1. オットーという男
《ネタバレ》 これは泣けてしまう。全編通じてコメディベースで作り込まれているところが良いですね。コメディ演出の要所要所に挿し込まれているトムさん演じる主人公の深い悲しみと彼を取り巻く人々の人間味や優しさが、見事なメリハリをもって迫って来るのに涙腺が耐えられません。原作小説も元ネタ作品も未読・未見だったので尚更に心に沁みたのかも知れません。何の先入観もなかったので。 脚本の妙も然ることながら、役者さんたちの微に入り細に入りの演技も素晴らしかったです。トムさんひとりがグイグイ引っ張るようなことはなく、主な登場人物一人ひとりのキャラクターがキッチリ立っている感じ。野良猫役の猫さんまでもが単なる添え物ではない存在感を放っていました。 元ネタも観たいと思いますが、現時点で特に異議なしの10点献上します。 [インターネット(字幕)] 10点(2024-09-17 10:31:24) |
2. 温泉シャーク
《ネタバレ》 日本発サメ映画!温泉入浴中にサメに食われる!インパクトありますね。前々から大いに期待していまして、実はクラファンにも参加しました。 シンプルに言ってしまえば、真摯な情熱(郷土愛&サメ愛)と子ども心を忘れない大人の遊び心の融合とでも言いましょうか。いかに理屈を付けようともどうにも非科学的と言うか非現実的な設定と展開。コテコテにベタな脚本&登場人物のキャラ。そして、それを力業的に具現化すべく用意された確信犯的に只管チープなCGや特撮。これら全てを好むか好まざるかによって本作の評価は両極端になること間違いなしかと。 勿論、私は肯定派です。冒頭のシーンから「やっちまったな」と苦笑せざるを得ませんでしたが、それは呆れて苦笑しているのではなくある種の満足感に裏打ちされた苦笑でして、「やってくれてるじゃん」的な気持ちで満たされた感があります。個人的にトンデモサメ映画やトンデモゾンビ映画は好物ですが、ひとえに「こういう映画愛も好きだなぁ」という理由に尽きます。なので偏愛的に8点献上します。 以下雑記です。 巨大3Dプリンタと破壊された自衛隊機から取り出した機関や弾薬によってその日のうちに完成した「あつみ丸」の活躍は、井上森人監督の「温泉防衛バスダイバー」を彷彿させるもので、特撮愛と怪獣映画愛に満ち溢れています。生身で戦うマッチョ(なんで登場するのか意味不明ですが)の姿はどことなく「MEG」のジェイソンを想起させてくれます。細かなネタはスベろうがスベらなかろうが楽しめました。主題歌に至っては本格極まりない出来映え。DLして楽しんでます。唯一残念だったのはパンフが売り切れだったこと。これは改めて入手したいと思っています。 [映画館(邦画)] 8点(2024-07-08 12:04:37) |
3. オーディナリー・デイズ 失踪した娘
《ネタバレ》 物語を登場人物による異なる視点で描いていくという手法自体は特に目新しいものではありませんが、オムニバス作品でもないのに各パートの監督が異なるというのは珍しい手法ではないかと思えます。が、パートごとに視点が異なると言うよりシンプルに中心人物が異なっているだけとも言え、基本は3人称で語られているように思えます。 ただし、観ていて一番感じてしまったのは、本作の特徴であるその部分よりも兎に角世界が狭いという点。冒頭シーンでいきなりカーラとブライトビルが出会っていることはまだしも、捜索活動中のブライトビルが投げたマグボトルがカーラのクルマの屋根に落ち、しかも中身を飲み干したカーラが命拾いとか。どんだけ狭い世界で生活してるの?てか都合良過ぎでしょ?みたいに感じました。 台詞なしで語られる後日談も結構お気楽感が出てまして、両親も刑事夫妻もハッピーハッピーって感じですし、一生に関わる大事になってしまったカーラも、また走れてハッピーみたいにニッコリしたりして。物語としては決して軽くも薄くもないと思えるのに、出来上がった作品としては相当ライトな雰囲気になっているのでは? 決して面白くないとは言いませんが、少しばかり肩透かしを食った感が否めず5点献上に留めます。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-06-26 14:12:59) |
