1. ハロウィン THE END
《ネタバレ》 前作『KILLS』でマイケル(ブギーマン)は人間を超越し、人の弱さや心の闇につけこむ恐怖の概念的存在になったと思っていたら、まさか今作では子供が探検で容易に入ってきそうな下水道で暮らしていたとは思いませんでした。しかも、4年後の世界でヘロヘロに弱ってるし『KILLS』での異常なタフさはなんだったんでしょうかね?民衆の暴走化もそういう系になって感化されたからと思ってました。前作の落ちを全てなかったコトにしていたミラ・ジョボビッチの『バイオハザード・シリーズ』のような雑さです。その弱ったブギーマンに触れ共鳴し合ったのがシッターとして面倒を見ていた子供を誤って転落死させてしまったコーリー。裁判で殺人の疑惑は晴れたもののハドンフィールドの住民からは忌み嫌われ心を閉ざしていた彼はそこで闇落ちし悪に開眼していまうワケですが、完結編でこんなの求めてないんですよね。都合よくブギーマンの邪悪な悪意の部分だけ残し影響を受けた新キャラをねじ込んでおきながら、最後のローリーとのタイマンは人間的だし最後には住民揃って挽き肉にし葬った体だし、なんだかなあとしか感じませんでしたね。2018年版の思わぬヒットで舞い上がったにしろブレブレで残念な三部作でした。 まあマイケルを首チョンパにしてもシリーズは続きましたし、この三部作も1の続編という設定だしそのうちまた作るんでしょうね。 [映画館(字幕)] 3点(2023-04-28 01:45:58) |
2. ハロウィン KILLS
《ネタバレ》 前作最後にローリー宅の地下の罠にかかったマイケル。閉じ込められ炎上までしてどうやって生還したのかなと思っていたら防火シャッターのようなトコから出てきて笑いました。罠に保険かけといたら駄目でしょローリー。 途中まではかつてのスプラッター映画を思わせる作りで良い感じではあったんですけど病院に舞台が移ってからは集団心理からくる狂った正義のグダグダが長くて飽きた。社会風刺的なネタなんかいらないのになと思いました。それのせいもあってかマイケルが人間を超越したような存在になっていて「あー、ソッチ方面に行っちゃうのか」というオチになってるので残念だったな。まあ『ジェイソンの命日』のような妙な物体が出ないだけマシだったが、辛うじて人間だったマイケルが集団に取り囲まれフルボッコされた上にトドメを食らっても数秒後には何もなかったように動き出して皆殺しは酷かった。文字通り恐怖が実体化した伝説上の存在になってしまったなブギーマン。そんな人が抗えない存在になったマイケルがカレンを殺したのも意味不明すぎたしガッカリした。いつの間にか三部作になったようですがどう終わるのかな。 [映画館(字幕)] 4点(2021-11-01 21:11:08) |
3. ハロウィン(2018)
《ネタバレ》 面白いかは別として亜種を大量に発生させたオリジナルに対するリスペクトが感じられ「あー、ハロウィンだなあ」という作りになっていてシリーズを見たことある人なら安心して観られますね。ただまあ1以降は無かったコトにしたにしろ、なぜかマイケルが精神療養所に収監されていたり、策があったにしろローリーが白髪ロン毛で森の中に住んでいて世捨て人みたいになっているしで微妙な話だった。宿命の二人ながらお互いにやることが中途半端でマイケルはただの殺人鬼になっちゃってて意味も無く子供もヤっちゃうし、冒頭に出て来た記者コンビはなかなか仕留められず手際が悪いので生き残る系かなと思ったらそうでもない。そのくせマイケルに触れすぎて異常性に感化されたのか急にイキり出したルーミス医師の後釜の変な医者をひと踏みで潰したり、メリハリが悪いので強いんだか弱いんだかよく分からなかったですね。道中なぜかわざわざアリソンの友達のバイト先に現われて殺したのも意味が分からなかった。殺すならアリソン狙ってたチャラ男でしょうに。 終盤、マイケルと争い二階から転落したローリー。マイケルがちょっと目を離し再び覗くと姿が無い、という1の逆パターンは「今度はマイケルが狩られる側か」と期待値が上がったし、娘カレンがマイケルに見つけられ恐れおののいていたら釣りの演技で子供の頃にローリーに仕込まれ肝の据わった面構えに豹変し見事な射撃術を披露し着弾。