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1.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 
極めて個人的な事情を抱えた主人公がヒーローとなり、細かい理屈は抜きでド派手な映像で一気に見せる、というまさにアメリカンな展開の地球危機物。 細かいところを突っ込まずにただ楽しむにはうってつけ。 自衛隊、浅野忠信の存在感が高い演出だったのも日本人にとっては好印象。 細かいツッコミは置いといて、全体のストーリーは破綻なく、クライマックスに持っていくのは娯楽映画として非常に見やすいんだが、最初のところで若干ダレた。 もう少し早くに宇宙からの飛来物の存在を何らかの手段で暗示しておいたほうが、もっと入り込みやすかったかも。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-05-11 14:47:42)(良:1票)
2.  母(1963) 《ネタバレ》 
芸術的な画面展開、カット、セリフ回しで、すごく感性に訴えかける映画である。動物的な本能である母性が、恵まれない境遇という設定の中で泥臭く、ギラギラと表現されており、オープニングの岡本太郎の「母」という題字からすでに見るものを感性の世界に引きずり込んでいく。「娯楽」の要素は殆ど排除されており、笑いがないのはもちろん、ホッとさせたり強引に涙を誘う演出も一切無く、全編映像で感性に訴える構成となっている。好き嫌いが極端に別れると思われ、他人に安易に勧めるわけにはいかない。でも、こんな映画をたまに見るのもいいものだと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-14 21:59:44)
3.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 《ネタバレ》 
 シリーズ3作目であるにもかかわらず、単独作品としてみても娯楽映画としての質は非常に高く、さらに前2作の内容を見事に伏線として利用して誰しもが納得するシリーズの完結となっているところが素晴しい。   また、アメリカ映画になくてはならない開拓時代という背景が前2作にない非常にいい雰囲気をかもし出しており、その中に、じゃまにならず、かといってしっかりと本筋を外さずにSFを混ぜ込んでいるところが絶妙である。   単独作品としての映画全体の雰囲気は、シリーズ3作で最も好ほんとに見事としか言いようがない。   そして、単独作品としては言うに及ばず、シリーズ物としても、これほど完成度の高い娯楽作品は、もう2度と現れないんじゃなかろうか。   とにかく、見たことのない人(映画ファンではかなり少ないだろうが)がいたら、首に縄をつけて無理やり見せても、絶対文句を言われない映画だと思う。そしてその人は、必ずシリーズ3作全部見るだろう。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2011-07-17 02:36:10)(良:1票)
4.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 《ネタバレ》 
 シリーズ2作目はコケることが多い中、2作目も完成度の非常に高い娯楽作品となっている。   この作品のみで完結したラストさえあればさらに完璧だったのだが、3作目ありきで作られたラストのせいで、作品単独で見ると評価は低くならざるを得ない。   しかし、ラスト以外は1作目に劣らぬ出来であり、評価もマイナス1点だけ。 単独作品としても、シリーズ物の第2話としても、どちらも非常完成度の高い娯楽作品であることは間違いない。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-07-17 02:24:26)
5.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 《ネタバレ》 
 CSやBSで放送があるたびに見てしまう。多分トータルでは20回以上観てる気がする。   シナリオ、ストーリー展開、場面構成、役者の演技、音楽すべてが見事に一体となって、ここまでワクワク、ハラハラ、ドキドキしながら楽しめる映画は他にはない。   娯楽映画としてあまりにも完璧で、うんちくを語る必要は全く無く、誰に聞かれてもとにかく見て楽しんでくださいで充分な映画。   制作からすでに25年以上経つのに、この映画に匹敵する娯楽映画はシリーズ3作目以外には思いつかない。  いつまでも色褪せない不朽の名作だと思う。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2011-07-17 02:12:40)
6.  春との旅 《ネタバレ》 
 泣かせてやるぞ見え見えの脚本に、まんまと載せられて泣いてしまった。   じいちゃん、わがままに生きてウマが合わない兄妹もいて、全然バラバラなのに、どこかでお互い思いやってる部分がにじみ出ていて、老後の不安を背景にしつつどこか一縷の望みを与えてくれている。   最後の方は、春ちゃんの旅になってしまってじいちゃんがなんかいい人っぽくなってしまい、唐突感も否めないし、わざとらしいお涙ちょうだいストーリーなのだが、すでに、それまでに、じいちゃんと春ちゃんに感情移入が完了しているので、しっかり感動してしまった。   映画の尺の中で、あまりエピソードを詰め込まず、画面がゆっくりと流れているのも、感情移入と波長があっていた感じ。   ラストシーンは、ありきたりすぎてちょっと頂けないかな。   じいちゃんと柄本明との喧嘩のシーンは、すごく愛情が感じられる演出だったから、ラストもそんな感じで、今後のじいちゃんと春ちゃんのまた喧嘩ばかりの厳しい日常生活を描くだけでも、なんとなく温かいみたいな感じで締まったと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-05-21 17:59:41)
