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プロフィール
コメント数 390
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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1.  おろち 《ネタバレ》 
梅図かずおの原作漫画は小学生のころ、たぶん1巻だけ読んだのだと思います。他は忘れてしまいましたが、「姉妹」のエピソードはトラウマ的に強烈に記憶に残っています。さて、本作品についてです。屋敷の中のシーンが大半で、セットは、きちんと作っているようですが、映像として、重々しさ、禍々しさがないというか、狂気が漂ってないというか、なので、まったく怖くないんですよね。あと、尺の都合もあるのでしょうが、ひたすら間延びしていて、テンポが悪く感じました。また、おろちの役割がほとんど意味不明です。おろちが前面に出てきてしまったことで、恐ろしいエピソードにキレがなくなり、非常にまぬけに感じてしまいました。原作と同様オムニバス形式で3つくらいのエピソードをテンポ良くつなげていけば、それで十分で、おろちの狂言回しとしての立ち位置もはっきりして良かったのでは?と思ってしまいますね。個人的な嗜好の範疇になりますが、おろち役には、透明感のある美少女を選んでほしかったところです。また、子役の使い方も、キャストの段階から含めて、もう少し気を使ったほうがいいのではないかと感じました。ホラーであれば、子供に下手に演技をさせなくても、効果的に使うことはいくらでもできるわけで、スタッフの手腕が問われますよね。とはいえ、収穫もありました。映写機で一時停止をすると、ライトの熱でフィルムが焼けてしまうらしいことがわかったのは、収穫でした。収穫のついでに思い出してしまいましたが、映画の中で、映画を扱うというのも、新鮮味がない割りに、ハードルだけが上がって、あまりいいことないような気がするんですけどね。まあ蛇足です。
[DVD(字幕)] 2点(2024-10-10 18:14:46)
2.  鬼が来た! 《ネタバレ》 
1945年、終戦間際。夜中、中国の農村に住む主人公のもとに、何者かがやってきて、主人公を銃で脅し、麻袋2つを置いて、日本軍に見つからないように保管するよう指示して去っていきます。袋を開けてみると中身は日本軍人(香川照之)と中国人通訳。序盤は、まさに天から降ってきたような状況に、主人公および村人が右往左往する喜劇として話は進んでいきます。アイディア自体は、突拍子ないながら、面白いし、うまいこと考えたと思うのですが、それだけで結構引っ張るので、途中の中だるみがきついです。しかし、終盤は激しい展開で、大きく持ち返しました。日本軍人の蛮行も描かれていますが、蛮行にいたるまでの理屈と心理が比較的丁寧に盛り込まれていて、作者は随分と研究したんじゃないかと思わせるものでした。あまりに劇的でエンターテインメント的に出来過ぎな蛮行ですが。中国人の役者は特に爺さんたちが印象的。日本人は香川照之と澤田謙也などが好演しています。中国語タイトルは「鬼子來了」。あまり関係ないですが、日本鬼子(ひのもとおにこ)を思い出しました。
[DVD(字幕)] 6点(2024-04-14 17:33:36)
3.  鬼婆 《ネタバレ》 
時は南北朝時代の戦乱の世。人の丈を超えるススキが生い茂る草っ原。そこに棲み、そこに逃げ込んできた落ち武者から武具を剥ぎ取り食い繋ぐ女2人は嫁姑。そこに、婿と一緒に戦に駆り出された男が一人命からがら戻ってきて、その後、嫁が姑の目を盗んで巣を抜け出し、男の巣に通うことになるが・・・といった話。筋書きがいたってシンプルで、登場人物は少なく、場所も草むら、棲家、穴、川辺と限られているのですが、生死の際にさらされた人の欲のうずまきが力強く描かれ、ぐいぐい引き込まれました。佐藤慶が、脂ぎった欲を隠さない男の役を見事に演じています。裏表のない卑しさには、すがすがしさすら感じられました。歳を取ってからの、色が白く乾いていて知的で静かだけど、目の奥の方で何かギラついている感じとはかけ離れていて、少し驚きました。嫁も野趣あふれた感じでいいです。最初は女かどうかもわからなかったのですが、作中でどんどん魅力的になっていきますね。
[DVD(字幕)] 7点(2023-12-25 17:55:21)
4.  おっぱいとお月さま 《ネタバレ》 
弟が生まれて、母親のおっぱいを取られてしまった4、5歳くらいの男の子が、旅芸人(踊り子)のフランス人女性のおっぱいに恋をするという物語です。人で埋め尽くされた路上に、5層、6層に及ぶ組体操による人間の塔がつくられるシーンから始まります。各塔、最上段に子供が登るのですが、主人公の男の子もその登り手の一人として登場します。冒頭から、絵的な面白さに加えて、地域に根ざす人々の風習の奥行きが感じられて、作品世界にぐっと引き込まれました。見てすぐに、これはいい映画だなと思いました。子供の目線、視野で捉えられる狭い世界を丁寧に描いていて、登場人物達はユーモラスにフェティッシュに、ごく自然にキャラが立っていて、見ていて安心感があります。主人公の男の子が、ヒロイン(フランス人女性)に町で出会ったとき、彼女は、いきなり、前をはだけて、おっぱいを露わにしたりします。いつのまにか主人公の妄想シーンに切り替わっていたようです。こちらは準備ができていないので、結構驚きます。サプライズエロですね。けしからん妄想だとは思いますが、いかんせん、子供の妄想ですから、仕方がないというか何というか。なにせ子供の妄想ですから仕方なく甘んじて受け入れたいと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2023-10-12 18:55:11)
