1. バビロン(2022)
《ネタバレ》 かなり見応えのある、大人向けドラマ。 微妙に絡み合う3つのストーリーが進行するが、その「絡み」が本当に微妙すぎて、あまり効果があったような気がしません。 ブラッド・ピットのパートは、彼の好演技もあって嫌いではないですが、この人いなくても映画は成立するよね。 マヌエルがネリーに告白したシーンはなかなか泣けたので、そのままハッピーエンドでもよかったのに。 最後のいろんな映画の名場面挿入シーンは、主人公の心象風景ではないので、ちょっと蛇足感ありでした。雨に唄えば、だけで十分なのに。 [映画館(字幕)] 6点(2023-02-23 19:15:15) |
2. バズ・ライトイヤー
《ネタバレ》 あー、結局劇中ではStarmanは使わないんだー。 予告で使われていたこの曲に、だいぶつられてしまっていたのですが、残念でした。 本作は、主人公たちが何かをしようとするたびに、何らかのアクシデントがかならず発生してうまくいかず、トラブルを回避するためのドタバタがずっと続いている感じで、落ち着きません。 「無限の彼方へ・・・」のセリフも、単にバズと相棒との間のただの合言葉に成り下がっていて、キーワードとして機能はしていません。このセリフが示唆するようなロマンが全く足りない映画になってました。 [映画館(吹替)] 4点(2022-07-10 14:12:49) |
3. ハウス・オブ・グッチ
《ネタバレ》 おそらく公開日の延期があったのだろうが、この巨匠の新作が矢継ぎ早にみられることは幸せなことです。イーストウッドがさすがに老齢による衰えを見せる一方、リドリー・スコットの映画にはまだパワーがみなぎっていますね。 今作も、豪華な俳優陣が(イタリア語なまりの英語という変な感じはあるけれど)圧巻の演技を見せる、重厚なドラマとなっています。The Counselorの時と同じように、ストーリー上の大事な事項(株券の無記名の件や、パオロ排除のくだりなど)をあまりはっきりと描かないので、すこーしわかりにくい部分はあって、このあたりはちゃんと説明してくれたほうがよかったのではないかな?と思いました。 レディー・ガガの演技は特によかったと思います。アカデミー賞とるのではないかな?上にも書いたように、イタリア語なまりの英語の演技というものをアメリカ人が変だと感じないのであればですが。 【アカデミー賞ノミネートを見て追記】レディー・ガガどころか、誰一人ノミネートすらされませんでしたね。やっぱり外国語なまりの英語なんてのは、アメリカ人にとっても妙な感じだったということでしょうか。 [映画館(字幕)] 8点(2022-02-06 16:23:00) |
4. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 まさにこれがアカデミー賞の宣伝効果ってやつで、過去に韓流ドラマ等に全く興味なく、韓国映画も1本も見たことのない小生。カンヌとのダブルクラウンがなければ、間違いなくスルーのはずの本作でしたが、2000円弱払って観てきましたよ。 でもね。うーん。1917はこれに負けたのか―、って感じの内容でした。 感動した?・・・No 内容に衝撃を受けた?・・・それほどでも。むしろ最後の展開は無理があると感じちゃった。 笑えた?・・・ちょっとはね。でも、大半は北朝鮮がらみネタで。 って感じで。 主人公家族より、むしろ富豪の奥さんと娘さんに感情移入しちゃって、気の毒でした。 前述のとおり、韓国映画に関する知識が全くないので、何かシンボリックなものを見逃してる可能性はありますが。 [映画館(字幕)] 5点(2020-02-24 17:34:42) |
5. バンブルビー
いやー参った。予告編を見たときはそうでもなかったのだけど、主人公の女の子がかわいくてかわいくて。(従って甘目の点数) バンブルビー相手じゃほとんど一人芝居だったのだろうけど、大変演技も上手く、いくつかのシーンですっかり泣かされてしまった。 楽しみな若手の女優さんが出てきたもんだな、と思ったら、なんと!トゥルー・グリッドの女の子だったのか! なるほど、演技が達者なわけですな。 [映画館(字幕)] 7点(2019-04-06 17:29:50) |
6. 運び屋