弾丸を食らってよろめいたマイケルの背後の暗闇からローリーが出たトコなどはかなりグッときました。しかし、閉じ込めて火をつけたモノのマイケルの姿が無かったり孫のアリソンが包丁を持っていたりと意味深な最後にしてたのはクドかった。仲違いしていたローリーとカレンの協力プレーで因縁のマイケルを(とりあえず)撃退しました!で良かった気がする。『ハロウィンH20』の方がシリーズのシメには良かったけど次はあるのだろうか。 [映画館(字幕)] 5点(2019-04-17 01:12:17) |
4. バンブルビー
《ネタバレ》 トランスフォーマーはここ2作がお粗末な出来だったので全く期待していませんでしたが、明るくて愛嬌のあるチャーリー役のヘイリー・スタインフェルドと可愛いバンブルビーの相性の良さもあってか思ってたより面白かったです。80年代ということで音楽を多数使ってましたが、ビーがリック・アストリーのカセットを吐き出したのは笑いましたし、適度に入るユーモアなシーンが二人のキャラもあってかイイ味を出していました。 サイバトロン星のバトルから始まり敗戦濃厚なオートボットを見たオプティマスの指示で地球へ潜伏するB-127(バンブルビー)という流れも違和感がなく、オートボットもディセプティコン側もいままでのゴチャゴチャしたデザインと打って変わりシンプルなデザインなのでとても良かったですね。歴史の裏にトランスフォーマーなんかよりコッチの路線の方が全然ウケると思います。まあ前日譚な物語で舞台も80年代ですがトランスフォーマーが出始めた頃のようで懐かしく見えましたね。ストーリーはある種ベタといえばベタな展開でところどころ強引でしたが、チャーリーとバンブルビーだけで終息させ、チャーリーはトラウマも払拭し自分のために頑張ってくれた義父とも打ち解け家族もまとまり、バンブルビーはいつものカマロにトランスフォームして颯爽と走り去りハッピーエンド。トランスフォーマーを知らない人でも気軽に観られると思います。 [映画館(字幕)] 6点(2019-03-23 21:59:50) |
5. 運び屋
《ネタバレ》 10年ぶりの主演作が実話ベースでメキシコ麻薬カルテルに使われている90歳の運び屋役。それも仕事に没頭し家族をないがしろにしてきた男ということで、イーストウッドの人生にかぶる面もあり感慨深かった。まあ劇中のアール同様にいまだに女性関係は「ガンガン行こうぜ!」のようですけどもね。ナチュラルで口が悪い割に女性には粋なジョークをカマしてるあたりもさすがです。力がなく弱々しい声とたどたどしい歩みでしたが時折見せる老練であり老獪な立ち回りの上手さもらしかったな。イーストウッドもアールもそういうのが気に入られる生粋の人たらしなんでしょうね。 タフガイといわれたイーストウッドも89歳。生ける伝説はどこまで続くか分かりませんが頑張って良い作品をたくさん撮っていただきたいです。 [映画館(字幕)] 7点(2019-03-09 22:10:07) |
6. ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
《ネタバレ》 スター・ウォーズ関係はEP1-9とローグ・ワンしか観ておらず小説やアニメなどは分かりません。 予告編を観ても全く期待が持てず違和感しか無かったのですが「やっぱりな」という感じでしたね。まず主役の人がハン・ソロ(ハリソン・フォード)に似ていないというのはどうでもいいんですけど華が無いし存在感が薄い。若き日のハン・ソロということですが、アウトローで皮肉屋でユーモアセンスと色気のある男の片鱗も見せることが出来てなかったかな。EP4のたった10年前の話の割にソロにしろランド(どう見ても長友)にしろ世界観にしろコレで良いのかなという感じでした。強大な帝国の支配下におかれ軍門に下るしか無い生活、チューイとの出会い、反乱軍に組みするなど物語的には悪くなかったんですけど、画的な面白みが薄かったですね。時代背景を考えると仕方がないのかも知れませんが、どこにいてもなにをしていても映像が暗くて見づらいのも難点。