1. 半落ち
《ネタバレ》 恐らく、映画館で観たらそれなりに感動はしただろうなあ、と思わせる作品。 地味なストーリーに比べると不釣合いなぐらいの豪華キャストは、それぞれの役者さんの見せ場をたっぷり堪能できる反面、登場人物の陰影がはっきりしなくなり映画自体の印象を平板なものにしてしまったような気がします。 それと、不治の病に冒された愛する者から「殺してくれ」と請われたらどうするか?という森鴎外の時代から続く重たいテーマと、白血病患者と骨髄バンクのドナーの関係という極めて今日的な問題が、映画の中では最後まで有機的に絡まず、「これはこれ、あれはあれ」という風に流れていってしまったのも痛かった。前半の警察検察内部のドロドロ確執も、後半にはまるで「なかったこと」のようになってしまったし・・・普通、あれだけ大々的に新聞にすっぱ抜かれたら、誰か処分されるなり辞めるなりするもんでしょう。 なんか、「芸達者そろえてまっせ!感動します!泣かせます!」という作り手側の意図が見えてきて、その割りにシナリオが大雑把過ぎたもんだから、素直に映画の世界に入れませんでしたね。 5点(2005-01-12 10:28:25) |