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1.  博士と狂人 《ネタバレ》 
昔(10年くらい前かな?)、本の雑誌の書評で興味を惹かれ読んだが、殆ど忘れている状態。 それでも前代未聞な全国募集(国内的な)での用例収集と、それに協力する元犯罪者の力で世界初の英語辞典を完成させた話として、覚えていた。 日本で『舟を編む』という辞書編纂の物語の映画があったが、それのもっとダイナミックな話。(「用例収集」などというkと場はその映画で知った。 昔読んだときには、狂人側の罪の話とか被害者の奥さんとの話などあったっけ?という感じだが、その部分で『辞書』の部分がちょっと弱くなった感じは否めない。これは辞書を作った人の話というよりは、罪とそれを許した人、精神疾患の人を救う人の話になってしまった感じがある。 でも、いい話ではあるけれどね。
[DVD(字幕)] 7点(2022-02-11 17:46:06)
2.  ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 
 んー。スターウォーズなの?これ。と思ったが、所々に「帝国」が顔を覗かせているが。最後の最後に(この物語的)ラスボスが登場して、時代感覚がかなり狂ってしまった。多くの人はあの人はエピソード1で死んだと思っているはずで、その時点であの船が出てきたり帝国なんて表現が出てきたりすると??となると思う。Wikipediaで調べると結構後々まで生き延びたらしいが。   さて、これを見て一つ思い出したことがある。「レ・ミゼラブル」という小説だ。この小説は文庫版で全5冊の大作だが、一冊目がほとんど司教様(バルジャンに銀の燭台をあげちゃう人)の話(生い立ち)なのだ。いや、司教様はバルジャンとの関わりだけ分かればいい人だから…。んん、これである。ハン・ソロっていうのはこの銀河戦争で突然現れた凄腕パイロットで良いのではないか?長々とした彼の生い立ちは「銀河戦争の一部としては」要らないんじゃないか?  誤解を恐れずに言い切ってしまうと、ハン・ソロはフォースに関わらない一般人の星なのだと思うのだ。それが、その物語の側面でシス側の者たちとニアミスしていて(おそらくシリーズが進むともっと関係深くなるんだろう)、ちょっとげんなりしてしまうのだ。   もう一つ思い出すのは、例えばジョンウエインが出てはいるが取り立てて面白い訳でもない「普通の」西部劇。ジョンウェインが出ていなければ間違いなく見る必要が無い感じ。この青年が「ハン・ソロ」でなければ見る必要のない物語。 あと、密輸品の運び屋とされていたハンソロが何だかいい人より過ぎていて、それも期待を裏切る。こんな男なら、デススター襲撃に舞い戻るのは容易に想定できるじゃないか…。
[映画館(字幕)] 5点(2019-12-15 20:45:39)(良:2票)
3.  パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》 
 誰かを愛して一緒になるって事は、相手の人生を変えることだという、普通に考えれば当たり前のことを、これほど極限的な事情に当てはめて描くってナカナカ凄いし、面白かった。  だが、後半は宇宙船と5000人の乗客の運命を賭けたトラブル対処のサスペンス。それを二人で乗り越えて円満に結ばれるんだろうなと思っていたら、どうやらその通りのようでやっぱりアメリカ映画だなと納得。そんな中、船の修理を指南するためだけに登場したとしか思えない甲板長がすぐ退場して可哀そう。死人を蘇生する医療技術があれば、何とかならなかったのか?とも思う。   それにしてもアメリカ人って、ホント技術に関して大雑把というか簡単に考えるよなあ。あれだけの高度な宇宙船が、あんなに簡単に、パーツも用意されていて差し替えるだけで治るって…。専門家である甲板長をもっと有用に使ってやれよ。   映像的には、光を美しく使った船内のデザインが良かった。またプールで泳いでいるときに重力を失った描写が凄い。最後、表面張力で丸くなるんだな。
[DVD(字幕)] 8点(2017-09-28 14:07:40)
4.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
これです。これ。『フライト』の時に見たかったの。こういった、正しい判断が正しく評価される物語。この話にもちょっとしたサスペンス的要素として、左のエンジンの推力があったのなんのとの疑義が出ているが、実際の現場の状況尾を無視したり、「~はずだ」でシミュレーションが行われて、人が断罪されるのは恐ろしい。 でも、最後に正しい者が救われる話は良かった。でも、普通ボイスレコーダーとか時間的な経緯とか、基本的に検証されるもんじゃないのかな?