4. オールドピープル
《ネタバレ》 高齢化が進む中で高齢者が行き場を失ってしまう問題をテーマにした社会派ホラーなのかな?と思いつつ鑑賞しましたが、どうも違うようですね。 子どもが大人を襲う、という作品は過去にありましたが、これはシンプルにその逆バージョン。ただし、年端のいかない弱者である子どもたちが理不尽な大人を襲うことに対して、豊富な人生経験を積んできた高齢者が「お前らは何も苦労していないくせに!」みたいな論理をもって若年者を襲うというのは相当意味が違うような気がします。 確かに介護者が不足して劣悪な環境の中で施設に閉じ込められている高齢者が社会全体に激しい怒りを抱く、というのは解らないことはないのですが、だからと言ってまず手始めに介護者を殺戮するというのはどうにも道理が通らない訳で、テーマ性自体に疑いを持たざるを得ないところです。(冒頭殺されてしまう訪問看護の女性なんて可哀そう以外の何物でもありません。あんなに可愛いのに。) 一方、襲われる方もゾンビ相手じゃないんだから無慈悲すぎる殺戮のような気もします。ボスキャラはそれ相応に憎悪すべき相手ではあるし、ガラス片を手に大挙して押し寄せる者には配慮のしようもありませんが、いきなり高齢者だからというだけで手にかけてしまっているパターンもあったような…。 施設や古家で寂し気に辛そうに暮らす高齢者と、幸せな結婚を祝う陽気で何一つ不自由などないように見える若年者を対比して、起きるべくして起きた高齢者の狂気の反乱みたいな描き方に何かスッキリしない違和感が残る物語。最後の最後に言い訳じみたコメントが入るのも逆効果でした。 [インターネット(字幕)] 4点(2024-06-06 14:59:37) |
5. オンマ/呪縛
《ネタバレ》 確かにホラーとしての要素を備えた作品ですが、個人的には殆ど恐さを感じませんでした。 主演のサンドラ・オーさんの熱演、主人公の電気アレルギーによる電気のない生活がもたらす終始暗い画面、オンマの亡霊が現れる場面で用いられるジャンプスケアと、恐さの演出には事欠かない作品でありながら恐くないのです。 郊外の一軒家がオドロオドロしくなく寧ろ牧歌的な雰囲気であったり、娘クリス役のファイヴェル・スチュワートさんの素朴な可愛らしさ、母娘の唯一の友人であるダニー役のダーモット・マローニーさんの柔和で包容力十分な雰囲気等々が、恐さを打ち消しているようにも思えますが、何より作品全体がホラーと言うよりも主人公が過去の呪縛から脱して娘と前向きに生きて行くことを決意するまでに至るヒューマンストーリーだからなのかも知れません。 確かにオンマの亡霊は登場し、いくつかの霊障ももたらす訳ですが、それらの存在感よりも主人公の胸に刻まれた苦しさや悲しみの方が常に前面に押し出されている感じです。ただし、十分に表現されているかといえば多少なりとも物足りなさを感じてしまいますが。 結果、ホラー作品として観るならば極めて平均的な出来栄えだと思いますし、ヒューマンドラマとしてはホラー要素が盛り込まれた分弱くなっていることと、主人公の過去や韓国のお国柄についての説明不足を感じてしまいました。 サンドラさんの熱演の分を加点しても5点献上が妥当かなと思う次第です。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-03-31 11:49:35) |
6. オペレーション・フォーチュン
《ネタバレ》 無敵のジェイソン。今回はほぼ危機に陥ることもなく、仲間を失うこともなく、完璧な強さを魅せてくれます。いいですね、この展開。個人的には、こういった展開を痛快アクションものに求めています。 そういう意味ではドストライク作品。アクションは迫力十分、コミカルな演出も多用されていて笑いも十分、キャスティングも文句なしで一人ひとりがイイ味出してます。 ただし、物語的には極めて凡庸。捻りなし。サプライズなし。お約束感と予定調和のオンパレードといった感じ。アクション主体のエンタメ作品ではあるものの、少しは唸らせられる展開が欲しかったというのが正直な不満点です。 なので、ドストライクではありますが7点献上が限度かな。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-01-09 17:20:33) |