終盤にそういうのを吹っ飛ばすような爽快感があるのかと思えばそうでもないし微妙でした。ただまあソロとチューイが遂に並んで操縦席に座るトコは「おおっ!」とは思いましたが。あと、ランドの女性型ドロイドL3はキャラ的には面白かったけど恋仲関係は邪魔だったかな。破壊されたL3のデータをファルコン号のコンピュータを融合させているのなら「彼女」を賭けの対象になんかしないし手放すことなんかあり得ないでしょうしね。いろんな方面に気を使ってるのも時代なんだろうなあ、と。 幼馴染の相思相愛な彼女は生き延び、その組織の黒幕としてダース・モールが出てきたりと次のスピンオフに向けたネタ振りをしてますが、大不評なEP8と本国でコケたという今作のおかげでその計画もどうなるんですかね。まあディズニーはSWという金脈を手に入れウハウハだったんでしょうけどこの失敗はイロイロと見直すいい勉強になったんじゃないかと思います。何を作るのか知りませんが、EP4冒頭の一文を広げて上手く作っていたローグ・ワンのように映画しか追ってないような人にも優しい作りにして欲しいですね。 [映画館(字幕)] 5点(2018-07-01 00:23:56)(良:3票) |
7. パシフィック・リム:アップライジング
《ネタバレ》 前作から10年後、人類のため犠牲になったPPDC(環太平洋防衛軍)司令官の忘れ形見ジェイクが主人公。そのジェイクは元イェーガーのパイロットでいまはパーツ泥棒を生業としている。その彼が同じくパーツを集めこっそりとイェーガーを開発していた少女アマーラと出会ったことから再びPPDCに身を投じることに。 無人イェーガーは使徒みたいになってたし、赤い機体のセイバー・アテナは弐号機みたいで他のイェーガーも1機以外はスリムな人型だし、イロイロとエヴァっぽかったかな。KAIJUとの最終決戦が(中国っぽい)東京ビル街や富士山だったのでゴジラも思い起こさせた。そういう面は前作以上に日本のアニメや特撮風味だった気がしますね。 肝心なお話の方はイェーガーvsイェーガーまでは面白かったんですけど、それ以降はテンション全く上がりませんでした。イェーガーもKAIJUも大した個性がなく戦闘をしていても見せ場が無い。台詞も技もグッとくるモンが無く登場人物も総じて薄っぺらくキャラが立ってない。前作の肝でもあったドリフトなんかほとんど無いみたいなモンだったし素材を処理しきれてなかったですね。映像だけは凄かったです。 あと、中国資本に買収されたレジェンダリー・ピクチャーズの中国推しの割りを食い、どうでもいいトコで戦死してしまった森マコ(菊地凛子)は残念だった。あんなツンツンした民間の傲慢女社長が急に良い人になって、最後にはヒロインのアマーラがひっそりと開発してたイェーガーのスクラッパーを操縦(遠隔操作)して加勢にくるなんて美味しいトコを持っていくなどやりたい放題。ここまでゴリ押しされてるジン・ティエンとかいう人はレジェンダリー・ピクチャーズの大神源太かと思いましたわ。最後に来るのはマコじゃないとダメでしょ。ニュートの扱いはアリといえばアリだけど闇落ちに抗う姿も見たかった気もするし、駄作にありがちな前作の重要人物をあっさり葬るor悪人にするという展開は萎えますわ。 [映画館(字幕)] 4点(2018-04-14 12:42:57) |
8. パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
《ネタバレ》 旧三部作の後処理的な作品。4のダメっぷりから修正するためにウィルとエリザベスの救いのある話を選択したのかな。シリーズ中のネタを有効活用して上手く作ってあるのでファンなら楽しめるのではないでしょうか。なおかつ主人公といっても過言はない宿敵バルボッサの完結編的でもあったりキャプテン・ジャック・スパロウ誕生のエピソードもあったりで見どころは多いですね。ただまあ飄々として人を食ったようなジャックがたんなる酔っ払い中年にしかなっていないので彼の言動に面白みがないのが難点か。登場シーンのつまらなさやその後の金庫強奪の流れは無駄に長いし退屈だった。最後はジョーンズ復活を匂わせたけど無い方がスッキリしたのにね。 [映画館(字幕)] 6点(2017-07-09 20:17:05) |