[DVD(字幕)] 7点(2017-06-08 05:38:58)
5.  パットン大戦車軍団 《ネタバレ》 
 思っていたよりも地味な映画だった。邦題からしたら、もっと大量の戦車が一面に展開されて、ドンパチ砲撃戦が繰り広げられるなんて、思ってた。でもこの映画は、パットン将軍の部分的な伝記映画の側面が強い。  伝記映画で主眼が主人公そのものだから、戦争の成り行きなどかなり駆け足だったり、飛んでいたりもするが、そのへんは公開当時は常識的な「現代史」だったのだろうなあ。今の日本人が見るには、第二次大戦のヨーロッパ戦史を、ちょっとだけ予習しておくといいかもしれない。   平時の30年はそれなりに記憶の彼方ではあるが、世界を廃墟にした戦争の記憶の前には30年などつい最近の事のはず。その生々しい残虐さの描写が本作では殆ど拭い去られている事に、若干の違和感を感じる。  ただ、映画としては、祖父が南北戦争の功労者で自身も戦争のために生きているような人物の、「闘う男」の一本気な生き方にある種の清々しさを感じさせて好感が持てる。それは、そのまま嘗ての強いアメリカの良さだったのかもしれないが、もし、彼が今の時代(ナチスという絶対悪と認識されていたものがない時代)に生きていたらどうなっていただろう?などと思うのは余計なお世話か。   ところで、日本の(モデル)ガンマニア的には、GSPの連なった刻印入りグリップの2挺のリボルバーがカッコイイのだが、胸に自動拳銃忍ばせてたんかと、ちょっとガッカリ。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-09-26 13:56:29)
6.  ハリー・ポッターと賢者の石 《ネタバレ》 
 美人というのは、小さい時からカワイイもんなんだな。まあ、それはともかく。   非常に楽しい学園モノ。しかも、魔法学校ならではのファンタジー世界に、ワクワクさせられる。  これが、後に戦いの物語になってしまうのは、残念至極。サザエさんやドラえもんのように、永遠に卒業しないで、戦争などせずに、続いていたらどんなに楽しかった事だろう。
[地上波(吹替)] 8点(2014-07-25 23:38:58)(良:2票)
7.  バウンティー・キラー(2013) 《ネタバレ》 
 自分の大好きな美人ガンマンもので、過激なバイオレンス描写がある割に人殺しの嫌悪感も薄く、面白く見れるのではと思っていたが、若干の物足りなさも否めない。  政府要人や富豪たちが安全圏に逃げて、企業が殺し合いを行ってでも利益を追求する世界のはず。しかし、出てくる人間がみな悪い奴かアウトロー・謎の(怪しい)集団ばかりで、一般の人が見えないので、世界が酷いことになっている感が薄い。主人公を襲う連中が「悪い奴」というよりは「容赦なく殺される為の人(実はこの時点で人ではなく記号)」にしか見えない。  大体、最後に出てきたオフィスで働いていた人たちは、いったい誰に対してどういう商売をしている人なんだろうか?そういった意味での、世界の不完全感が、ご都合的に見えるのだ。   かつて賞金稼ぎという職業が成り立った国での、新しい世界における一つの正義の方法の物語。現実的な力、というモノを嫌というほど知っている国の、キレイ事では無い対処法、賞金稼ぎ。それに刑の執行権を与えるまで発展した世界。  自分的には、こういった世界での正義感、前・悪の物語を期待したのだが。B級という言葉で納得するには、勿体ない魅力あるキャラクタなのに…。 
[DVD(字幕)] 5点(2014-01-01 12:57:05)
8.  配達されない三通の手紙 《ネタバレ》 