7. 温泉防衛バスダイバー
《ネタバレ》 暑海市、いや熱海市の比較的近くには住んでいるのですが、「熱海怪獣映画祭」の存在は申し訳ないことに全く知りませんでした。なので本作についても未知の存在だったのですが、井上森人監督が和製サメ映画の製作に向けて現在展開しているクラウドファンディングによって偶然知りました。否、偶然ではなく必然かもしれませんが…。ネット上の動画サイトで期間限定公開されていたのを拝見しました。 ひとことで言えば、極めてオーソドックスな特撮怪獣vsヒーロー作品をドタバタコメディ風に仕上げたといったところでしょうか。20分のショートムービーですが、尺の短さを生かしてテンポよく展開していくので、「なんなんだこれ?」との思いが頭をかすめる間もなく完結します。 荒唐無稽な物語ですが、そもそも特撮怪獣vsヒーロー映画というジャンル自体が荒唐無稽と言えないこともなく、そのジャンルが大好物という方には結構ハマるのではないかと。ベタなギャグが大いにスベるのもご愛敬。古き良き特撮モノを懐かしみつつ、実に楽しい気分で過ごせた20分間でした。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-06-28 13:22:05) |
8. オテサーネク 妄想の子供
《ネタバレ》 この監督の作品は初見でした。顔や顔の一部のクローズアップを多用したり、食べ物をことごとくマズそうに映し出したりと、始めのうちはその独特な映像表現・世界に馴染めませんでしたが、ストップモーションアニメによる食人木が登場したあたりからすっかり馴染んで来て、物語の展開がどうなっていくのか夢中になって鑑賞することが出来ました。 元々はチェコの民話がベースとのことですが、主人公夫妻が不妊に悩む姿は極めて現代的にアレンジされていて、何かと子育て支援の充実が叫ばれる昨今の我が国的には、製作から20年以上を経た今は将にタイムリー。ホラーク夫人の子どもが出来ないことへの苦しさや罪悪感、人形に対して母親として半ば狂ったかのように愛情を注ぐ姿は、ホラー作品に位置付けられている本作ながら悲哀に胸を打たれるものがありました。 細かな表現の一つひとつが不気味で不快と感じる方も多いかも知れませんが、様々な要素を詰め込みながらも決して破綻することなく丁寧に仕上げられた佳作に8点献上します。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-04-26 23:16:50) |
9. オブリビオン(2013)
《ネタバレ》 見応え十分のSF大作。エイリアンの襲撃に人類が打ち勝ったものの、核兵器の使用によって地球環境は壊滅的なダメージを受け、人類は宇宙に逃れざるを得なくなってしまったという設定には、今の時代背景にあっては決して絵空事ではないのではという恐ろしさを感じます。 ところがその設定はエイリアンによって創作された虚構。そして、その虚構を信じ込まされて操られているのは一組の男女のクローン。このあたりのサプライズは良く練り込まれていると思います。 ただ、人類の生き残りの活動を監視するために何故クローンが必要なのかという基本的な部分については、今ひとつ説明不十分に思えました。たまたま捕獲した一組の男女。確かに人類の中でも極めて優れた能力を持つ個体なのかも知れませんが、そもそも人類に人類を監視させる必要性があるのかどうか?単にエイリアン側の人手不足を奴隷的労働力で充足している?今までも侵略行為の中で培ってきたノウハウ?本作の胆の部分だけに少々残念です。 トム・クルーズさんの矢鱈カッコいい立ち回りやヒロイン2人の美しさ、そしてある時は愛くるしく、ある時は頼もしく、そしてある時は恐ろしくと、大活躍するドローンたち等々、エンタテイメント作品として申し分のない魅力に溢れた作品とは思いますが、基本的な設定に少しばかり雑な感じを受けてしまいました。 そして一番気になったのはエンディング。クローン人間は記憶や感情を共有出来るかと問題については相当ハードルが高いような。記憶とか感情とか、所謂精神や心というものは一体どこにあるのか?科学的、或いは哲学的なこの問題を本作ではクローンであれば元になった人間と精神を共有出来るものとしているように思えます。物語をハッピーエンドで完結させるためには避けて通れなかったのかも知れませんが、この締め方は本作が万人受けするエンタメ作品である限りにおいて少しばかり強引だったように思えます。 そこが消化できず1点減点しました。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-02-25 23:58:40)(良:1票) |
