1. オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
昼の2時から見始めたというのに、リビング中に満ちたこの夜の空気は一体どうしたことだろう。夜のなかでしか生きられない吸血鬼達のシュールな日々。我らゾンビは命を廻らせている。死んでも死んでもまた生まれてレコードみたいにぐるぐる廻りながら人生というのを繰り返している。永遠に一方通行の旅を続ける彼らがボンヤリとした明かりに照らされながら活動する画の美しさ、そのシニカルな会話の楽しさ。美しい芸術をありがとう、映画もきっと彼らが上物をちびちびすすりながら作ったんだろう。ティルダ・スウィントンは多分本物の吸血鬼じゃないかと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-03 16:43:39)(良:1票) |
2. オズ/はじまりの戦い
《ネタバレ》 こっくりとした油絵のような色使いは、初代「オズの魔法使い」を思い起こさせる。ごめんね、オレペテン師だから。足を治せなくてごめんね、友だちだぜってハグできなくてごめんね、「オレに付いてこい何も心配するな愛してる!」って言えなくてごめんね。ここに来たから言えるんだ、虹の向こうの世界に。 [DVD(吹替)] 7点(2013-09-06 15:51:48) |
3. 俺たちフィギュアスケーター
なんだぁ、てっきりフィクトナーも全身タイツ着るのかと… [DVD(字幕)] 5点(2008-05-24 09:57:33) |
4. オルランド
《ネタバレ》 背景、衣装を含めた美術が豪華で、画の美しさは一級品。後で調べたら監督は女性だそうで、なるほど納得です。あの世界観の中にT・スウィントンがストンと治まり、妖精のような佇まいでさらに美しさが益しています。ストーリーもとても不思議ですが、起伏が無きに等しい。主人公は君主エリザベスに言われた命令には異常に執着するものの、人生にあまりにも起伏がないので面白い映画ではないのです。確かに実際400年も生きるとしたら、あれくらい淡泊でないとやっていけないでしょうが。TVドラマのほうが向いている話のような気がしました。魅惑のファルセット、ジミーの歌声は嬉しいオマケでした。 [映画館(吹替)] 6点(2006-02-05 22:22:03) |
5. オペレッタ狸御殿
スイマセン、あまり楽しくなかったのです。邦画のいい香りがプンプンして、平幹二朗の顔が出た瞬間のたまらなくいかがわしい感じは最高だったのに。チャンちゃんは笑顔や身のこなしがとっても可憐で、この訳わからん設定の中でよく頑張っていたと思います。だからオダギリジョーにはもう100倍はじけて欲しかった。中国語で喋る彼女の受け皿になってフォローし支えてくれたら、私ももっとこの映画の空気に乗っていけたかなと思います。役者さんは彼以外はみんないかがわしくて良かった。だからお人形のような表情をもっと変幻させて活躍して欲しかったです。でも鈴木清順翁はそんなこと望んではいないのでしょう。高齢になってもこういったパッションを持ち続け、立派過ぎる絵空事を描ける力はすごいと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-24 01:53:45) |
6. オール・アバウト・マイ・マザー
目の前で死んでしまった息子の想いを抱いて元夫を捜すマヌエラと、彼女と交流を持つ人々の話。全ての人に「母性」と「再生」の光を持たせて話を描いている。息子の死と臓器移植、男から女への性転換、エイズで命を落とす女性と出産、そして父から子どもへ受け継がれる名前…。命が循環する様子がさりげない流れの中に上手に組み込まれている。けれど、この監督の特徴なのかちょっと唐突な展開に納得がいかなかったりで、「なるほどなあ…」以上の感情が湧いてこなかった。しかし、この作品の主人公も随分酷な状況だなあ。マヌエラの繰り返される嗚咽はその度に胸が痛んだ。 [DVD(字幕)] 7点(2005-07-25 20:41:46) |
7. オセロ(1995)
今回シェイクスピアの戯曲「オセロ」に触れるのは初めてだった。一言で言えば正当派。「オセロ」とはいかなる物語かをぴっちりと映像化している。主役はタイトルロールを演じたフィッシュバーンではない。ブラナーの役柄、立ち回りが非常に重要で、またその期待を裏切らない天晴れな活躍だった。ブラナー映画である。物語の感想としては、人の言うことを鵜呑みにせず、一度は自分の胸で物事を深く考えた方が良いな、という教訓めいた物を感じた。イアーゴのような人物は今も昔も変わらずいる。そしてこれからも絶えることなく…。 7点(2004-10-10 01:39:10) |
