1. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 極限の状態時代に生きた、空想好きな少女の現実逃避をファンタジックに映像化したと解しても、すごくやるせない悲しい映画。上映の予告編では「ブラック・ファンタジー」とか銘打っていたけど「ブラック」ではなくて「ミゼリー(悲しみ)」や「トラジティー(悲劇)」であると思う。また、現実にフランコ政権の時には殺戮を繰り返していたのだから「ファンタジー」というよりも「ファクト」「ヒストリー」とするべきだろう。それほど、最後の主人公が血に染まって死んでいくシーンは、大尉は当然だろうが主人公の母にさえ憎しみを感じてしまうほど、悲しく切なすぎる。これから観る人も、単にファンタジックなものを期待しているのならその見込み違いに大いに後悔するだろうし、それほど観終わった後が重たい作品だった。未だに女性のハミングする歌声が頭から離れない。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-24 21:40:48) |