9. バイオハザード: ザ・ファイナル
《ネタバレ》 前作で仲間になった強敵ウェスカーやジル、エイダ、レオンなどゲームをやっている人には馴染み深いキャラクター達。それをどうまとめるのかな?と思っていたらモノローグで簡単に片づけられ全部無かったかのような作り。アンブレラに反旗を翻したはずのウェスカーは社員化していてコソコソとアリスをつけ狙い、最後にはロボコップのパクリのような扱いを食らって首になり超人のくせにドアに挟まれて圧死だし、他のメンバーは一切出てこないのは話を作るのが面倒だから逃げたとしか見えなかった。日本向けの客寄せでさんざんローラをプッシュしてたけどあっさり退場してて期待して観に来た人は拍子抜けしただろう。 「私はプロよ」などと言いながら場所が変わるたびに何度もやすやすと背後を取られたり罠にハマったりの繰り返しだし、音響ビビらせのワンパターン演出多様で観るのが辛くなるレベル。今回はさらに今さらジェイソン・ボーン・シリーズに影響受けたの?ってくらいにアクションのカット割りが早くアップ多様でカメラも暗いため何をしているのか分かり辛い。 結局はアンブレラのノアの箱舟を狙った計画でアリスはアンブレラ経営者のクローンでしたと何の捻りもない物語。ⅢからⅤまでは観なくて良い気がする。長くなったのでなんとなく終わりにしましたってだけの話で「あー、やっぱりアンダーソンだね」って感じ。 [映画館(字幕)] 2点(2016-12-23 21:27:25) |
10. バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生
《ネタバレ》 大成功しているマーベルのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の向こうを張りDCエクステンディッド・ユニバース(DCEU)としてDCコミックスの看板二人の対決が映像化。次元の違いすぎる二人なのでスーパーマンのデコピンでバットマン死にそうだなと思ってたら、お約束のクリプトナイトを持ってきてスーパーマンの手加減もあってかそれなりに勝負になってましたね。それぞれの正義の解釈に違いがあり、二人を手玉に取るレックス・ルーサーの策略もあってぶつかる事になるものの、公聴会の自爆テロでその気持ちに確信した狂気を秘めた正義のバットマンのズレた逆恨みにしか見えなかったな。スーパーマンの力は悪を呼ぶし悪に転んだ場合の脅威を考えると、という解釈も分からないでもないけどね。その憤慨した矛を収めるのが母親の名前が共通だったってだけなのもイマイチ解せなかった。まあ「俺に任せろ!」と真正面から突っ込んでいってフルボッコにするバットマンには笑いましたが。 スーパーマンは悩める青年でもいいけど終盤に見せたバットマンとの軽い掛け合いみたいなのが出来る明るいスーパーマンが観たいですわ。「マン・オブ・スティール」に続いてイマイチな感じ。 今回一番良かったのは気品とセクシーさを兼ね備えるガル・ガドット演じるワンダーウーマンが出てきた時ですね。2大ヒーローに入っても負けないくらい華があって存在感もあるので今後に期待です。逆に途中で顔見せ程度に各ヒーローが出てきていた中でフラッシュは良いとして、敵が来たと思って穴から出てきたウツボや水中でコントしてるオッサン芸人にしか見えなかったアクアマンは微妙な見た目でしたが単独映画版は心配だなぁ。 [映画館(字幕)] 6点(2016-03-27 23:44:29)(良:1票) |
11. 白鯨との闘い
