1. 男はつらいよ 望郷篇
《ネタバレ》 主題歌の歌詞にある「どうせおいらはやくざな兄貴、わかっちゃいるんだ妹よ」の部分を物語にしたような作品です。 シリーズを重ねていくにつれ薄れていく、寅次郎の渡世人の要素が強く描かれています。また、粗暴な面も強く描かれていて、まさに誰が見ても「鼻つまみ者」であることがわかります。ただそれだけに、それでもどこか憎めない寅次郎の魅力、妹さくらが「汗水たらして地道に働くこと」の尊さを説くシーンが真摯に伝わってきます。 また、当初山田洋次監督がこの作品でシリーズを完結させようとしていたこともあり、集大成的な作品となっています。 しかしながら、豆腐屋さんがどうなったのか気になります。 [インターネット(邦画)] 8点(2024-08-15 13:04:35) |
2. 男はつらいよ お帰り 寅さん
《ネタバレ》 物語は終わっても、人生はダラダラと続いていく 寅次郎という「祭り」が消えた後、取り残された身内の者たちは、「男はつらいよ」という年に2回の「祭り」を失った我々の象徴のように感じました。 [DVD(邦画)] 8点(2020-12-20 21:01:49) |
3. 音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!
《ネタバレ》 久々の三木聡監督の映画ということで期待したのですが なんか不完全燃焼でしたね。三木監督の作品の肝は、緩やかな空気感にハチャメチャさやメッセージを詰め込むところにあると思うのですが阿部サダヲの持つ存在感というかクドカン要素が緩やかな空気感をはぎ取ってしまい、良さが消されてしまった印象です。 [DVD(邦画)] 4点(2019-07-28 12:35:35) |
4. 女は二度決断する
《ネタバレ》 ダイアン・クルーガーの熱演が光っているが、それを引き出すためにか、ファティ・アキン監督の作品としては平凡な出来になっているように感じました。(あくまでも、監督作品としてはです) 主人公が武士のタトゥーを入れたり、最後の主人公の行動など、内容的には日本人好みの内容になっているのですが、この映画が取り上げている問題を、ハリウッド映画のように「わかりやすく」描いてしまっていることに、正直疑問を持っています。【ファティ・アキン】監督の力量であれば、もっと生々しく、そして我々の心に訴えかけてくる作品が作れたのではないか・・・ 今後、同じようなテーマで作品を撮ってくれることを期待しています。 [DVD(字幕)] 6点(2019-02-03 22:49:56) |
5. オン・ザ・ミルキー・ロード
《ネタバレ》 戦争なんて格好良くもないし、ドラマティックでもない、ただ殺戮行為と死体がそこにあるだけという事実。クストリッツァは、それを、自分の作風を使って、うまく表現させています。 美人女優の起用、魅力的な登場人物たちの設定を作って恋愛ドラマを繰り広げるかのように見せながら、戦争がその展開をぶち壊してしまい、途中からひたすらドラマ性の全くない逃亡劇がひたすら画面に映し出されるだけになってしまっているのに、何とか映画として成立させてしまう技術はまさに天才としかいいようがありません。そしてクストリッツァ作品でおなじみの動物たちの使い方も、これまでと同じようで全く違っていて、大した大義もなく、人類全体で考えると非常にくだらない理由で、簡単に命を奪われる戦争の犠牲者たちの象徴のように描かれています。 まあ、最初に見終わった後は、魅力的な登場人物たちがあっけなく退場したり、動物たちがファンタジックでなくグロテスクに使われているのを見て「なんだこれは、ちょっと破綻しているな」と感じたのですが、時間が経つにつれ、その破綻こそが戦争の破壊性を表していることに気づき、改めてクストリッツァの凄さを思い知りました。 [DVD(字幕)] 8点(2018-08-05 00:45:55) |
6. オーバー・フェンス
《ネタバレ》 世間から取り残されたダメ人間のためのファンタジー 本当に、山下敦弘という人はダメ人間を描くのが絶妙に上手い。この作品も、ダメ人間たちの日常をただ描いているだけなのに、最後まで引き込まれてしまいました。 それにしても函館という町は、どこかノスタルジックで映画映えしますね。 [DVD(邦画)] 8点(2017-11-03 09:30:00) |
7. オルゴール
《ネタバレ》 内容的にはありふれた極道映画ですが、そこに散りばめられた長渕ワールドこそが、この作品を魅力的なものにしています。 バブル景気に沸き、消費や悦楽にうつつを抜かす日本人への警告としての長渕の演技は、「勝ち組」には決してなれない多くの人たちが快哉を叫ぶものでありましたね。 ただ、痛快なまでの長渕の俺様ぶりは、賛否両論あるかなとは思います。 私は長渕剛のファンですのでこの作品は大好きですが、それでもオルゴールの音楽はもう少し考えたほうが良かったのではと思います・・・・ [DVD(邦画)] 8点(2015-11-29 23:27:49) |
8. おじいちゃんの里帰り
《ネタバレ》 「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」この言葉が全てを言い表しています。 この言葉は言ってみれば「労働力は必要だが人間はいらない」という非常に都合の良い考え方を示していて、その考え方の短絡さが現在の移民問題の根源となっているのがよくわかります。 作品については、ドイツにおける移民受け入れの歴史、そして、「普通の」移民家族が抱える「同化とアイデンティティ」の間の葛藤を移民側の視点でわかりやすく描いていてとても興味深かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2015-02-22 20:28:37) |
9. 俺俺
