1. 爆烈野球団!
私もこの邦題を見ておバカな系統を期待してしまった。ところが実際見てみると、「なんでこんな邦題にしたん?」と思うくらい真面目な映画だった。確かにコメディ部分も少なくはないが、ベースにあるのは日韓条約締結当時の国民的なアイデンティティと、日本よりも強固に残る父を敬う儒教的価値観であり、反日と親日が微妙に絡み合いながら、スポーツを通してお互いの価値観を赦し合う(認め合う、ではないのがミソ)さまが描かれている。それにしても驚いたのが、日本軍が思ったよりも悪役扱いされていないことだった。伊武雅刀はともかく、その息子は結局スポーツを選んだ訳だから。これもきっと日韓共催W杯があって、国民レベルではお互いを理解し合おうという風潮ができてきた中で生まれた作品であることが大きいと思う。もしこれが数年でも早ければ、日本軍率いる野球団は完全に倒すべき敵として描かれていただろうから。そういう意味では「少林サッカー」ノリの軽い邦題以上に価値はある作品ではあると思うが、そのノリで2匹目のドジョウを狙った配給会社と、いくらなんでも抗議の自殺に笑いを取り込むのはどうか(不覚にも笑ってしまったとはいえ)という考えからマイナス1点。 6点(2004-12-05 11:09:49) |
2. ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
駄目だぁ・・・相変わらずモロばれのCG、モノが変わっただけのドミノ倒し、前作まんま流用の回想シーン、代わり映えしないイムホテップの攻撃方法、相変わらず身勝手な物言いの主人公、FF(ゲームの方)の飛空艇をちゃちにしたような飛行船、「これは実は○○だった」ってな安直なピンチの切り抜け方・・・・・挙げればきりがないです。「恐怖!サソリ怪人」のところでは、もう乾いた笑いしかでて来ませんわ。それとあんたたちいくら夫婦だからって、無駄なキスシーン多すぎ。息子がいいこと言ってたね、「家でやれ」って。同感。ここまできたら、超C級作品と同レベルで点数つけるしかないですね。 どうもソマーズ作品とは相性が悪いらしい。今度「ヴァン・ヘルシング」見に行くけど・・・心配になってきた。 1点(2004-09-15 22:44:42) |
3. ハムナプトラ/失われた砂漠の都
《ネタバレ》 見終わった時点(昨日)では6点にするつもりでしたが、翌朝目が覚めて3点にがた落ち。まさかこんなに金かけてCGに手間かけて、出来上がったのがドリフのコントとはねー。あの棺が落ちてくるシーンなんてほとんどタライ扱いじゃないですか。タライに失礼だろっっ!!(違)3点つけておいてなんですが、けっこう笑わせてもらいました。でもどのシーンで笑ったのか、棺のシーン以外思い出せない・・・昨日見たばっかりなのに。 以下、箇条書き。 ●人の死が軽すぎる。せめて図書館のボスは悼んで欲しかったなあ・・・ ●CGがCGと分かりすぎ。夜の市場は妙にセットくさい。 ●何より主演がミスキャスト。大根。無礼者なのに無礼者に見えない。こういう役こそ、ベン・ア○○ックが適役でしょう(笑)他の役者が割とよかっただけにねえ・・・ あ・・・思い出した。図書館ドミノ。何も映画の予算で「世界一ドミノ倒しに挑戦!」しなくてもいいじゃんねえ。大きさだけなら多分世界一だよね。 3点(2004-09-13 18:57:32)(笑:1票) |
4. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
《ネタバレ》 ああ・・・またかよ・・・「実は幽霊でした」って、すごく冷めるんだよな~。しかも何となく読めるし。主演の3人はいいんだよ。特にデップ。「頭がいいのかバカなのか・・・その2つは区別つきにくい」って、まさにジョニー・デップのためのセリフ。デップ自身、その美貌に喧嘩を売るようなおかしな役ばかりやってる。まあ、普通の二枚目じゃ盛りが過ぎればまた次のいい男が現れる。それだったら・・・ってな訳で、なんだかジョニー・デップ論になっちまったな(苦笑) 5点(2004-09-08 22:01:44)(笑:1票) |
5. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