《ネタバレ》 名作『白鯨』のモチーフになった隠された真実を明らかにしたノンフィクションで捕鯨船エセックス号に起きた事件の映画化。その悲劇の事件の数十年後、のちに白鯨を書いた作家ハーマン・メルヴィルが生還した乗組員を訪ね、誰にも明かさなかった当時の話を訊きながら物語が展開するという構成で捕鯨が盛んだった時代や登場人物の背景もわかりやすくなっていますね。木造船で何千キロも離れた生息域まで出向き小舟に乗り移って銛を打ち込み鯨を仕留めていた当時の人の勇気は敬服しますわ。しかし、ただでさえ巨大な相手なだけに敵意を持ってこられたらこうなりますわな。大海原のど真ん中で迫りくる強大な鯨は迫力ありました。まあその後のサバイバルの方がずっと大変でもありましたが、獲物と思っていたら逆襲されたり飢えや人道的なモラルとも戦わなければならない。海は怖いですね。行く時は深さは腰の位置までにしときます。 しかしまあ、この邦題からすると肩透かしを食った気になる人もいるんじゃないのかな。白鯨との真っ向勝負みたいなタイトルですもんね。成金ボンボン船長と歴戦の一等航海士の確執や船旅の生活、船員それぞれの生還後の描写が薄く、この手のモノとしては尺も122分と短めなのがのがもったいない気がした。 [映画館(字幕)] 7点(2016-01-20 20:40:03) |
12. バケモノの子
《ネタバレ》 人間界の渋谷からバケモノが棲む中華風の渋天街へ入る導入部は『千と千尋の神隠し』の焼き直しにしか見えなかったし、終盤の人間の闇ってのは『ゲド戦記』を思い起こさせた。序盤はツンデレで豪快な性格の熊徹と、冷めた性格ながら子供らしい純粋さを持つ九太のデコボコ師弟コンビっぷりが面白く、コミカルさもありお互いの成長物語的で良かったが、中盤以降、九太が青年になってからがはガラッと雰囲気が変わって、九太はさらに刺々しく冷めた人間になって葛藤してるわ、無駄に恋愛要素も絡めてくるわ、最後には意味不明な鯨が出るわで「うーん」な感じ。熊徹と九太の親子成長物語でまとめときゃまだ良かったものの、いてもいなくても問題ないヒロインを登場させ、人間界でもバケモノ界でも迫力ゼロの中途半端なバトルと色々な要素を入れようと欲張りすぎた結果、非常に中途半端で散漫なモノになってしまった感がありますね。最後は人間の世界でもバケモノの世界でも人間が問題を起こしてて、その暴れた張本人の顛末はスルーしといてヒロインや人間の親父とすべて丸く収まったって体なのも違和感があった。バケモノのみなさんは寛大なお心をお持ちのようで。そもそも、宗師とかいう何でも見透かした気になってる無能なウサギが問題で、奴がバケモノの世界の統治者らしく有能であれば嫉妬からくる一郎彦の暴走も未然に処理し、どうみてもカウントアウトしてたのになぜか勝利し宗師となった熊徹も剣に転生せずに済んだ話だな。 熊徹の選択のした「心の剣になって一緒にいる」というのも悪くないけど、付喪神になってまで剣にならなくてもいいんじゃないか?と思った。ブータン国王は「みんなの心の中に竜が住んでいて、経験や知識を餌にしてどんどん育ち強くなります」と仰ってましたが、そんな方向で良かった気がする。細田監督はジブリ同様に芸能人を使いまくりで、今回も多数の人が声を当ててますが総じてお上手でした。ヒロイン役の広瀬すずはセンスがあってビックリ。収獲はそれだけ。 [映画館(邦画)] 4点(2015-07-14 21:14:35) |
13. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
《ネタバレ》 ヒーロー映画で大ブレイクするも、その後は鳴かず飛ばずの落ちぶれ俳優で私生活もボロボロ。そんな彼が俳優としての評価を取り戻そうとアートな舞台へ挑戦するが、といったお話ですが、それをかつてバットマンを演じ大当たりするも共演のジャック・ニコルソンに食われ、その後は堅実なもののいまいちパッとしないマイケル・キートンが演じているってのが面白いですね。彼のために書かれたかのような脚本ですが、今回もエドワード・ノートンに食われ気味で笑いました。続編やアメコミが蔓延しているハリウッド映画界や古臭い固定観念を持った閉鎖的なブロードウェイを皮肉り、優れた才能を持ったスター俳優は強欲で強烈なエゴを持ったトラブルメーカーな上にインポという、一芸に秀でただけの最低な男に描いている。そのおかげかアメリカでは業界ウケが良かったんでしょうね。 現実と空想を織り交ぜた物語ですが、最後はそれぞれが望んだ形なのかな?と思いました。