1. 八月のクリスマス(1998)
一篇のポエムのような映画。物語の説明を極力廃した映像を重ね、観る側のイマジネーションに頼りながら進行していく。病気、恋心、死という核心であるはずの要素が省略法で描かれ、語りすぎない“映画の美徳”を感じた。とても優しい抒情詩を味わった気分になれる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-07 00:34:02) |
2. 波止場(1954)
アメリカ社会の政治的問題を孕んでいて、日本人には馴染みにくい題材だった。時代的に赤狩りを意識した内容であることの想像がつくだけに、社会派映画として非常に切実である。ラストシーンでの主人公の姿は監督自身の自己弁護なのだろうか? 5点(2004-08-16 23:48:02) |
3. ハンニバル(2001)
「国際指名手配なのに大勢の人前に出て大丈夫?」と、いらぬ心配をしてしまった。そう、大丈夫なのね。イタリアの刑事さん、殺られちゃったけどカッコ良かった。言っても詮無いことだが、ジュリアン・ムーアに馴染めない。横顔のラインがビミョ~。 6点(2004-08-16 23:14:13) |
4. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
シリーズ中、ドクの魅力がどんどん開花していって、今回とうとう主役になっちゃった。ドクの人柄の良さが溢れる心温まる仕上がり。でも、個人的には科学者としてクララとはきっぱり別れてほしかった。 8点(2004-08-16 22:10:01) |
5. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2
いい出来の2作目である。未来世界のシチュエーションは楽しいし、“1955年の舞台裏”を見せる構成も上手い。多少の矛盾もあるのかも知れないが、個人的には全然気にならない。文系で良かった。 8点(2004-08-16 21:29:01) |
6. パッチ・アダムス
その世界が発展するためには、既存の常識や慣習を打ち破る事が必要である。それなくして進歩は有り得ない。そのための重荷をパッチ・アダムスが背負ってくれた。寝る間を惜しんで勉学に励み、患者の前で笑顔を振りまく姿には心打たれるものがある。同期として入学した仲間がいない卒業式は、さぞ辛かったに違いない。卒業式の衣装は「自分らしさを失わないよ」という決意表明であり、彼なりの供養のように思えた。 7点(2004-07-03 02:26:54) |
7. パリの恋人
デビュー以来、数々のオジサマ達と共演し、稀代のオジサマキラー(役)として名を馳せたオードリー。今回、フレッド・アステアが恋のお相手とは、さすがに違和感が残る。だって、おじいちゃんなんだもん。でも、ミュージカルとして存分に楽しめるのは、やはりアステアあってこそ。バレエの心得もあるオードリーは本当に楽しそうで、いい顔して踊っているのが印象的。 6点(2004-06-22 21:54:18) |
8. パリで一緒に
劇中劇のくっだらなさには閉口だが、脚本を書き上げる過程の2人の演技のやり取りはテンポ良く進み、まるで舞台の二人劇を見るようで良かった。オードリーが器用な女優さんであることに改めて気づかされる。この頃、彼女は33か34のはずだけど、とってもキュートで可愛らしさ健在なのがスゴイ。 5点(2004-06-14 18:18:50) |
9. ハリー・ポッターと秘密の部屋
内容的には謎解きの要素もあり、1作目よりは自然なストーリー展開で普通に楽しめた。ただ、原作を未読の自分としては、出てくる人名や用語を追うだけで精一杯。登場人物も、ご丁寧にファーストネームやファミリーネームを呼び分けたりしてくれるので更に混乱する。マグル、パーセルマウス、フォークス、ルシウス、スニッチ、マートル、ヘドウィック、フィルチ、ミセス・ノリス。今回観ながら解説サイトで調べた言葉である。“ロード・オブ~”といい、ついていくのが大変だ~。 6点(2004-05-05 15:27:31) |
10. ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
B級がC級に進化した。1、2を通じて同じ敵とはかえって珍しく、逆に新鮮…な訳ないやろ!イムホテプとアナクスナムンの“時空を超えた愛”という設定も、もーええわ!セットやCGまで輪をかけてチャチくなってしまい、かなりガッカリさせられた。唯一の見所は美女2人のセクシーコスプレによる対決シーンくらい。ザ・ロックのサソリ姿や見捨てられるイムホテプはギャグとして笑わせようという狙いなのだろうか。 3点(2004-04-25 00:24:54) |
11. ハムナプトラ/失われた砂漠の都