《ネタバレ》 うーん、思った以上に小ぢんまりした作品でした。 せっかく、イリノイ、ニューメキシコ等(テキサスもあった?)広い範囲を舞台とした物語なのに、たぶんいつものようにちゃっちゃと撮影してしまったのでしょう、地域性や季節感が全くと言ってよいほど感じられなかったのが、残念。 ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーンなど、豪華な配役の捜査陣も、やたらと登場するくせに、物語の核心に一歩も近づかないのもどうなのよって感じだし。 重要な脇役っぽく出てきたメキシコ人とフィリピン人も、最後はフェードアウトしてしまうし。 なんか、せっかく御大自ら出演したというのに、作りが珍しく雑でした。 なによりも、いくらなんでも改心するのが遅すぎでしょ。 [映画館(字幕)] 5点(2019-03-09 01:14:20) |
7. ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
《ネタバレ》 ハン・ソロっていうキャラクターは、元来ごりごりの利己主義の塊であり、でも実はちょっとだけ(「だけ」ね!ここが大事)お人好しなところがある。レイアに惚れてしまったこともあって、心ならずも反乱軍に協力する立場になってしまった、というところに最大の魅力があるのでしょう。だから、EP4の最後にルークを助けに来るシーンで、皆が「なんと!彼が来てくれた!」と喜べたのでしょ。 なので、本スピンオフで語られるところの、実は元々好い人でしたよん、というのは違和感ありまくりです。 [映画館(字幕)] 5点(2018-07-16 20:00:03)(良:1票) |
8. バリー・シール/アメリカをはめた男
《ネタバレ》 主人公バリー・シールは、どう見たって中南米の麻薬マフィアと同じレベルの悪党か、あるいはCIAの立場を利用しての悪事を働くような男なので、それ以上の卑劣漢です。やっていることも麻薬の密輸であり、どの角度から見ても、ヒーローどころか、アンチヒーローですらない。そんな人物に、トム・クルーズをキャスティングしてしまったのは完全に失敗と思います。もっと悪役が似合う役者であるべきでした。 「アメリカをはめた男」の副題は日本で勝手につけたものでしょうが、映画の内容とはあってませんね。だまされました。立場を利用して私腹を肥やした男が、相応の最後を迎えた、という全く爽快感のないストーリーです。 あと、ドキュメンタリータッチを志向したのか、始終カメラがぶれまくるのもあまり好感できません。 [映画館(字幕)] 5点(2017-10-21 17:31:53) |
9. ハクソー・リッジ
《ネタバレ》 この映画は実話である、ということで、結局あらゆる感想・批判が出来ないことが最大の難点になっちゃいます。 主人公の故郷での描写が、冒頭の兄弟喧嘩のエピソードと、奥さんにかかわることを除くと殆ど描かれないので、彼が頑としてライフルに触れない理由というものにそこまで感情移入ができず、それでもなおかつボランティアであることにも納得がいかないのです。後でとってつけたような説明が出てきますが。でも、実際にそういう人がいたんですとなると、「そうですか」というしかなく、何の反論もできず。 だめ押しで、最後のご本人登場です。ひたすら彼を称賛する映画なのですかね?これ。それならわざわざリアリティたっぷりの劇映画にする必要があったのかな?ちょっとピンとこない。 日本軍敗北時の腹切りのシーンは全く要りません。映画のバランスを悪くしてました。 [映画館(字幕)] 5点(2017-07-25 01:14:00)(良:1票) |
10. パッセンジャー(2016)
《ネタバレ》 ストーリーの中心は、恒星間宇宙船内における孤立無援の状態でのサバイバルと、ハードSFっぽい設定なのですが、細かいところの設定がどうにもぬるくて、残念な感じでした。おまけに、ラストはほとんどおとぎ話になってしまいました。 私が脚本家であれば、宇宙船の修理後、オーロラには無理やり睡眠薬を飲ませるでも何でもして、コールドスリープに入れさせるという風にしますけどね。そうして、80数年後に目覚めたオーロラが、他のパッセンジャーズに、知られざる英雄譚を語るという・・・どうですかね、こういうの? [映画館(字幕)] 5点(2017-03-25 22:30:18)(良:1票) |