リーガンは舞台で秀でた演出と演技を見せながら自殺をし、名声を得てあらゆる呪縛から解き放たれ(ワンカットも)終わり、病室での出来事はヒーローだった親父を見ていた娘や映画を見ている観客へ向けた本当に能力があったというような爽快感を感じるハッピーエンド的。いろんな解釈が出来るようになっていたり、奇抜な撮影スタイルなのはあざとい気もした。まあ観る人を選びそうな内容ですがキートンの起用が良い方向へ作用していてますね。ワンカット長回しで撮影されたかのような手法で撮られドキュメンタリータッチで、実際に劇場や舞台裏にいるかのような臨場感と緊張感に包まれていたおかげで観てて疲れました。 [映画館(字幕)] 7点(2015-04-11 16:58:11)(良:2票) |
14. パシフィック・リム
《ネタバレ》 トランスフォーマーで「凄い時代になった」と思いましたが、この作品も同じ感想を持ちました。CGだけど重量感溢れる映像は大迫力で存在感が凄い。日本男児ならば、「巨大ロボット」「怪獣」は誰しも通った道。その2つを実写でやってのけるハリウッドはネタ切ればかりとはいえ侮れない存在ですね。まあ監督が日本の怪獣やアニメで育った怪獣魂を持った人なんで出来たんだろう。「パイルダーオ~ンッ!」を思わせる出撃シーンからして愛がありました。武器関係も少なめでとにかく殴りあうバトルの中、切り札的に出したソード(ガリアンソード)は燃えました。KAIJU(怪獣)の名前や造形や思考能力なんかも日本の怪獣風で良いです。ただ、動きが速くアップも多いため、じっくりと眺めることが出来ないのがイマイチかな。KAIJUのカテゴリーも上がっていきますが、それほど代わり映えしないのも難点だし、敵の星まで行って核攻撃と一気に片をつけたのも勿体無い。続編で良かったのに。日本製イェーガーが第一世代だけってのも残念な設定ですが、世界で通用する日本の俳優がほとんどいないってのもあるんだろうな。若い日本人俳優さん、英語の勉強を頑張って世界に出てください。 生物学者が、のび太ばりに「めがねーめがねー」と手探りしてたのも日本愛でしょうかね?w [映画館(字幕)] 7点(2013-08-16 23:14:06)(良:1票) |
15. バレット(2012)
《ネタバレ》 ウォルター・ヒルが好きそうな無骨な男を66歳にもなるスタローンが演じていて格好良くもあるんですが、雑すぎてあんまり魅力的に見えなかったな。バディ物として粋な雰囲気はあるけど、正義を重んじている風なだけで信念が全く感じられない相方の人はいなくても問題無いような存在感の無さだし、アジア人である必要を感じなかった。敵役のジェイソン・モモアは存在感ありますね。目力が凄いです。 最後、フェラーリに乗って去っていくスタローン、ロッキー『イタリアの種馬』の異名に掛けたんでしょうかね。逮捕時の写真として『ランボー』の写真も出てきくるのでファンはニヤリでしょう。 [映画館(字幕)] 5点(2013-06-06 22:44:55)(良:1票) |
16. バイオハザードV リトリビューション
《ネタバレ》 原作キャラやシリーズに出たコトのあるキャラが多く登場し、「おっ!」とは思うものの、何度も何度も同じような音楽をバックにスロー映像のイケてないアクションを繰り返すばかり。アンダーソンはいつまでもその演出がカッコイイと思ってるんだろうな。こういう画が撮りたいだけというのがよくわかる。リメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』やら『エイリアン2』やら数々の作品からネタを失敬してきて既視感ありまくりな上に、全てがネタ元の超劣化版という可哀想な出来なのはいつものコトだった。なんでこのシリーズがそれなりに稼げるのか不思議だ。 華もなくドン臭そうで雑魚キャラにしか見えなかった奴が終盤にレオンと判明した時は脱力しましたよ。エイダも出たけどダサかったなぁ。 [映画館(字幕)] 3点(2012-09-18 23:03:39)(良:1票) |
17. ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