 「名探偵、皆を集めて「さて」と言い」などと言う戯れ句があるが、解決編を明確に示すというこの儀式は、結構大事なことなのかもしれないと、ダラダラと事件の謎が解ける本作を見ていると思わざるをえない。   戸籍制度というものが有り、良家の子女の結婚には相応の調査が行われる日本において、本作は成り立つのかどうか非常に危うい。  また、真犯人が何時の時点で犯意を持ったのか、よく分からない。というか、夫を陥れたかったのかどうかすら、いまわの際の錯乱状態によって余計判らなくなっている。彼女の心理こそ、この物語の中で一番興味深く、ドラマになる部分だと思うのだが。   ちなみにフィアンセが物語の最初から最後まで、突然現れた男と行動を共にし、あまつさえ二人だけの北海道旅行などされてしまう、峰岸検事がかわいそうだった。 
[DVD(邦画)] 3点(2013-09-16 12:05:58)
9.  バニシングIN TURBO 《ネタバレ》 
 もう、も文句なしに面白い!  カーアクションの後発作品と比べるなんてナンセンス!。もちろん、これがそのジャンルの嚆矢だとは言わないが。  自動車のクラッシュなどは今のものとは比べるべくもないだろうが、何と言うかドキワク感がい今のCGと違う。いや、CGを否定するわけじゃなく、画面表現とは違う次元でのワクワク感が凄いのである。   この映画の描いているのは、価値観と権利の物語なのだと思う。  公開当時、どのくらい意識されていたのか知らないが、まるで古い日本の結婚感であるような婚約者縛りを、利用するやつ有り、応援するやつ有りで、結果的に個人の自由が勝利する展開にゴ~ル!!  実際にはそうならないだろうと40数年後の我々は思うだろうが、報道の自由と個人の自由と武力でない顛末として、この結末には現代人として拍手を送りたい。  また同時に、現代でもハッキリしない報道の権利と対象の権利の兼ね合いなども悩ましく考えさせる。
[DVD(吹替)] 8点(2013-09-04 20:05:25)
10.  遙かなる走路 《ネタバレ》 
 随分と昔、東南アジアの国へ旅行に行った時に、その国の写真フィルムを買おうと思ったら、そんな物は無いと言われ驚いたことがある。我々は大抵のものは国産品があると思っている。無いのは石油と旅客機(YS-11が現役ならなあ)くらいではないだろうか?  そう、日本人というのは、とにかく自国の物を求めるし、自国で作ろうとする。なんでも自分で作らないといられない、というモノ作り大国の気概、素晴らしや。   そんな主人公、豊田喜一郎の幼少時の自動車への興味から、工学を学び自動車を開発する過程が丁寧に描かれており、製造業に携わるものとしては、大変に面白く見られた映画である。  特に論理的・基礎的な技術と同時に、製造技術の壁も実際の製品開発には重要なファクターである話、会社というものは人々の生活を背負っているのだという事に悩む経営者の話などもまた、興味深い。  さらにこれも前の話だが、数十年ぶりに光岡自動車がメーカーとして認可されたというニュースを、不思議と思ったその訳もこれで理解できた。   完成直後の役人との密約や政治的駆け引き、とりあえず作っちまうというスタンスなど、ちょっとどうなのかと思う所もあるが、行動力と情熱の人というのは伝わってくる。   色々ともっと知りたい部分もある。シボレーのエンジンパーツと入れ替えてみるって、デッドコピーを作っているんだろうか?とか、60馬力を超えた時の原因と対策は何だったのか?とか、箱根をヒーヒー言って押しながら超えたのに、あの電報はいいのか?とか、ニッサンはライバルじゃなかったのか?とか。でも、細かいとこだから、いいのだけれど。 
[DVD(邦画)] 8点(2013-08-11 08:57:45)
11.  ぱいかじ南海作戦 《ネタバレ》 