10. オキュラス/怨霊鏡
《ネタバレ》 呪われたアンティークの鏡。それは手にした者の心を歪ませやがて死へと追い込んで行く。というストーリー自体には特に目新しさを感じませんが、過去と現在を同じタッチで描きつつ交錯、或いは混同させるという演出は面白いと感じました。 子どもの頃に両親を死に追いやられ、しかも母は父に、父は弟に殺させるという惨い仕打ちを受けたケイリーが、必ずいつか「鏡」の秘密を暴きこの世から葬り去ることを決意して生きていくという設定は十分に理解できます。 医療施設で長期にわたるカウンセリングを受けたティムが忌まわしい事件を合理的に解釈しようとする姿と、全ては鏡のせいだと断定し、異様なまでに執着するケイリーの姿を対比すると、実はカウンセリングが必要だったのは姉の方で、鏡は彼女の心を捉えたまま敢えて自由に生かしておき、復讐のために帰ってきたところを改めて死に追いやり、ティムには改めて汚名を着せ苦しみを与え続けるという「鏡」の意志を感じてしまいます。 なんだか作品解説みたいになってしまいましたが、要するにストーリー自体は非常に解り易く、意外性やどんでん返しは無いと言って良い内容であり、時間軸が交錯して行く中で観客が混乱していくという演出上の試みが中心になっている作品のように思えました。 ちなみに題名はラテン語の「眼」あるいは「丸窓」ですね。鏡に憑りついている悪霊(鏡の犠牲者であり死して後も魂を捉えられている者たち?)の「眼」がまさにそのように表現されていますが、そのことの意味するところは全く語られていないのは何故なのでしょうか?解らず仕舞いでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-09-21 11:38:05) |
11. オールド
《ネタバレ》 決して面白くないとは言いません。むしろ面白い。ビーチを囲む巨岩が発する磁気の影響で、生物の細胞が急激に成長していく。いや、ある意味で老化していく。結果、子どもたちは目に見えて成長し、大人たちは次第次第に衰えて行く。磁気が作り出すバリアで戻るに戻れない状況の中で繰り広げられるソリッドシチュエーションスリラーは、特殊メイクやキャスティング、そしてカメラワークの妙によって巧みに演出され、一時たりとも目を離す隙を与えてくれません。 しかし、何か物足りなさを感じてしまいました。説明的過ぎる結末は、逆に随所に見られる矛盾点を浮き彫りにし、超常現象的な展開を期待していた観客としては、製薬会社の秘密の治験という結末に「な~んだ」と言った気分にさせられてしまいました。ラストの脱出シーンの繰り返しとか、ヘリに乗ってビーチを俯瞰しながら去って行くシーンなどは不要なカットに思えてしまいます。 もっとミステリアスな展開で、観終わった後に謎を残すことで、観る者の想像力を掻き立てるような作品にして欲しかったとの思いからの7点献上です。 [映画館(字幕)] 7点(2021-09-23 01:00:11) |
12. お嬢さん(2016)
《ネタバレ》 第一部と第二部で一人称を替えることで、ひとつの作品の中にスピンオフが入り込んでいるような構成。そして、その転換によって早々にどんでん返しを持ち込み、この物語はこの後どうひっくり返るのか?まだまだ気が抜けない!と期待させてくれる作品でした。 物語を大きく動かしていくダブルヒロインの同性愛的関係性は原作同様ですが、その場面を独特の色彩で美しく、かつ、躊躇うことなく過激に表現しているところや、舞台を戦前の朝鮮半島に替え、朝鮮語と日本語(「敢えて」かも知れませんが相当不自然で聴き取りにくいのが難点)を巧みに使い分けた演出(朝鮮語のセリフなのに放送禁止用語だけ何故か日本語?)