《ネタバレ》 原作未読。ついに最終章となったわけですが、やっぱこの監督は向いてなかったと思いますね。情報不足というか端折りすぎていて各シーンの余韻がない。シリーズを通して出ていたキャラもアッサリと死んでいくわりに、悲哀や悲壮感があまりないのは下手としか思えないし致命的。「これ入れときゃいいんだろ?」的で雑にしか映らないしブツ切りすぎて違和感があった。最後の戦いも迫力がなく盛り上がりに欠けたし、俺様の人もアッサリ逝くし強敵を倒し歓喜に沸くシーンもない。エンドロールも単調な音楽なだけで趣向を凝らすコトも無く終了。前回のpart1が148分で今回が130分。10年間積み上げてきた集大成がコレで原作ファンの人は満足できるんでしょうかね? スネイプの記憶の回想はシリーズを見てきた人にはグッときただろうし、シリーズに出てきた魔法のアイテムなどの名称が出てきたのはワクワクさせてくれたかな。まぁ良いトコもあっただけに残念な終わり。10年の歴史を加味してこの点数。 [映画館(字幕)] 5点(2011-07-15 23:22:02) |
18. パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
《ネタバレ》 ジャックやバルボッサの魅力が全く失われていてますね。バルボッサが海軍に寝返った件や、【海賊が恐れる伝説の海賊】と異名だけは大物だった黒ひげとの確執も台詞がチョットあるだけで解りづらい。海軍側に良いキャラを作れなかったのか知らないが、続編ありきの改変はいただけない気がするな。そのキャラ改変の理由でもあった肝心の黒ひげもビジュアルは悪くないけど残虐さがあるわけでもなく、秘めた力があるわけでもなく案の定一作だけで消えるなど小物臭しかしなかった。黒ひげ+手下にゾンビ、元恋人の女海賊、儚げだが人を襲う人魚と面白そうな要素がありながら、これだけ中途半端で何処にも見所が無い当たり脚本がダメなんだろう。肝である生命の泉もなんてことないし、アクションが凄いわけでもなく、ストーリーが面白いわけでもなく、唯一の救いの飄々としながらも抜け目のないジャックの軽妙さも失われすっかり凡人化。他のキャラクターにも魅力がないので演出も悪いのと相まって退屈でしょうがなかった。仮にこれが一作目であれば続編はなかったでしょうな。女海賊の元にジャック人形が渡ったラストは次へ伏線としてどうでもいいけど、次作は相当しっかりした物を作らないとますます客は離れるだろう。 [映画館(字幕)] 2点(2011-05-24 20:27:55)(良:1票) |
19. バーレスク
アギレラは多少聴いた程度。ベタなストーリー展開ではありますが一見の価値がありますね。テニス界のヴィーナス姉妹並に筋肉ムキムキなバックダンサーを従えて颯爽と踊りまくる華奢ながらもパワフルボイスのアギレラは抜群にカッコ良かったです。貫録のシェールのナンバー、「You Haven't Seen The Last Of Me」にはシビレました。借金で立ちゆかなくなり万策尽きた感のあるクラブが、シネコンに圧され3D映画に対応できず閉鎖されていく映画館の悲哀に通じてしまったな。クラブの再生にかけ、己を奮い立たせていたテスにも魅せられた。微力ながらも映画ファンとして応援させて頂きますので単館系のオーナーの方々頑張ってください。3Dなんて一過性のモンだと思います。 [映画館(字幕)] 7点(2011-01-13 21:48:34)(良:1票) |
20. ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1
《ネタバレ》 原作未読。最後に向かっているだけあってダークで重い雰囲気で全編包まれていますが悪くないですね。最終章となる今作を分けたのは良い判断だったとは思いますが、ハリーとダドリーの別れもアッサリだったし所々で余韻が短く、半分にしても尺が短く感じたな。 魔法の表現は相変わらず「微妙だなぁ」とか「言ったモン勝ちなんだな」とか思いますが、大きく成長した3人は頼もしく見えた。宿敵であるヴォルデモートは姿を現すたびに小物感が出ていて馬脚をあらわしている気がしたけど。まぁどんな結末になるのか楽しみです。 [映画館(字幕)] 6点(2010-11-28 20:27:48) |