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1.  大江山酒天童子 《ネタバレ》 
源頼光とその家臣四天王により首を刎ねられた酒天童子の「大江山の鬼退治」伝説が下敷きになっている。酒天童子は鬼ではなく、盗賊の首領となった元近衛武士の橘致忠で、藤原道長に妻なぎさを奪われたことを恨み、復讐に血をたぎらせているという設定。童子は妻が自害しないことを嫌厭し、妻を憎んでいる。彼の手下に鬼や妖術使いがいて、道長となぎさを襲う。狼狽した道長はなぎさを源頼光の妻に下す。ここに童子と頼光の因縁が生まれる。 脚本の方針が優柔不断だ。大江山鬼伝説を換骨奪胎して、復讐に燃える男が悔悛するという真摯な人情物語に加えて、特撮を駆使した妖術の娯楽活劇要素も色濃く残している。ある意味贅沢だが、中途半端感は否めない。人間劇として見ると妖術が邪魔するし、特撮ものとして見ると人間劇が鼻につく。童子と頼光の一騎打ちの決着がつかない上に、悪逆を尽くし謀叛を企てた童子が無罪放免になるなど生ぬるい。鬼と妖術使いを倒すには救世観音から施与された正法の弓矢が必要だが、施与された理由が十分に描かれていない。弓は夢に見た救世観音から唐突に与えられる。童子が悔悟したのは、なぎさの自害を知ったことと、頼光の人品骨柄を見て武士の世の到来を予見したからだが、後者はいかにもとってつけたような理由だ。悪者の道長には何の咎めもない。結局、魅力的な敵役が不在で、勧善懲悪という落とし所を失った物語は迷走せざるを得ない。間諜として乗り込んだ渡辺綱の妹もたいして活躍しない。童子と鬼との淡い恋も描かれるが、蛇足以外の何物でもない。酒天童子の部下が恣意に殺掠行為を働き、統制が取れていないのも気になる。 特撮だが、土蜘蛛と巨牛は見て脱力感がぬぐえなかった。鬼と救世観音の場面は見応えあった。俳優陣はみな凛々しく、達者な演技を見せていたが、童子役の俳優が役にしては老けていたのが残念だった。往年の役者を総覧するにはもってこいの映画だ。
[地上波(邦画)] 6点(2014-09-20 12:26:12)
2.  男と女(1966) 《ネタバレ》 
低予算で作られた映画。片乗せカメラしかなかったので、揺れ動く映像に。カラーフィルム代が無かったので室内を中心に半分はモノクロに。撮り直しできなかったので、カメラにゴミが付着したまま。こういった状況を逆手に取り、斬新な”映画詩”が出来上がった。流麗な音楽、顔と手のアップの多用、不安を煽る下からのアングル、ガラス越しのカット、他愛もない会話、どれも研ぎ澄まされたように感覚的だ。全てが主人公二人の感情のゆれ動きを表現している。共に子持ちで、若く無い二人。子供が同じ寄宿学校で、配偶者を亡くしたという共通点が親密さを深める。男は初対面で女に恋をする。男は亡き妻に関しては心の整理ができており、恋人もいる。浮気者であるが、うぶなところもある。女は夫の思い出の中に生きている。突然現れた男に心が大きく揺れる。夫はスタントマンという危険な職業で、スタント中に事故死。男もレーサーという危険な職業。夫と男が重なる。事故続出のレース展開に、どれだけ男のことを案じただろうか。男が完走したと聞いて、思わず「愛している」と早まった告白電報を出してしまう。男は有頂天になり、車を飛ばして女の元へ。恋の手管をあれこれ思案しながら運転する楽しさ。昂ぶる心を抑えきれず、いざベッドイン。だが女の心に火はつかない。まだ夫の影を引きずっているのだ。頂点から失意のどん底へ。電車で帰る女。急ぎ過ぎたのか?反省する男。そうではない。女が自分を愛しているのは確実だ。大いなる愛で女を受け容れ、女が過去と決別するのを気長に待とう。男は車を飛ばし、駅で待ち伏せ。男を見た女は満面の笑みを浮かべて、その胸に飛び込んでゆく。危機を乗り越えた二人。愛は人間より強いのだ。男と女は理由なく魅かれ合う。たとえ自分が傷つくことがわかっていても。それがこの映画の主題だろう。それを言葉ではなく、音楽と映像で描く。雨降りのお花畑のような、明るいアンニュイの漂う恋愛詩。それまで誰も試みたことがない野心作だ。今後二人はどうなるか?男がレーサーを辞めるまで女の葛藤は続くと思います。あと夫が歌うところだけミュージカル仕立てだったのが気になりました。
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-29 09:00:26)(良:3票)
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