《ネタバレ》 三木聡監督の新作ということで観賞しましたが、やや期待外れでしたね。亀梨和也は熱演していたと思いますが、題材と三木監督の作風がいまひとつマッチしていない感じを受けました。 何というのか、「三木ワールド」のシュールさや細かいこだわりが、これまでの作品のようにストーリーのうま味を増す役割を果たせず、逆に邪魔になっている感じがしました。 [DVD(邦画)] 5点(2014-01-27 00:07:37) |
10. 穏やかな暮らし
《ネタバレ》 最初から最後まで緊張感溢れるサスペンス映画でした。裏社会の掟から逃れるために何もかも捨てた男に襲い掛かる悲劇はやるせないとしか言いようがありませんでした。 主人公役を演じたトニ・セルヴィッロの熱演が印象に残りました。 [映画館(字幕)] 8点(2013-11-09 08:15:30) |
11. オレンジと太陽
《ネタバレ》 非常に衝撃的な内容でした。国家の施策によって弱き者が利用され放置された現実、そしてその事実を隠蔽し過ちを認めることを渋り、逆にその事実の追求を妨害する(もしくは妨害させるような流れを作る)権力の姿を淡々としたタッチで、しかし力強く描き出しています。 「児童移民」が最後に行われたのが70年代という事実に衝撃を受けましたね。主人公の熱意と勇気に感服しました。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-06 08:45:28) |
12. 夫たち、妻たち
《ネタバレ》 おじさん、おばさんのための結婚論・恋愛論。普遍的なテーマなんですが、非常に勉強になります。 まあ、「過度に期待しないこと」「生き方はいろいろ」ということをしっかり認識することが大事なんでしょうね。 また、当時実際に終焉を迎えようとしていた、ウディ・アレンとミア・ファローのコンビの微妙な関係性もこの作品のリアリティを強めています [地上波(字幕)] 8点(2013-05-19 11:26:04) |
13. ALWAYS 三丁目の夕日‘64
《ネタバレ》 相変わらず、昭和の高度成長時代を舞台にした時代劇という感じでしたね。まあ、ここまで来たら、同じ設定で60年代後半から70年代、80年代の移り変わりまで描いて欲しいですね。 なんというか、吉岡秀隆だけがコントみたいな演技になっているのが気になりましたが、まあ安心してみていられる作品でした。 [DVD(邦画)] 7点(2012-10-21 22:34:38) |
14. 大阪ハムレット
《ネタバレ》 松坂慶子と岸部一徳の安定した演技力によって、このかなりヘヴィな要素を内在した物語が、まるでNHKの朝ドラのようにさわやかに仕上がっているのが非常に面白かったですね。 映画の要所要所に謎や疑問点が散りばめられていて、その解答を考えながらストーリーを追わせていくような作りにもなっているのも良かったと思います。何せ、「ハムレット」はいわば疑心暗鬼の物語ともいえますからね。 [DVD(邦画)] 7点(2011-11-13 14:29:53)(良:1票) |
15. 大人は判ってくれない
《ネタバレ》 自分の力で生きていかなければならない「大人」とその大人の庇護の下で生きている「子供」の間にある深い溝を鋭く描いていますね。子供と社会の間には常に目の前のたんこぶのように「大人」が介在していますからね・・・・。(まあその「たんこぶ」には子供を社会の危険から守ってくれる役割もあるんですけど) 非常に、子供が抱える苛立ちが上手く表現されていると思います。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-09-24 11:38:12) |
16. オーケストラ!
《ネタバレ》 旧ソ連時代のユダヤ人排斥政策がもたらした悲劇を背景にしながらも、ややブラックなエスニックジョーク満載の笑えて泣ける人情喜劇音楽映画に仕上がっていてとても楽しめました。なんと言っても、演奏シーンの素晴らしさが際立っていて良かったですね。雑多な要素が見事にハーモニーを奏でている作品でした。 [DVD(吹替)] 8点(2010-12-27 00:43:44)(良:1票) |
17. 音符と昆布
《ネタバレ》 まあ、池脇千鶴のキャラで勝負の作品という感じで、キャストの魅力で最後まで見ることができましたけど、内容的には底が浅すぎて面白くなかったですね。とりあえず、ハンデキャップ背負った人間を幻想的というか風変わりに描きゃ深みがでると思ったら大間違いだといいたいですね。 ちょっとPVみたいだなと思ったら、映画と音楽の融合を目指す映画ということで納得しました。 [地上波(邦画)] 4点(2010-08-13 00:10:08) |
18. 踊る大捜査線 THE MOVIE
《ネタバレ》 上映当時は青島のファッションや立ち振る舞い、そして生き様を注目していましたが、10年以上経った今は宮仕えの理不尽さや悲哀の方に目が行ってしまいます。 [地上波(邦画)] 8点(2010-07-11 00:16:11) |
19. 男はつらいよ 寅次郎恋歌
《ネタバレ》 族のあり方、風来坊の哀しみ等々さまざまな市井の人々が抱える問題を描き出した傑作。 今回は、寅次郎が振られたというよりはむしろ自分の生き方へのプライドから相手を振った形であるように感じられ、非常に心に沁みましたね・・・・・・。 しかし森川信演じる寅次郎と対等な立場にあるおいちゃん役がこの作品で終わってしまったのが本当に惜しいですね・・・・・。 [ビデオ(邦画)] 8点(2010-01-23 01:25:05) |
20. 男はつらいよ 寅次郎春の夢
《ネタバレ》 この30年で日本人の国際感覚もだいぶ進歩したのだなと実感させられました。当時は大袈裟でなく外国=アメリカみたいな感じがありましたからね。でも、今のように進歩して本当に良かったのかどうかは何とも言えないですね・・・・・。 ハーブ・エデルマンもまるで「アメリカ版寅さん」という感じで中々面白かったです。 [ビデオ(邦画)] 8点(2010-01-04 23:17:04) |