クイーンズイングリッシュの合衆国大統領って変なの・・・キューブリックともあろう人がとんだ勘違いじゃないの?って思ってたけど、これに限ってはそれでよかったのかも、というか、計算づくだったのでしょうね。「マンドレイク」の名前が示すとおりこれは「人を食った」話だと思って見るべきものなんでしょう。時代背景は分かっていても軍事そのものは疎い私には笑っていいのかどうか分からないようなのもたくさんあって(ミサイルの落書きとか)、そのせいか登場人物全員が狂っているように見えるので博士のインパクトはそれほどでもありませんでした。出番少ないし。でもそう見えるならそれでいいような気もしますね。これは冷戦下の狂人たちを突き放した目線で、あざ笑うつもりで見るのがいいのでしょう。「人を食った話」なんだからマジになって見ちゃいけません、ということですね。だから大統領の英語もクイーンズで全然構わないのかも。とか何とか言っていたら・・・大統領もピーター・セラーズだったのかい!ギャフン! ところでキャメロンの「トゥルーライズ」の元ネタってこれなんですかね? 6点(2004-07-25 20:49:54) |
6. バトルランナー
《ネタバレ》 悪趣味おバカ大好きの私としては高得点つけざるを得まい。いや、これむっちゃ完成度高いと思う。元々扱っているネタが殺人番組って言う悪趣味極まりないものだし、センスのかけらもない超悪趣味演出やキャラクター、悪趣味なら悪趣味で完全統一、それでいいんじゃないかな。ニュースやワイドショーでやっているアノ国のプロパガンダ番組を、多分多くの人は一歩引いた視線で見ているんじゃないかと思うけど、恐竜以下の脳味噌と思しきこれまたセンスゼロどころかマイナス点って感じの敵たちを熱狂的に応援する国民たちも、全体主義で体制側から価値観を押し付けられている訳で、普通なら絶対応援したくないような人物を応援してしまう異常さこそが全体主義の本質であることがヒジョ~~~に分かりやすいので、当時両親と一緒に見に行った中学生だった私もこれで全体主義の恐ろしさを植え付けられちゃったんだよなあ・・・まあこの映画としては「全体主義はこんなにも異様で愚かしいことである」というカタクルシイ主張の仕方じゃなくて、「ホントこいつらバカでお下劣でどうしようもねーじゃんよぉ」ってノリなんだけど。戦争モノも含めて政治的なテーマがあると直球勝負よりも変な方向にはぐらかす方が伝わるものがあったりする。体制側は「こんな下らんことはしとらん!」って思うはずだしね。これはあくまでフィクションだけど、自由の国であるはずのアメリカの潜在意識---自由を手にするために、暴力的な手段も使って命以外にもいろいろ犠牲にしてきたから、いつか自分たちの自由が脅かされる日がくるかもしれないって実はおびえているのかも。だから時代は変わっても、脈々とこの手の映画は作られていく。 9点(2004-07-22 23:57:29) |
7. パトリオット
この映画を「誰の」映画として捉えるか。これの場合メルギブソン(以下メルギブ)の映画という説と、エメリッヒ(以下エメちゃん)の映画という説、2通り捉え方があるでしょうが、メルギブ映画にしては軽くて、エメちゃん映画にしてはお堅い(それ以前にエメちゃんが歴史映画を撮ること自体非常事態という気もする)。でも実際はメルギブの存在感の前に「お堅いエメちゃん映画」というのは隠れ要素に成り下がってしまったんである。エメちゃん映画らしくない(苦笑)高評価はこの「隠れ要素」にこそある気がするのだが・・・歴史モノだけに他のヤツみたいにブッ飛ばせないから「ありえなさ」がことごとく減少しているので、全体的に見れば軽いは軽いけどコンパクトにまとまっているようにも見える。しかーし!数少ないエメちゃんファンを自称する私としてはここが物足りないんである。あんなトンデモな「千代田区」を創造したエメちゃんなのに・・・星条旗の星の数は「ちゃんと」50個にしなきゃダメでしょーーー?!!(爆)いやもちろん、歴史モノでそんなことがあってはならないんだけど、そんなことしたら間違いなくここでも評価下がるでしょう。しかしエメちゃんの超大作SFでのブッ飛びぶりはアレはもう個性です。宇宙人というありえない相手だからありえない展開でいいんです。でも歴史モノという考証がものを言うジャンルではその個性を生かせないのです。私が先に「非常事態」と書いたのはそこにあります・・・エメちゃんはテーマとか考証とかそういうのはない方がエメちゃんらしい映画になると思います。唯一感じられたエメちゃんらしさは、英国軍をエイリアン扱いしているような描き方と、「英国エイリアン」を宇宙人のごとくメッタ突きするメルギブですかねえ・・・それにしてもジェイソン・アイザックスは本国で無事でいられるんでしょうか?役にはまっていた分母国イギリスで売国奴呼ばわりされていないか、彼の身が心配です。余談ですがメルギブはこれに出て以来おかしくなってしまった気がします。サイン、インビンシブル、そしてパッション・・・ 5点(2004-07-20 01:07:45)(良:1票) |
