41. バルトの楽園
《ネタバレ》 日本ではあまり注目されることがない第一次世界大戦の最中にこのような事実があったことを映像として残せたことにまず意義があると思います。 そして、松江所長の、敵であっても文化・思考が違っても相手を尊重する姿勢は時代を超えて心を打ちましたね(その行動の根底にあるのが明治維新の勝敗であったことも)。 ベートーベンの第九がこのような形で日本初演奏されたというのも興味深かったですね。 [DVD(邦画)] 7点(2013-12-23 23:26:21) |
42. バグダッド・カフェ
《ネタバレ》 砂漠のように乾いた心に水を撒いてくれるような大人のためのおとぎ話。こういう一風変わってるけど、実は皆いい人という設定は惹かれますね。 映像も独特なセンスで、どこを切り取ってもポスターにできるような良く考えられた構図でそれを見るだけでも飽きません。「コーリング・ユー」のフレーズも印象的でした。 [DVD(字幕)] 7点(2012-10-28 12:17:26) |
43. 春にして君を想う
《ネタバレ》 「人間って何のために生きていくのだろうか」とか「人間の人生も結局は大きな自然の一部なんだな」とかそんなことを考えさせられる、厳かで美しく、そして哀しい作品でした。 アイスランドの荒涼とした大地の風景が、人生の黄昏を迎えた者達の心の荒涼とあいまって心に響いてきましたね。ブルーノ・ガンツの天使もなかなか絶妙でした(人間になったんじゃないかとツッコミたくなりましたが)。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-18 11:02:14) |
44. ハロルドとモード 少年は虹を渡る
《ネタバレ》 モードの腕に刻まれた数字について、作品の中で具体的に説明されることはありませんでしたが、非常に大きな意味を持っています。過去に地獄のような経験をし、生き延びたモードが最後に、死に取り憑かれた少年に自らの死を持って生きることの重要さを教える姿に深く感銘を受けました。 全体的にユーモラスで洒落た作りになっていますが、中味のある良い映画でした。キャット・スティーブンスの音楽も非常に良かったです。 [映画館(字幕)] 7点(2011-11-22 00:21:49)(良:2票) |
45. パーマネント野ばら
《ネタバレ》 どんなに苦しくても、どんなに辛くても、どんなに寂しくても人生は死なない限り続いていくわけですから、タフに生きていくことが一番なんだと思いますね。 この作品は、とにかく登場人物の殆どが生命力に満ちたタフな人たちなので、切ない物語ではありますが不思議と元気を与えてくれる映画でしたね。菅野美穂・小池栄子・池脇千鶴の3人がそれぞれの個性を生かした役柄を演じていて良かったと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2011-06-21 00:32:11) |
46. パッチ・アダムス
《ネタバレ》 病気を治すことは勿論大事なことですが、患者さんのQOLの向上にも力を注ごうという主人公の姿勢には非常に共感を覚えました。 指を4本出して「これは何本に見える?」という問いかけが出てきて、それは「人に見えないものを見ろ」という意味なのですが非常に考えさせられましたね。 ロビン・ウィリアムズの演技も非常に良かったです。ただ、途中の悲劇のシーンがなあ・・・・・ [地上波(吹替)] 7点(2011-05-14 14:17:53) |
47. パリ20区、僕たちのクラス
《ネタバレ》 あるクラスの状況を通して、フランスの教育事情だけでなく「移民国家」としてのフランス社会事情を映し出している作品です。 移民の子供たちの態度も未熟さ、甘えから来るものと言うよりは、自分たちの主張を声高に叫ばないと拾ってもらえないというような移民の社会的におかれている状況、そして社会からの疎外感が影響しているように思えます。 まあ、教師側が情に流されず割り切って淡々と教師業をこなしていること、生徒側もいろいろな騒動が起こった後も引きずることなく授業に出ていることなんかを見ると文化の違いを感じますね。 はっきり言って映画としてはそれほど面白い作品ではありませんが、ドキュメンタリーとしては興味深い作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2011-05-09 21:31:29) |
48. 幕末太陽傳
《ネタバレ》 現在の混迷した日本社会を生き抜くためのヒントを与えてくれるような作品でした。 世の中の流れを読み取り上手く立ち回る才覚、しぶとさや粘り強さ、そして他人に頼らず頼られることにより未来を切り拓こうとする意思の強さ等々主人公佐平次の姿には共感するところが多かったです。そして、そんな主人公をフランキー堺が本当に見事に演じています。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-29 15:58:25) |
49. パコと魔法の絵本
《ネタバレ》 ストーリーは悪くないですし、途中何度も胸にグッときました。役所広司やアヤカ・ウィルソン、土屋アンナといった役者陣の演技も良かったです。 ただ、過剰な演出・CGが個人的には逆効果でしたね。なんというかゴチャゴチャさが素材の良さを打ち消した感じでちょっと作品に入り込めませんでした。 まあ、面白い作品ではありましたが・・・・ [地上波(邦画)] 7点(2010-08-21 15:12:57) |
50. パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ
《ネタバレ》 パンクの女王というよりは、パンクな詩人と言う方がふさわしいパティ・スミスの、カリスマとしてではなく母として娘としてそして一アメリカ人女性としてといった等身大の姿を映し出した非常に貴重な映像作品です。 いつまでたっても衰えることの無い熱いエネルギーに惹き込まれました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-06-19 00:52:36) |
