1. はなれ瞽女おりん
瞽女(ごぜ)とは盲御前(めくらごぜ)の略だそうで、作品を見るとわかるが、鼓や三味線などを奏でたり歌を歌ったりする盲目の女芸人のことだ。 本作はそのめくらごぜおりんが彼女が出会う男達によって、ごぜの世界から孤立し、「はなれごぜ」として生きていく様を描いていたと記憶する。 映画ならばどんな作品であろうとも劇場で見たい時期だった中学生の頃、 親の知人が無料チケットを手に入れたので、どんな内容の作品なのかも知らずに、 その知人と親、そして姉と私とで劇場に見に行った。 皆、さほど内容を知らずに劇場に出向いたため、思春期の私を伴っての鑑賞は、 親たちには結構気まずかったのではないかと察する。 当時、中学生の私にとっては、かなりインパクトの強い衝撃作だったのに加えて スクリーンに映し出された四季折々の風景や作品自体が醸し出す独特の雰囲気が 未だに、心の中に鮮烈に焼きついていて、忘れることのできない作品となっている。 中でも、初潮を向かえ、両足を紐で結わえられて眠るおりんに、当時端役俳優だった西田敏行が夜這いをかけるシーンなどは、思春期の私には衝撃的ですらあった。 大人になった今、もう一度、見返して見たい。 きっと、あの頃とは違った側面から、深く感動できるのではないかと思う。 切にソフト化を希望。 8点(2004-07-19 23:54:11) |
2. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
相性の悪いキューブリック作品の中では比較的分かり易い作品である。 全般を通して、強烈なブラックユーモアで包まれている。 うーん、この点数、ちょっと甘いかな? 7点(2004-06-14 01:03:11) |
3. バックドラフト
親子愛と兄弟愛を主軸に脚本もしっかりとした物となっているが、それに加えて、火をモンスターのように見たてた技術と編集は素晴らしいの一言。 激しく猛威を振るったり、不気味に忍び寄ったりと炎をまるで生き物のように擬人化することに成功している点が本作の面白みを倍化させている。 この手の試みはパニック映画、モンスター映画等で以前から行われており、代表的な所では、「霧」が人々を襲うと言うジョン・カーペンターの「ザ・フォッグ」という作品が思い出される。 「霧」の擬人化にかなり成功している好例ではあったが、この「バック・ドラフト」ほど見事に成功しているモノは皆無かもしれない。 7点(2004-06-13 21:28:39)(良:1票) |
4. バイオハザード(2001)
ゲームを自分でプレイしたことがある人はきっと、ゲームの背景にあたるエピソードと その雰囲気を味わうだけでも充分に楽しめるのではないだろうか。 同じくゲームをベースとして映画化された作品でも「ファイナル・ファンタジー」などとは比べ物にならないくらい、オリジナルの世界観を忠実に再現しているように思われる。 6点(2004-06-06 18:32:07) |
5. パッチ・アダムス
実話を元に描かれた感動作品である。 作りとしては笑いあり涙ありといった、定石を踏んでいるのだが、ただ1箇所、どうにもショッキングなエピソードが描かれていて、その辺りが少し重い。 フィクションでこのエピソードを挿入していたとしたら、それは禁じ手である。 しかしながら、本作がノンフィクションであるが故、いたしかた無いと言った所か。まさか脚色ではなかろう…。 7点(2004-05-04 19:50:59) |
6. 八甲田山
《ネタバレ》 第一次世界大戦下の日本で、実際に起こった陸軍の八甲田山での遭難事件をモチーフにしているため大筋は遭難パニック映画なのだが、新田次郎の脚色により、ゴーストストーリーが加味されている。 子供の頃、これを観た時はその不思議話を理解できずに、ただの遭難モノとして観てしまった。 それでも尚、壮絶でショッキングな作品である。 そこにゴーストストーリーを加えて何とも、切ない味付けを施している。 今尚、名作である。 8点(2004-05-04 19:49:15) |
7. パール・ハーバー
作品としては、全体的に長すぎるのが致命的であるのと、真珠湾攻撃の見せ方撮り方が凡庸で冗長で飽きが来る。この辺りは、「トラ・トラ・トラ」とか旧「スターウォーズ」シリーズなどをもっと研究すべきである。次に、真珠湾攻撃とそれまでの話がリンクしておらず、無理やり経緯をつけて、こじつけたメロドラマになってしまっている点が、既に作品の存在価値すらを疑わせてしまう。一体何を目指して何を作りたかったのかがさっぱりわからない。次に、「真珠湾攻撃」という史実面から見てしまうと、もう論外です。評価する点が見当たりません。 0点(2004-01-28 16:04:39) |