8. バンデットQ
《ネタバレ》 (!!超ネタバレです!!) これのラストは確かにバッドエンディングと言えるんだけど、私としてはすごく納得できるんです。主人公の少年は最新型システムキッチンにうつつを抜かす母親といい子にしなさいの一点張りの父親、ろくな会話もないそんな家族にうんざりしてて、そんな時に冒険に巻き込まれてしまう。自分の部屋から冒険が始まっちゃうのがミソ。早く寝なさいってことで押し込められた自室から逃げ出した、それは現実からの逃避いうこと。そして帰ってきて・・・両親消滅(苦笑)。例え理想の家族と家庭を夢見るだけのろくでもない両親でも、子供だけでは生活できない。現実から目を背けた代償は、あまりにも大きかったのです。この両親も夢見がちで、消されたのも自業自得っちゃあそう言えるけど・・・ギリアムはファンタジーや幻想、妄想と言ったモチーフを使いながら、それに溺れることの危なさを描いている。表現手法は違うけど、それはあの「はてしない物語(本の方です、念のため!)」にも通じるテーマだ。それがどうしても皮肉めいてしまうのがイギリス育ち(?)のギリアムらしいところではあるんですけどね。 9点(2004-07-11 19:34:57) |
9. ハリー・ポッターと秘密の部屋
こんなアホなケネス・ブラナー初めて見た。きっと"ノキシニータス・タカサノホア"の魔法をかけられたに違いない(右から読んでみよう!)。パパさんママさん、お子様に彼はシェークスピア劇出身の名優だということを教えてあげて下さい、初めて彼を見た子がアホ役者と誤解しないように。ハリーが声変わり真っ只中で時々変な声になってたな。スネ夫みたいやん(マジ)。見た目はのび太のくせに生意気だぞ!! まあ前半はミステリー色強くてかなり面白かったけど、蜘蛛の巣を脱出するとこからしらけましたねー。何でやねんって。そこからは「やっぱりこれって賢者の石の続編なのね」的なお話。一番面白かったのはやはり真のラストシーンですな。 5点(2004-07-04 23:20:56) |
10. 裸の銃を持つ男
《ネタバレ》 全身コンドームは未だに忘れられない。ザッカー&エイブラハムズは馬鹿馬鹿しく下品なのをこれっぽっちも隠そうともおしゃれにしようともしないので大好きです。求む、彼らのようなバカ職人。 9点(2004-07-01 13:45:36) |
11. ハリー・ポッターと賢者の石
初めてハリー・ポッターの名前を聞いたときは「ハリボテ?」と思ったもんだ。見て確信。この映画は「ハリー・ボッテーと他山の石」です。 華々しい視覚効果やエピソードの一方で内容は非常に空虚、人物描写の浅さ(特に最後まで悪人にしか見えなかったスネイプ。アラン・リックマン好きなのに)、予定調和を遥かに超えた主人公びいきのラスト。テーマや深みは感じない。同じく大作のLOTRは勇気や友情、愛情、人間の強さと弱さ、限られた生を生きることの素晴らしさ、二つの塔では自然破壊への警鐘まで盛り込まれていてしかもどれも食い合うことなく輝きがある。しかしこちらにテーマを探すとすれば「友情」かもしれないが、今時の子供と変わらないグループ単位での友情関係に、友情の素晴らしさを見出すことはできるだろうか?「努力・友情・勝利」少年ジャ○プを読む方が遥かに有意義だ。製作側は視覚効果を派手にしてゲームやバトルを入れれば子供は喜ぶと思っていないか?「未来の大人」であり、純粋ゆえに大人以上に厳しい目をもつ子供向け作品だからこそ真剣さが求められるのであって、映画でなくてもこの日本で名作と言われるアニメを思い起こせば分かることだ。配給側の姿勢も疑問だ。手紙や看板など普段なら字幕で済ませることに吹替でナレーションを当てる必要があるとは思えない(しらける)。子供にも分かるように配慮したつもりだろうが、字幕で分からなかったら「ママ(パパ)、これなんて読むの?」って聞くもんで、これは子供だからこそ映画から与えられる親子の思い出になるはずだ。映画への満足度は何も映画そのものの出来だけではない。それ以前に吹替の学芸会演技は耳に余るが。でもね・・・一番思うのは、「最初からお姫様と分かっている『シンデレラ』はつまらない」ってことですよ、やっぱり。まさに見かけだけのハリボテ。今後作られる大作映画には他山の石としてもらいたいところだ。 4点(2004-07-01 01:13:59)(良:2票) |