51. 反恋愛主義
《ネタバレ》 どうしてもハンガリーというと、旧社会主義国とか「ハンガリー動乱」を思い浮かべてしまうのですが、この作品は現在のハンガリーの姿をユーモラスに描いていて非常に興味深かったです。単純にラブコメディとしても良く出来ています。 しかし、こういう未知の国の映画でもあまり文化のギャップを感じずに共感できるというのはグローバリズムが進行しているってことなんですかね? [DVD(字幕)] 7点(2010-01-27 21:01:24) |
52. 遥かなるクルディスタン
《ネタバレ》 正直、ストーリーは粗さが目立ち、映画としてはそれ程良い出来だとは思わないのですが、節々に映し出されるトルコにおけるクルド人の置かれている状況の厳しさは非常に衝撃的でした。 ナチスがユダヤ人の住居・店舗の目印として「ダビデの星」を落書きしたように、クルド人の住居のドアに赤い×の印がつけられるシーンには本当に背筋が凍るような気分にさせられました。 なんともやるせない気分しか残らない作品でしたが、このような事実を映画にして世界に発信したイェシム・ウスタオウル監督の勇気には拍手を贈りたいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-23 21:07:10) |
53. パンドラの箱(2008)
《ネタバレ》 親子関係・兄弟関係そして介護問題という、トルコだけでなく我々にとっても他人事では無い普遍的なテーマを扱っているので見入ってしまいました。 しかし、この問題は難しいですね。ラストの一人で山に入っていくアルツハイマーの祖母をただ見つめるしか術のない孫の心境が非常に良くわかります。 緻密に計算された映像美と演出、そしておばあちゃん役の演技が素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2009-11-08 11:28:15) |
54. 巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)
《ネタバレ》 2003年の作品ではありますが、昔の洋画を見ているような懐かしい雰囲気が漂うミュージカル映画でした。まあ、1920年代にヒットした作品の映画化で舞台劇をそのまま映像化したような感じでしたけど、それがまたレトロな感じで良かったと思います。 ストーリーもちょっと下世話な男女の物語をユーモアを交えて軽妙で小粋な感じに仕上げていて面白かったです。ラストも上手くハッピーな感じになっているのもいいですね。料理で言えばメインディッシュではなく前菜といった感じの作品です。 [地上波(字幕)] 7点(2009-10-27 23:37:22) |
55. パリ空港の人々
《ネタバレ》 トム・ハンクス主演の「ターミナル」に感じが似ているなと思ったら、モデルとなった人が一緒なんですね。ただ、こちらの作品のほうが現実的なストーリーですね。 玄関まで辿りついたはいいもののドアを開けてもらえない宙ぶらりんな状況に置かれている人々のドラマがユーモラスにそしてハートフルに描かれています。夜のパリの華麗な美しさも印象的でした。 しかし、空港内の「ファーストクラスホテル」には一度泊まってみたいですね。どこがファーストクラスなんだw [DVD(字幕)] 7点(2009-10-13 18:46:10) |
56. 裸足の1500マイル
《ネタバレ》 人間が自分たちと異なる文化を持つ人間を動物扱いしている。そして、それがさも当然であるとその人間たちは疑いを持つことなく考えている・・・・・。あまりに愚かな政策で唖然としてしまいました。いろいろ考えさせられました。 [地上波(吹替)] 7点(2009-10-11 10:36:05) |
57. 破戒(1962)
《ネタバレ》 差別というものが社会制度として存在することの恐ろしさを痛感させられますね(この当時は形式的には無くなってはいましたが)。非常に考えさせられる作品でした。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-09-13 00:23:05) |
58. 花よりもなほ
《ネタバレ》 義を重んじ、義に殉じることは武士として当然であるという「建前」と、目の前の幸せの中に安住していたいという「本音」の間でジレンマに悩む武士の姿を、「建前」を通した赤穂浪士たちの「本音」を絡めながら描いていていろいろと考えさせられる作品でした。長屋のセットも非常にリアルな感じで作られていて、興味深かったです。まあ、賛否両論あると思いますけどね。私自身も納得できる部分とそうでない部分はありますので。 残念なのは、ストーリーがやや粗く散漫で、着眼点や発想は非常に素晴らしいと思うのですが消化しきれていないんですよね・・・。ちょっとカッコつけてしまっているなという印象もあります。 [地上波(邦画)] 7点(2009-07-02 18:54:35) |
59. パパは、出張中!
《ネタバレ》 「三丁目の夕日」のようなユーモラスで懐古的な雰囲気の中に社会主義政権下の密告社会の実情がさりげなく混ざっていて、ちょっと恐ろしさを感じましたね。 裏切りの赦しを乞うものに対するセリフが「忘れよう、でも赦すのは神だ」とあり、「アンダーグラウンド」での「赦そう、でも忘れない」と対照的だったのが印象的でしたね・・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-19 18:35:24) |
60. パラダイスの逃亡者
《ネタバレ》 寒い夜に心が暖まる作品でした。 パラダイスの町の人たちが皆良い人達ばかりで心が和みました。それも、甘いとか人がいいということではなく、何というかいろいろなものを受け入れてくれる度量の大きさを感じましたね。 [地上波(吹替)] 7点(2008-12-04 14:59:11) |