7.  白痴(1951)
 ドストエフスキーの原作が、重い、奥深いのは充分わかったが、私の見たい「映画」ではなかった。   小説は、作者の信条、心理、訴えたいことを、読む側が文章から深く読み取り、噛み砕き、自分の感性と対比させて吸い取ることで成り立つ、すなわち読者が積極的に理解するものであるのに対して、映画は、監督が見せたい物を映像と音を使って観る側に送り込むことで成り立つ、すなわち観客が受動的に感性で受け入れるものであると思って、私自身それぞれ楽しんでいる。   監督は、この重い、深いテーマを、映像、役者の演技を使って見せたかったのだろうが、「映画」を楽しみたいのに、監督の映像、役者の演技が凄い分、原作の重いテーマを無理やり押し込まれた感じで、小説を解説付きで読まされた感が拭えない。   テーマがもう少し単純で明快な小説だったら、映画として監督の押し付けがあっても、小説が単なる原案で、それを監督が「映画」としてオリジナルの作品を作ったという形態となって、違和感はなかったかもしれない。   しかし、この作品のテーマはあまりに重く、深すぎた。重い、深いことが充分に伝わる監督の映画的手腕、役者の演技が凄い故に、原作のテーマの重さ、深さを無理に映像で送り込まれるような違和感を感じてしまう。   文学作品としては、きっとすごい映画なのだろうが、「映画」そのものを楽しみたい私には、この映画は辛い。
[DVD(邦画)] 4点(2010-11-28 01:12:14)
8.  パルプ・フィクション 《ネタバレ》 
 ブッ飛んだ無茶苦茶な設定と意味ありそうで無い会話とバイオレンスの組み合わせに着いて行けるかどうかが分かれ目で、風邪気味でだるい時に見る映画じゃなかった(^^;    英語が判らないから吹き替えで見たけど、日本人の感覚じゃないからなんとなく違和感、でもあの情報量は字幕じゃ出せないだろうし、そのへんも消化不良な感じ。    ジョン・トラヴォルタが軽妙で凄くいいなあと思ったのは、ちょっと前にサタディナイトフィーバーを見たせいかな。エピソードとしてはブルース・ウィリスのエピソードが、ちょっと他から浮いていたけど一番良かった。彼女への気遣いやボスを助けるとこなんか浪花節っぽくてオマケに日本刀を選ぶところなんかが気に入ったのは日本人だからか(^^;    ストーリ展開も見せ方もうまく作ってあるとは思うのだが、体調よくないと乗り切れずに疲れる映画に感じてしまうことは確かで もっと気分がハイなときに見るべきだった。 
[DVD(吹替)] 5点(2010-07-01 01:59:49)
9.  パルコフィクション 《ネタバレ》 
 タランティーノのパルプ・フィクションと間違わないように、ていうか、明らかに題名ぱくってるだろ、これ(笑    題名からも判るとおり、おばか系の映画である。何かを表現したいのではなく、観客を楽しませたいあっと言わせたいということに徹していて、そのセンスもなかなかのもの。    ありえない設定、とんでもない展開、意味不明なストーリーが笑いと不思議感をしっかり捕まえてくれる。「ひみつの花園」の不条理でハチャメチャなところだけを突き詰めた感じ。    「ウォーターボーイズ」、「スイングガールズ」、「ハッピーフライト」の路線のほうが多分一般には受けて興行成績も上がるから、矢口史靖監督はそちらに力入れざるを得ないのだろうが、こっちの路線のほうが絶対やりたいんだろうと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2010-07-01 01:55:26)
10.  幕末太陽傳 《ネタバレ》 
50年以上前の映画だが、落語のストーリーからの脚本で時代劇ということで、白黒であるという点を除けば古さをあまり感じず、なかなかよく出来たコメディである。   フランキー堺が素晴らしい演技力で軽妙なのに内面をしっかり表現しており、石原裕次郎や小林旭を脇役に据えるという彼らをスターとして推したい時期なのにありえない配役だが、人気や映画会社の都合で主役を選ばなかった事が、この映画の出来の良さにつながっている。   日本映画もやるときはやるじゃん。 
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-01 01:36:20)
11.  ハッピーフライト(2008)
面白い。  機内、地上のそれぞれの職場の仕事をリアルに理解した上で、デフォルメしたキャラや状況をうまく当てはめており、コメディだからといって手抜きをしない説得力を持った展開で繰り広げられている。  同じストーリーで、コミカルなシーンを深刻なシーンに入れ替えるだけで、パニック映画にもサスペンスにもなりそうなくらい良く出来たしっかりしたシナリオとディティールのこだわりに好感が持てる。  リアリティと映画的演出のバランスが絶妙で、深刻系、感動系の映画だとややもするとオーバーアクションで臭くなりそうなデフォルメした映画的演出も、コメディー系の映画であるが故にむしろプラスに作用しており、大成功。
[DVD(邦画)] 7点(2009-12-30 14:13:06)
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