 ぱいかじに吹かれていると、いろんなことがどーでもいい気分になってくるらしい。それを感じられるかどうかが、この映画の評価の分かれ道だ。そこを乗り越えると、とてもおおらかに泥棒を許せたり、勝手に踏み込んでくるTVクルーに笑顔を振りまけるのだろう。だが私には、乗り越えられなかった。  永山君を引き留める主人公の描写があまりにいい加減で、笑わせたいんだろうが笑えないという状況が、不愉快(実に正しい字面だ)ベースを作ってしまうのだ。どーでもいい気分どころか、泥棒たちと同じ穴の狢になって、あさましく人を騙そうとしている主人公を見ていると、後の展開に素直に心動かされることができない。 
[DVD(邦画)] 4点(2013-05-14 18:23:53)
12.  パニック・イン・スタジアム 《ネタバレ》 
 2分前までの話しは、じっくりと緊張を描写していて、面白かったのだがなあ……。  その後の展開が何だか、とてもお粗末な事件だった。継続的に狙いをつけていた狙撃兵が、壁の上から顔を出しざまに撃った犯人にまんまと狙撃されるとか、観衆のパニックを心配していた警官が、2分前に投げやりに現場に全て丸投げしちゃうとか。  そして、まんまと観客を撃たれてしまった後の、観衆のパニック具合が、ちょっと嘘くさい感じは否めない。どうすると、あんな所にぶら下がることになるのやら。   事件は、詳細が全く不明のまま、犯人射殺。曰くありげに描かれていた何組かの観客は、結局何も関係が無いっていう、あまりにも斬新な仕掛けに驚かされる。その何組かの観客たちを、一生懸命観ていた我々にとっても、もちろん劇中の刑事たちにも、何にも判らないしょーもなさが残る事件になったわけだ。  何も要求しない、一切交渉の余地のない乱射犯なんて、全く生きた凶器だが、こんな事件に対峙した刑事役のチャールトン・ヘストンが、後に全米ライフル協会の会長として、銃規制に反対することになるのは、皮肉なことだなあ。と、日本人としては思わざるを得ない。
[DVD(字幕)] 4点(2012-11-25 22:03:20)
13.  八甲田山 《ネタバレ》 
 何しろ日露戦争頃のお話。無線も飛行機も未だ普及していない。そんな時代(110年も前だ)には大層な冒険だったことだろう、吹雪の雪山の行軍。そのその過酷な行程の、イヤというほどの時間を使った描写は、見事。途中途中に回想として挿入される、青葉の木漏れ日や、美しい花畑などの映像が、さらに吹雪の厳しさを強調する。登場人物たちの背景に、遠目に見える雪崩が、CGなんかじゃ無いことを知っているだけに、余計に怖い。  また、この映画は他にありがちな、事件当人にまつわる家族や、恋人などの周辺の人のドラマを、あまり追っかけておらず、事件そのものの描写に注力しているのも良い。   戦争批判というのとはちょっと違うが、実際に当人に伝えるすべのない状態で、「作戦は中止した」のなんのって言う、司令官たちの会話が、実に虚しく滑稽だ。その上、馬鹿な上司のお陰でドンドン、ドツボにはまる様を見ていると、腹立たしくなってくるが、原作者は確かお役人さん出身だったと思い出し、彼の上司にこんな人がいたのかなあ、なんて思ってみたりもする。
[DVD(邦画)] 8点(2012-11-24 01:51:22)
14.  華岡青洲の妻 《ネタバレ》 
 何年も前に新薬被験者の登録をした時に、随分といろいろな妄想と、戦ったことを思い出す。もちろん、現在の試験は安全なのだろうけれど。  そう考えると、麻酔という技術が、半ば伝説としてしか無かった頃に、失敗したら死ぬかもしれない実験に、体を提供するのは、並の精神力ではない。   世界初の全身麻酔、と言う部分にはもちろん興味深さはある。しかし、スゴイと思うのは、母と嫁の被験者競争だ。子を溺愛して嫁に意地悪をする母、というのは、物語や幾人かの知り合いの話などで、聞くことはあるが、その張り合いが人体実験にまで及ぶというのは、大した狂気だ。  この部分の、二人の狂気的な張りあいを見ると、人間の一念、思いの強さ、を恐ろしい思いを持って観てしまう。