、更には原作を大きくアレンジした第3部の展開とエンディング、そして性描写や拷問シーンも全体を通してさり気なく散りばめられたコミカルな演出で、映し出されている程には過激さを感じないところ等々、流石パク・チャヌク監督!といった出来栄えです。 とは言え、エロティックシーンが独り歩きして、サスペンススリラー作品なのか官能映画なのか不明瞭になりかねないような気もして、そのあたりをもう少し抑えて、更なるどんでん返しを用意しても良いのでは?との思いが残り7点献上です。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-22 00:26:08) |
13. オール・ユー・ニード・イズ・キル
《ネタバレ》 原作未読、未見なので純粋にこの作品についてです。 いかにもハリウッドのSFアクション大作というこの作品、はっきり言って面白い。キャスティングも演出も文句なし、ちょっぴりコミカルな小ネタを交えたスピーディな展開は全く飽きさせることはありません。丁寧な作り込みです。みんなでワイワイ観るも良し、ひとりでじっくり観るも良し。かなりハイレベルなエンターテインメントですね。 ただ、冷静にストーリーを考えてみると今ひとつ釈然としないものが…それは本作の中心を成している時間のループ。あたかもゲームのように、幾度もリセットしては少しずつ先に進むストーリー(現実的に考えれば、ひとりループを体感している主人公は、超人的な忍耐力の持ち主としか言いようがありません。)が展開しているところは良いのですが、最後の最後になんでそこに戻るんだろうか…?過去を変えてしまうことによる現在への影響を描いたタイムパラドックスものとは真逆な結末。未来を変えて過去が変わるというのはどうも腑に落ちない…まっ、いっか楽しいんだから。 あっ、それともひとつ。邦題は原作の題名みたいですが、本作の原題の方が作品内容を映していてカッコいいかな? [DVD(字幕)] 8点(2015-07-21 23:40:22) |
14. オーガストウォーズ
《ネタバレ》 的確なレビューが並んでいて吃驚。皆さん基本的には評価が割れてないって作品は珍しいですね。 私も概ね皆さんに賛同です。ただ、少しばかりダラダラし過ぎたかな?正直、欲張りすぎ感は否めません。少年のファンタジー(家庭崩壊によるトラウマに起因する現実逃避)を中心に据えるのか、はたまたあくまでも母の愛を中心に据えるのか、それとも戦争の現実こそがテーマなのか…そのあたりの中途半端感が無駄に尺が長いかの如き印象に繋がります。羽毛が舞うシーンとか、少年のファンタジー以外の部分にも、いくつかカットした方が?というような表現が目につきました。母親に手を差し伸べる軍人や非戦闘員についても、たとえ戦時であっても人には優しさや愛があるのだという表現を挟みたい気持ちは解るのですが、無理矢理感が否めない。特に軍人は冷静に考えれば軍法会議モノの行為を平然とやってのけてる。ご都合主義にもほどがあるって場面が無きにしも非ず…。あと、これは仕方ないのですけれど、ロシア人にしか通用しないようなギャグが入ってたりもします。 国内だけではなくて、もっと海外での公開を意識した編集をしていれば、相当に高評価が得られる迫真の戦争映画(もしかして実弾射撃?みたいなシーンも多々ありますね。)だけに、ちょっと残念。 [DVD(字幕)] 6点(2014-10-12 02:56:49) |
15. 女処刑人
《ネタバレ》 まずはジャケットの酷さ。しかも、とんでもない邦題。演出も脚本も出演者もイマイチ。これはないと思いますよ。 ヒロインはちっとも処刑人じゃないし、たまたま憑依されてりゃそういうこともあるかもしれないけれど… と言う訳で、ギリギリ暇つぶしに眺めてるって程度ならいいかな? [DVD(字幕)] 3点(2010-12-01 02:30:34) |
16. 狼の死刑宣告