12. パルプ・フィクション
ストレスのせいか体のあちこちが痛むのでいいマッサージ師を探していたら、「多蘭亭」というところがおすすめだと聞き行ってみることにした。ヨーロッパの権威あるところのお墨付きもあるらしいし、何より行った人が身もだえするほど気持ちいいと言う。興味を引かれ行ってみた。現れたのはどうもかみ合わせが逆っぽい顎の出たマッサージ師。「俺は勘でツボを探り当てる!!」と豪語していた。センスはいいらしい。しかし、どうにも体がほぐれる手ごたえがない。押す力はすごいけどすごく適当に押してる。そう言えば行った人は彼が揉みながら話し掛けてくる言葉が楽しいとか言っていたようだ。確かに時折、あのフ○○ク野郎がうんたらかんたらとか話し掛けてくる。しかし何が面白いのか分からない私は、「何だよこのマッサージ師、ヘッタクソだなあ」と思いながらただ愛想笑いを浮かべるしかなかった。マッサージ代の1800円が夢の島に消えた・・まあ、例えてみればこんな感じだろうか。「ツボにはまる」とはよく言うが、逆にどんなに面白い言葉の雨あられでもそれがひとつもツボにはまらないとこれだけつまらなく感じられるのかと、むしろそちらの方に驚いた。どこが面白いのか教えてほしいと言っても、説明しても私には何のことやらさっぱりわからないし、私がつまらない理由を挙げたとしても(理由はたくさんあるが多くは書かない。ひとつ挙げれば、取り留めのない、しかもF×××の多い下品な内容をセンスのいい音楽と演出で見せている部分に生理的嫌悪感を覚える。下品なら下品な演出の方が好感持てる。傑作か駄作か以前に「嫌い」なんですこういうの。これでがっかりして「フロム~」で完璧に嫌いになった)この作品に高評価を与えている人には理解できないだろう。この無意味無内容の映画に無理矢理意味を求めるとしたら、ツボにはまるはまらないは価値観の対立と同じようなものであり、それによって映画を見る側の人格まで肯定したり否定できるようなものではない、ということだろうか。まあ、こんなことを考えている私も、フ○○キン暇人野郎なんだろうが。追記:キルビルでちょっとタラ見直した。私はああいう方が好き(ただし血の量除く)だけどあれはあれでヤダって人もいるし、好き嫌いがはっきり分かれる作品しか作れないんだろうかヤツは・・・ 1点(2004-06-17 20:23:30) |
13. パウダー
予告編を見て映画のイメージを勝手に頭の中で創り上げてしまったのが敗因。きっとパウダーもみんなに受け入れられていくんだろうなあと思ったら、結末は・・・(T-T)←予告編を信じてしまった自分に涙が出た(苦笑)それと、あの「ビショップ」が保安官っていうのは、やっぱり変だと思う。英語の発音堅いし(笑) 4点(2004-06-11 18:08:40) |
14. ハイランダー/悪魔の戦士
《ネタバレ》 私の人生を変えてしまった映画です。中学生の時にTVでやってたのを見てえらく感激。なんとなーく石森章太郎チックな設定(当時感じたのを言葉にするとこんな感じ)に取り付かれたもんだ。人には理解されない宿命を背負い、自分は変わることなく愛する者に先立たれて行く哀しみ、それが人を遠ざけようとする言動になり、目つきの悪いランバート(失礼!)と恐ろしくマッチした。ヘザーの死なんて、スローな中に魂の叫びが聞こえるようなロック(当時はクイーンを知らなかった)と相まって涙が出た。大画面で、ドルビーであのシーンを見たかった。こんな映画で泣くなんてと馬鹿にする向きもあろうが事実だ。長じて中古ビデオ店をしらみつぶしに回り何軒目かでようやくゲットできた時狂喜乱舞・・・こんな大人にしてくれてありがとう、ランバート。今見ると松田優作のごとく「何じゃあこりゃあぁぁぁああ!!!!」と言いたくなるところもたくさんあるが(愛刀が紀元前の日本で作られたとか、水中セットのちゃちさとか、特に最初でやられるヤツの殺陣がしょぼすぎとか)、こういう映画に感激して、今の私を創り上げてしまった。もしこの映画に出会っていたのが中学生という多感な時期でなければ、ここまで感激できなかったかもしれないけれど、そういう時期にこういう映画に出会ったことを私は幸せだと思っている。もうこれは出し惜しみなく10点献上。 10点(2004-06-06 13:58:32) |