と、同時に、顔も見ずに嫁入りし、新婚生活をも姑にコントロールされてなお、人体実験を申し出る、お武家さんとは、大したものだとも思う。   その人は、医者の家の美しい女将さんに憧れて、そこに嫁入りし、その美しい姑にいじめられ、さやあてのように被験を申し出る。まさしく「美しい花には毒があ」ったけど、そのおかげで「毒薬変じて薬とな」ったという、ことわざ通りのお話なわけだ。そういう意味では、これは『華岡青洲の母』でもあった話かもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2012-10-22 22:59:56)
15.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 
 ダメだと思っていたもの、旧式で「使えない」と思っていたものが、そうではないことを証明する物語。   前半、というか大半は、イージス駆逐艦の話で、シリアスで四苦八苦の戦闘物語である。アメリカ映画によくある「SFXの力技で見せるパニックムービー、大した内容なし。」に見える。ご都合主義的な展開も多い。  しかし、ミズーリでの戦いは、非常に面白い。第二次大戦の頃の戦艦が、(宇宙船にするでもなく!)宇宙人と戦うってアイデアが、奇抜で良いし、単純に古いもの、ロートルでも役に立つって話も、この年になってみると嬉しい。登場時こそは重々しくカッコ良かった退役軍人たちも、艦を稼働する時にはアメリカ人らしいノリの良さで、楽しささえ感じてくる。そして、その戦いも旧式艦のハンデをカバーするような、奇抜な作戦が見事。何より何より、巨大戦艦が海上を航行する、その勇姿のカッコイイこと!  このミズーリの部分は、もうっとたくさん観たかった。もっと描く事もあったはず。前半子供に「戦艦と駆逐艦」について垂れた講釈と絡めて、もっとダメだと思っていたもの、「戦艦ミズーリ」をフィーチャーしても良かった。  ところで、「犠牲者が出るから手が出せない。こっちに来て副操縦席に座ってみろ」なんて言う司令官は、軍人としてどうなの?
[DVD(字幕)] 7点(2012-09-07 20:35:58)
16.  白昼堂々 《ネタバレ》 
 男はつらいよの前年かあ。この頃の倍賞千恵子の美しさは尋常じゃないな。こんな人をよくもまあ、あの寅の妹にしたな、と妙な所に感心する。  面白そうと思った柱が3つ。  ・集団万引きのスリルと滑稽さ。 ・娘の将来と友情に板挟みになった男の生き方。 ・凄腕女スリとの契約結婚。   1つ目に関しては、まあまあ。スリル側より、オモシロ側が勝っているが、基本、喜劇だからな。でも最後の"作戦"は、もうちょっと緻密にスリリングな感じ、というか、水上バスのシーから続くシリアス感を期待していた。  2つ目に関しても、そこそこ。直前まで、断り続けていたのに、手を貸してしまった葛藤をもうちょっと。「人情」喜劇の大事な部分だと思う。  3つ目、契約結婚の後、ワタ勝の留守を預かるようになるまでの、二人の関係をもうちょっと見たかった。何か唐突な感じを受ける。  全体的には、面白いし、豪華な出演者を楽しめる。
[DVD(邦画)] 6点(2012-09-04 14:14:34)
17.  はやぶさ 遥かなる帰還 《ネタバレ》 
 『はやぶさ/HAYABUSA』と比べると、衛星にまつわるトラブルとその対処のドラマは、淡々と描かれる。幾度も訪れる危機と、それを解決して乗り越えるドラマは、もっとドラマチックに描けたはずだが、それをしない。そのかわり、というか何というか、運用スタッフのドラマで見せる。特に、彼らの親子の物語がイイ。山口先生と父親。工場のおっちゃんと女性記者、さらにその子供。JAXAの催し物で遊ぶ子供たちなどを見ていると、これは「次に繋げる物語」なのだと思える。 はやぶさが、のぞみから繋がれて、はやぶさ2へ続くように。
[DVD(邦画)] 7点(2012-08-13 23:45:22)
