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プロフィール
コメント数 73
性別 男性
ホームページ http://6018.teacup.com/337/bbs
年齢 53歳
自己紹介 心の機微が感じられる作品が好きです。
絵に携わる仕事をしていますが、映画を映像面から語ることが苦手です。
映画の社会的道徳は常に考えますが、基本的にエンターテイメントを冒涜するようなツッコミはしないのが観客のモラルだと思っています。
全体のバランスよりも、ただのワンシーンにノックアウトされたい。

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1.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 
予告映像では重厚なドラマのように見えて期待していたのですが、違っていました。バイオレンス映画として軽く観るぶんには面白いんですが、人間ドラマとして観るとかなりお粗末。激しい復讐劇の根幹に近親相姦を持ってくるのなら、その観念についてもっと深い思慮を持って欲しい。娘とセックスしたことに愕然とするばかりでなく、立派に成長した娘への感動や感謝はよぎらないのか。役者の突き抜けた演技には説得力があるけれど、脚本的には浅い。 オ・デスはミドの父親であることを隠し通すために、催眠術によって自分が父親であるという秘密を封印する。すなわち自分の娘との恋愛関係を続けることを選んだ。舌など切らずにキチンと真実を打ち明け、親子として暮らせる未来を求めるべきではなかったのか。それが強く重い意志による最善の「復讐」だと私は思うのだ。ウジンもオ・デスも結局、悲劇から逃がれたいばかりで立ち向かうことをしない。この弱くて盲目な二人を「リアルだ」と思うならアリだろうけれど、私にはおぞましいものでした。とどのつまり、性衝動の美化・正当化に執心しているだけ。(教室でエロイことするウジンが軽率だし、オ・デスが卑屈に謝罪した動機がミドとの恋人関係を維持するためだなんて)表面的なショッキングさを重視し、心理的な成熟が感じられない、悪い意味で現代漫画的な映画でした。
[DVD(字幕)] 6点(2005-05-14 23:39:23)
2.  狼たちの午後 《ネタバレ》 
銀行強盗は犯罪です。よい子は真似しちゃいけません。 しかしこの映画のアル・パチーノを見ていると、自分がみるみる彼と同化していくのが わかってしまう。ああ、俺いま銀行強盗やってる気分だ・・・そう思いながら観てしまう。 ソニーの目に映るものを感じはじめると、心の中に沸きあがってくるものがある。 孤独感だ。 ------------------- 警官たちがソニーと人質を間違えて銃をつきつけたことを境に、観衆はソニーの味方につく。 (いや、実は鬱積していた警察の暴力への不満が噴出しただけだ。)  恋人のレオンはソニーに虐待されたことを警察に打ち明ける。ソニーの母親の悪口も。 (レオンは自分だけが傷ついていると信じて疑わない。なぜ結婚なんかしたんだ?)  嫁は「私のせいね」「私がデブだから」と自分を責めた。 (この女は口だけだ。なんにも行動しやしない。)  観衆に混ざってゲイたちが叫ぶ「ソニー万歳!ソニー万歳!」 (なんなんだこいつら。事件と関係ないだろ。)  母親は、この事件を家庭のせいだといい、ソニーを慰める。 (嫁の悪口が言いたいだけだ。こんなところまで来て嫁イビリかよ。)  協力的だった人質たちも、サルが射殺されソニーが拘束された後は無関心。 (こっちをちらりとも見やしない。) ------------------- みんな自分のことばかり話したがる。事件を踏み台にして声高に、自分の鬱憤を晴らしてやがる。 俺がどうしてこんな事になってしまったかなんて、誰も知ろうとも思わないんだ。 銀行強盗をする前も、した後も、俺の味方なんてものはいやしなかったんだ。 けどそれは俺のせいさ。よくわかってる。俺はいつだって裏切ってきたんだ。 サルのことも裏切った。誰の罪でもない、俺の罪だ。 (う、いつのまにかソニーになりきってしまった・・・)
9点(2004-06-02 04:17:02)
3.  折り梅 《ネタバレ》 
原田美枝子さん綺麗だなぁ・・・と思いながら観ました。 私の祖母は随分前に他界しましたが、老人性痴呆症でした。だからこの映画に描かれて いたような出来事は一通りありました。我が家の場合は祖母以上に父が問題であったので、 台所から刃物を持ち出して「死んでくれ」と言うのは父でしたね。 当時まだ学生だった私は、父のことも祖母のことも大嫌いで、母親の陰に隠れてやり過ごして いました。「折り梅」の中に、原田美枝子さんが娘の膝で泣くシーンがあるのですが、 そういえば私の母も、私にすがって泣いたことがあるのを思い出した。 この映画を観ていると、当時のことがぽろぽろと思い起こされてきます。 前述したように我が家は父に問題があったため、最後は感動の大団円!みたいなことは ありませんでしたが、それでも母は原田美枝子さんのように(こんなに綺麗じゃないが) 祖母を受け入れて看護していたと思います。 「私もいずれこうかもしれんしね」母はそんな風にもらしていました。 トミーズ雅が言った「それでも生きていて欲しいんや!」は、私も全く同じ気持ちです。
7点(2004-05-30 15:06:05)
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