8. 男と女(1966)
30歳を越えたら見よう、と思っていた映画が数本あり、これはその中のひとつだった。何気なくて、とても甘い香りがする映画。私は主人公二人ともとても魅力的に感じた。ただ、男性って何歳になっても子どもっぽいところがあるので、みんなアヌーク・エーメの熟した魅力にどうしても目がいくのかもしれない。ストーリーは大きな起伏があるわけではない。洒落て落ち着いた会話が多く、その何気ない時間の経過に一緒に身をゆだねてみた。若い頃なら、起承転結ばかり求めて早送りとかしていたかもしれない。ラストの30分あたりは、二人の心の機微を追いながら、どちらの気持ちも何となく分かる気がして画面から目が離せなくなってしまった。ゆったりとしたようだけど、恋愛の本質って老いも若きもあまり変わらないような気がする。さて、主人公二人とも子持ちなのだが、この子どもが非常に自由に動いていて、会話も動きもこの上なく可愛らしかった。可愛い子どもに目を細めるのも、年齢を重ねた証拠かな。 7点(2004-07-17 20:22:10) |
9. オースティン・パワーズ
これはもう、ノリについて行けないとどうしようもなく寒い結果が待っているタイプの映画ですよね。M・マイヤーズがおバカを真面目に熱心にやっているのは認められるけど、ノレなかった私には観ている間苦痛でした…。あちゃちゃ。 3点(2004-03-20 18:43:46) |
10. オープン・ユア・アイズ
たとえ夢オチでも楽しめました。先に「バニラ・スカイ」を見ていたので、比べる気持ちで見てみたのですが、先のわからない気持ち悪さとかはこちらが勝っていたと思います。ヌーリアのキャラクターもミステリアスで、映画のテーマに合っていたと思います。ペネロペはこっちの方が俄然可愛かったですね。母国語でのお芝居だからのびのびしていたのかな、と思いました。夢の中で自分の人生いいように辿れるのかあ。その後現実が待ってるんだもん、あんまり良くは無いな。私はカンベンです。 7点(2004-02-22 09:54:36) |
11. 女は女である
アンナ・カリーナのキュートさ全開です。ストーリーは何てことありません。鑑賞後は、ただもう彼女を堪能したなあ、という感じでした。彼女が住むアパルトマンのインテリアもポップで素敵でした。彼女がベルモンドを翻弄するシーンが好き。「あなたとどうするかは、私の部屋のひさしを見ていて」と言い残し、アパルトマンの真っ赤なひさしを出したり引っ込めたり。セリフも役者も使わず、カリーナの色「赤」で彼女の気まぐれさ、カワイさを表現しています。 7点(2004-02-18 09:32:24) |
12. 王は踊る
うわー、これ、ブノワ・マジメルが体金色に塗ってぐるぐる回ったりジャンプしたりするんですよ。すごかった。宮廷お抱え作曲家リュリの、太陽王ルイ14世への想いを綴った物語なのですが…。この時代の風俗を知るのにはまあ良かったのでは。とにかく、ストーリーよりマジメルのすごい格好とダンスに注目してしまった。この後マジメルは「ピアニスト」出演時にインタビューで「ピアノのレッスンが難しくて…「王は踊る」のダンスの方がずっと良かった」と語っていたそうです。なるほどねえ。 5点(2004-02-15 19:12:48) |
13. オンリー・ユー(1994)
コメディのマリサ・トメイが大好きなので点は甘いかも。とにかくテンポが良い。思い込みだけでイタリアまで行っちゃうし、結構選り好みしてるし、彼女に共感したかと聞かれると・・・。でもコメディとして楽しく良くできてました。 6点(2004-02-02 16:57:03) |
14. 乙女の祈り
神戸で起きた、日本を震撼させた事件の犯人が、14歳の少年だったと告げるテレビニュースを見ながら、私はとっさにこの映画のことを思い出した。自分の心のなかにある世界でしか翼を広げられない、子どもでも大人でもないあやふやな「生」のかたちを映したこの映画は、とても怖くて切ない。二人しか解からない世界に浸る少女たちは、見ているものをゆっくりと物語の中に引っ張る。ケイト・ウィンスレットが怪演。映画の雰囲気も相まって、すごい女の子だと感心した。 [映画館(字幕)] 8点(2004-01-16 20:04:03)(良:1票) |