5.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 
エグいバイオレンスと、緻密なシナリオ。原作が日本の漫画だということは聞いていたのですが、漫画の映像化作品にありがちな、これじゃない感はほとんど感じませんでした。原作漫画を知らないというのもありますが、映画作品として普通に完成度が高いと感じました。
[DVD(字幕)] 8点(2023-07-28 18:47:59)
6.  おくりびと 《ネタバレ》 
納棺師の話。思いっきり“間”を取って、ゆったりと進んでいくのが特徴ですが、元木、広末の夫婦2人のシーンなどは、間を埋め切れていないなという感じがしました。山崎努とか、余貴美子とか、深みを出せる役者はいいのですが、広末涼子は深みがないのが長所みたいなもので、ちょっと厳しいかなと。人の生死を正面から扱っているので、相応の感動はあるのですが、長い時間の流れの中で積み上げられてきた厳かな様式の中に、凝縮された人の生きざま、人々のいとなみを見て感動するのであって、作品自体の流れが生み出した感動と言えるのかは疑問です。前段の特にユーモラスなシーンにはあざとさが目立ちました。ただ、終盤、本木の目から一瞬にして鼻筋を通過した涙は、とても美しく、心打たれました。
[DVD(字幕)] 7点(2023-06-05 20:55:23)
7.  オーディション(2000) 《ネタバレ》 
序盤は、主人公の中年男に密着して、一人息子との二人暮らしの生活や、小さい会社ながらも経営者として働く姿などを丁寧に描写しています。社会的な地位はそこそこありつつも、特別偉ぶっているわけでもなく、恋愛に関しては純粋なところがあり、息子との関係も良好であり、小ズルい作戦を帳消しにする程度には、主人公に同情的に感情移入することができます。そして主人公が惚れてしまう女性。おっとりとした見た目ながらも、芯の強さが感じられる清楚系美人。よく見ればそれほど美人ではない雰囲気美人の塩梅が、なかなかリアルでイイです。後半はその女性の本性が徐々に露わになり、クライマックスに至ります。クライマックスの後に、夢落ちシーンを入れたのは、凄く良かったと思います。これはちょっとした発明なんじゃないでしょうか。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-02-25 17:52:00)
8.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 
小学生の頃、テレビ放映されていたのを見たことがあります。ディテールはほとんど覚えていない中で、666のアザの映像だけははっきりと脳裏に焼き付いています。そして、画面の端々に悪意が渦を巻いてるのをしかと感じて、トラウマとして残るような恐怖を感じた記憶があります。大人になってから見ると、やはりお芝居であるという前提が頭にあるため、幼少時のような作品世界への完全没入はできないようですね。幼少時には見えていた悪意の渦巻く景色は、ほとんど見えなくなってしまったようです。作品としては、格調高いオカルトホラーで、キリスト教的世界観を荘厳な音楽が下支えしています。殺害シーンは、ショッキングかつ芸術的で、怖さよりは美しさが優ると思いました。写真に死の前兆が現れるというアイデアが、とても効果的です。「リング」など後発のオカルトホラーでも、呪いの可視化のツールとして有効に活用されていますが、この作品が魁なのでしょうか?ちょっと気になります。
[DVD(字幕)] 7点(2023-02-25 17:45:29)
9.  オール・ユー・ニード・イズ・キル
原作小説「All You Need Is Kill」は既読。原作小説が、使い古された退屈な設定を使っても、アイデア次第で、こんなに新鮮な感触が得られるものなのか…という種類の作品なので、原作から設定だけを借りて、キラリと光る核心のアイデアを改変してしまっている本作は、残念ながら、どう頑張っても駄作まっしぐらです。原作を超えるアイデアがあるというわけではなくて、ありきたりで無難なほうへ逃げてしまっているところが何とも残念な感じです。本作のお蔭で改めて認識することができたのですが、原作が成功していた点として、上記アイデアに加えて、読者自体が訳の分からない世界にいきなり放り込まれる臨場感と、不条理感があったのだと思います。敵の正体がわからないことこそが重要なのであり、現実社会のメタファーとも捉えることできるわけですが、ハリウッド作品にしようとすると、そうはいかないようで、スポンサーなり関係者なりに説明できないと企画が通らないのか、とにかく説明を付けようとしてしまうようです。原作には登場しない博士を登場させて、科学的に状況を説明させて、主人公に指南までさせてしまいます。そこまで使い古されたテンプレートで作品を作りたいなら、原作は必要なかろうにと思ってしまいました。
[DVD(字幕)] 2点(2023-02-14 19:47:06)
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