ゾンビを銃でぶっ放すシーンなんて正にテレビゲームのそれ。映画というよりロールプレイングゲームでありシューティングゲームのノリである。虫に体を侵食されてもメインキャラなら大丈夫なのね。 4点(2004-04-25 00:11:26) |
12. ハリー・ポッターと賢者の石
子ども向けファンタジーとして観る寛容さは必要と思う。原作は読んでいないので単純に映画としてのみの感想となるが、凄く丁寧に作ってあると感じた。ホグワーツの世界観には、そりゃ、(良い意味で)子どもは騙されようというもの。VFXを駆使した魔法の世界の質感は十分目を見張る出来である。あ、でもクィデッチのシーンは長くて鑑賞に堪えれなかった。 6点(2004-03-23 01:27:13) |
13. バーティカル・リミット
劇場で観終わってしばらく無言状態…。心の中で「うーん、コレって面白かったのか?まさか、ひょっとしてダメダメ映画に当たった?」と自問自答。そう、とにかく腑に落ちない点が多すぎる。マナーを守らない登山家が不自然だった。 4点(2004-03-17 00:47:17) |
14. バトル・ロワイアル
私には理解不能…。映画云々以前に、こんなストーリーを考えた原作者・高見広春氏の想像力が怖い。何かしら氏の心の傷に起因しているのか?通常の精神状態では思いつかない絵空事だ。しかし、命の尊さを訴えかけるメッセージとして受け取れという方に無理がある。否定派の立場から観たせいか、藤原竜也やビートたけしも、そんなに演技が上手いとは思えない。安藤政信と山本太郎は凄みがあって良かった。 4点(2004-03-11 00:44:50) |
15. パール・ハーバー
自分は軍事に明るくないので、戦争描写は不問。ツッコミどころは多いだろな、と思いながら観ていたけど。全体的には、まぁまぁだが無駄に長い気がする。ラストの出撃エピソードの蛇足感が否めない。その辺が勿体ないと言えば勿体ない。もっとコンパクトにまとめて欲しかった。それにしても、ダース・ベイダーみたく日本軍登場のたびに流れる悪役用BGMには笑うしかない。ジョシュー・ハートネットには昔のトム・クルーズに似た雰囲気を感じた。 5点(2004-03-02 23:51:18) |
16. HANA-BI
全体的には退屈な映画だった。監督はかなり絵画的な映像美に凝っている。芸術性を意識して仕上げており、明らかに賞狙い。狙いにいって見事に獲ったのである。日本的な美(富士山、桜、お寺など)を効果的に挿入したり、抽象的な絵を所々に散りばめた点がイタリアの審査員に気に入られたのかな?緊張(ハードボイルドタッチ)と緩和(心温まるエピソードやミニコント)のバランス感覚は上手いと思った。監督は一方的に愛だけをクローズアップするのが恥ずかしいのだろう。同時に人間が持つ残酷な側面も描かずにはいられないのでは?照れ屋な人だから。 5点(2004-02-27 00:18:36) |
17. バットマン・フォーエヴァー
このテの演技は、ジム・キャリーにとって最も得意とするフィールドでしょう。活き活きと見えた。でも3作目ともなると、さすがに悪役の怪演ぶりにも食傷気味かも。バル・キルマーも悪くはないのだが、できれば主役は同じ役者で通してほしかった。 4点(2004-01-29 00:16:28) |
18. バットマン リターンズ
このシリーズは悪役キャラがウリのおふざけ映画なのだということにペンギンを見て気づいた。前作のジャック・ニコルソンの暴れっぷりで気づくべきだったのだが…。なんて鈍い私。ダニー・デビートもしっかり怪演してる。悪役のはじけた演技は、次作のジム・キャリーにも存分に受け継がれることとなる。 5点(2004-01-28 23:28:25) |
19. バットマン(1989)
手作り的な、ともすればちゃちいコスプレぶりに好感が持てた。金にモノを言わせた設定もいい。確かにヒーローといえども、先立つものは必要だわな。悪役ジョーカーのはじけっぷりはスゴイ! 6点(2004-01-28 00:28:05) |
20. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
娯楽大作として非の打ち所のない完成度の高さ。スパロウ船長が物語の主役でありながら、恋に限っては全くのカヤの外に押しやられ、若い2人を見守る側に徹するなど、キャラの棲み分けがキッチリ出来ている。そのため、主役3人が自分のフィールドで存分に魅力を発揮することに成功している。スパロウ船長はコミカルとシリアスの両面を併せ持ち、人間味あふれるヒーローという一番オイシイ役どころ。ウィルはただの片思いの男かと思いきや、物語の核心に関わる重要人物。エリザベスの美しさは申し分なし。そして、おマヌケさんは無能な海軍が一手に引き受けるという役回りも笑える。期待せずに観たが、思っていた以上に良かった。ジャック・スパロウ、新たなコスプレヒーローの誕生に乾杯! 7点(2004-01-19 22:55:18) |