《ネタバレ》 予備知識なしに借りた作品ですけれど、思い掛けない見応えに満足でした。 確かに、愛息子の仇とばかりに復讐に走る男の姿には、必ずしも共感は抱けません。何故、早く家族に連絡しない?何故無防備なままに自宅に居る?何故瀕死の息子を置いたまま、決して戻ることのないであろう復讐への道をひた走る? でも、これが真実なんでしょうね。こんな目に遭えば、余程の人格者でもない限り平常心など保てない。柔軟な思考など出来ない。極めてリアルな表現で、主人公の心理が淡々と語られているのです。 この作品では、主人公に対して共感が持てなくていいのです。家族とは何か?憎しみとは何か?そして、本当の狼とは誰なのか? 邦題はなんとなく安っぽいのですが、やや意味深。いいかも。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-01 01:54:10) |
17. 女教師グロリア<TVM>
《ネタバレ》 ↓でM・R・サイケデリコンさんがおっしゃってるとおり、全く同感です。それ以上、何も言えないような作品。 強いて追記するならば、ヒロインの行動(特に警察に告発することを決意してから)が全く感情移入出来ない。身の安全に関して何の担保もないままに、わざわざ殺されるのを待つようなことを何でするの?みたいな。急に生徒の命を大切にしちゃったりして、そのくせドア開け放って敵の侵入を眺めちゃってるし。「守って欲しくないの、支えて欲しいの」なんて台詞は、シチュエーションが違えばなかなか気の利いたもんだけど、この場合は命かかってるし…。呑気な警察も困ったもんだし、でもって息が詰まるような危機感や臨場感もない。だいたい敵役が粗暴なだけの小者だしね。 予告編の内容もさることながら、まぁ、何と言ってもDVDのジャケ。別人だし、銃撃戦ないし、ついでに言うならその散らかってる薬莢はライフルのでしょ! ま、そんなわけで、期待感捨てずに最後まで観たら見事に裏切られた作品でした。 さらに追記。なにやら内容を誤解しそうな邦題だけど、原題はこれまた大袈裟ですね~。 [DVD(字幕)] 3点(2009-08-24 08:14:29) |
18. オープン・ウォーター2
《ネタバレ》 予告編が、おふざけラップ風ナレーションだったので「コメディかよっ!」のノリで観賞。でも、「実話」?だとしたら大悲劇じゃん!いいのかな配給会社? で、中身はというと、ホントにそうゆう状況になったらパニックは起こすだろうけど、やることなすことあまりにアホ。男の中で唯一まともかと思ってたヒロインの旦那も結局は冷静じゃないし。皆さん御指摘のとおり、あらゆる手段を試してみろよと思いつつ観てるそばからお粗末な判断ミスばかり。これじゃ感情移入できないと辟易してはみるものの、やっぱ「実話」と言われてしまえば強制納得? でも、赤ちゃん以外全員死亡ならどうやって「実話」?100%推測の「実話」?もしかしたら2種類?のエンディングは生きてる方が正解?どっちなんだよハッキリしなさいっ! それにしても、最初にヒロインを抱き上げて海に飛び込んだ男。アンタ完全に犯罪者だよ。よくよく考えれば、事件が起きないまでも救いようもなく最低な設定だなぁ… [DVD(字幕)] 4点(2008-08-17 07:33:51) |
19. O〔オー〕
《ネタバレ》 こんなに簡単に騙せるかなぁ?人はそんなにも簡単に騙せないですよ。計画も残忍で緻密、なようでいて全然駄目。これじゃ完全犯罪になる訳がない。あまりに他人に依存し過ぎ。てか、別に自分は捕まってもいいのかな?あぁ、そうかもしれない。捨て身の勝負だったのかも。勝負する価値があるかないかは価値観の相違だけれど。 ヒューゴにとっては、彼のバスケ同様の勝負だったのかもしれないですね。彼流のスタイル。それもオリジナルではなく父親の指導による。やっぱり彼は、一流にはなれないんだろうな。そんな悲しさを感じる1本でした。 [DVD(字幕)] 6点(2007-11-20 01:24:47)(良:1票) |
20. おいしい生活
良くも悪くもウッディ・アレン。相変わらずオシャレだし、相変わらずオシャベリだし。マシンガンの如く台詞がコボレ出るところは、彼の真骨頂? ただし、万人受けはしないと思うなぁ。毒気が抜けて来たことで気になるのは、新たなファンを増やすのか、それとも昔っからのファンを失うのか? [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-04-26 23:43:40) |