテで終わりにすべきだったのだし、それならば意味ある戦場での死として残ったでしょう。この無意味な、ただ航空機にタコ殴りにされるだけの戦闘に兵と艦を駆り出す愚かさだけが見えるので悲しさと寂しさしか感じられない映画です。下士官と水兵との間の心の交流はあったにせよ、結局は彼らを艦の備品としてしか認識していない上層部の官僚主義が喜劇とも言える悲劇を作り出したのでしょう。
[映画館(字幕)] 6点(2005-12-30 20:40:22)
3.  オズの魔法使 《ネタバレ》 
あらすじは知っていたのだけれど、いかにも夢の中と言うカラーの場面の印象が強くて最初のほうの場面をよく覚えていなかったので最後の場面になって連れの3人が農夫のデフォルメされたキャラクタであることに気づかされた。しかし、当時の使用人の立場がどのようなものかの知識がないので、この3人の卑屈に思えるような態度がゲイの象徴として扱われているとの話にはすぐに承服はできない。まあ、あの意地悪な地主は竜巻で死んだことは童話としても残酷だけれど、それを笑のネタにして子供に見せてもいいのだろうか?
[DVD(字幕)] 8点(2005-04-30 00:56:33)
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210.48%
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