18.  バッド・ガールズ(1994) 《ネタバレ》 
 いいなあ。女だけの無法者集団。昔から、ガールズバンドが好きだった。美しくて、カワイくて実力がある連中だったから。 男とはちょっと違う論理で動く、そのサウンド、その行動原理、その生き方。そして、強い!彼女らは、西部開拓時代の『プリプリ』だ。(古い?)   えー、実際、あの取引なら最初から、ガトリングガンに何か細工するでしょ、とか思う自分は、かなり卑怯なのか?最後のコーディとキッドの撃ち合いの場面で、弾切れを信じてなかった上に、銃弾を拾うところで「撃て!」と思った自分は、彼女らには好かれないだろうな、と落ち込みました。 
[地上波(吹替)] 8点(2012-06-22 02:59:26)
19.  遥かなる山の呼び声 《ネタバレ》 
「いつまでいられるんですか?」 「奥さん次第です。」 「武志が喜ぶわ。」 直接、自分の気持を表さない奥ゆかしさに、でも二人の気持ちが理解できる、見事な"表現"というものだと思う。  最後の列車内のシーン、護送される健さんの隣に座って、わざとらしい小芝居を演じて、「待っている」ことを知らせるシーンは泣かせる。あそこで演者自身が泣くところが「松竹的」で、ちょっとどうかとも思われるが、直前の窓の外でのやり取りを見ていたはずの刑事たちが、知らん顔を決め込むのもイイ。昔の人の「情」を感じる。そしてついに、その建前というか(あくまで隣席の世間話という)体裁をかなぐり捨てて、ハンカチを渡すという部分で、感動は頂点。ひょっとしてハンカチ、黄色いんじゃないか?なんて考えちゃった自分は、ちょっと下衆で恥ずかしいが、これこそ、黄色いハンカチ(リボン)で意味が通るのだが。 …ですので、個人的には、この最後のシーンのために、そこまでの"タメ"として、途中で描かれる「行かないで」の部分は、無かったほうがいいとも思う。
[DVD(邦画)] 7点(2012-04-15 09:20:33)(良:2票)
20.  はやぶさ/HAYABUSA 《ネタバレ》 
 未だに拙いが、昔から写真を趣味として撮っていた者として「写真とは結局は被写体力だ」と、最近よく思う。どんなに上手に撮られた美女や絶景でも、愛する子や孫の写真にはかなわない。そういう意味では、この映画、被写体(題材)が良かった。7年もの間、四苦八苦しながら制御し続け、世界初の使命を果たした自国の宇宙探査機の物語に、嫌な気持ちが起ころうはずがない。  実際、高島兄の役だけ"技術者は変人"的なステレオタイプで、ちょっと見てられない感じのキャラクタ作りになっている以外は、概ね良かった。殊に、はやぶさの一人称形式の語りは、この物語、ミッション全体への感情移入をより促していて、「帰ってきた!」という感動を盛り上げる。  そして、帰ってきた時のニュースでしか知らなかった、フツーの人である自分には、スイング・バイや、エンジン、日本の宇宙開発の歴史、姿勢安定などの説明は、とても興味深くありがたかった。さらに、ロケットは重さとの勝負、のようなことは聞いたことがあるが、ダイオード一本の重さの攻防が、最後の「こんな事もあろうかと・・・」という、大逆転の伏線になっているのも、うれしいヤラれ方だった。(ちなみに宇宙技術者が、このセリフで一発逆転するのは、何とも嬉しい「ヤマト世代」である。)  この後、2本の同題材の作品が控えている。楽しみである 【原作を読んで追記】  はやぶさの一人称の語りは、原作譲りだったと知った。なるほど、最後までそれで通した原作の最後の、「みんな、ただいま」には泣かされた。人間側を描きたい映画としては、そこんとこ、通せなかったか……。
[DVD(邦画)] 7点(2012-03-10 17:56:21)
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