11. ハドソン川の奇跡
《ネタバレ》 さすがのイーストウッド。安定した面白さの佳作でした。 この事件のその後の顛末は知らなかったので、主人公がどうも怪しげなサイドビジネスをしているとか、最初の墜落シーンでの唐突な着水判断とかに、私は見事にだまされて、機長を疑いの目で観てしまい、しっかりサスペンスとしても楽しんでしまった。 乗客に関するエピソードや、船・ヘリの救援隊のエピソードなど、話を膨らまそうとすればいくらでもできそうなのに、それらはあくまで肉付け程度にしか扱わず、とことん機長個人にだけ焦点を合わせていく。画面にトム・ハンクスが出ていない時間が果たしてどれくらいあったか?というくらい。無駄を削ぎ落としたといえばそうなのですが、個人的にはすこし物足りなさを感じてしまった。 せっかくコパイロットのアーロン・エッカートが良い味を出してたので、彼にももう少し活躍してほしかったところですが。 [映画館(字幕)] 7点(2016-10-15 00:48:41) |
12. バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生
《ネタバレ》 思いっきりネタばれしてますので、未見の方は読まないほうがよいです。 スーパーマンが死んだと見せかけて、結局生きていましたと思わせるあのラストシーンは、「そりゃそうなるでしょ」と思いながら見てはいたんですが、それでもずるいです。ただでさえ長い上映時間の最後の10分くらいは、あの悲壮感があってこそのシーンの連続であって、それらが全て無意味になるなんて、おかしいでしょ。ここだけで-2点。 スーパーマンの葬式。「S」のマークのついた棺の上で、折りたたまれる星条旗のシーンは、世界の警察・リーダーを自認できなくなったアメリカの死を象徴するものと理解して、ついにここまで病んでしまったのかという思いを強くしました。まるで敗戦国の心理です。スーパーヒーロー、特にスーパーマンが死ぬという設定はタブーに属すると思いますが、それでもそういうストーリーで貫いてくれたのであれば、そこには製作者の「善意の神などいない」という意図を強烈に感じとることは出来たので、あのラストシーンは無いほうが私のこの映画の評価は高くなります。 かといって、アメコミタイトルでこんなストーリーでよいのかどうかは別です。1970年代のスーパーマンを観た子供たちはハリウッド映画に夢中になりました。今の子供たちがこの映画を見て喜べる(or楽しめる)だろうか?昨今、大人の鑑賞に堪えうるアメコミもの、というのが追求されてきて私も確かにそれを楽しんできましたが、本作ではついに、大人の観客しか相手にしないアメコミものになってしまった感があります。そろそろこの分野を子供に返すべき時がきたと思います。 [映画館(字幕)] 5点(2016-04-06 00:37:30) |
13. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
《ネタバレ》 マイケル・キートンが、落ちぶれたかつてのスーパーヒーロー(役の人)を演じているというキャスティングそのものがコメディだし、彼が飛行機で乗り合わせた(確か)ジョージ・クルーニーをうらやましがるところや、パンツ姿で往来を歩く羽目になるあたりなど、たぶん米国の劇場では大爆笑のシーンなのでしょう。でも、日本の劇場では誰も笑っていませんでした。映画の背景全く調べていませんが、これはNYのスタジオ製作の映画でよいのでしょうかね?それでいて、ブロードウェイの舞台の文化と比較して、ハリウッドの映画文化を思いっきり貶める内容等も、おそらく情報通にとってはずいぶん奥の深い映画なのでしょうが、それほどマニアックではない私では、半分ほどしか楽しめなかった気がします。ということで、この点数です。どうも、私はこの監督さんの映画は苦手です。 [映画館(字幕)] 5点(2015-04-16 00:24:42) |
14. パシフィック・リム
《ネタバレ》 ほとんど奇跡のような映像体験。怪獣にぶっ壊される街を、まるで自分がその只中にいるように感じさせてくれます。映画館で見てよかった。また、映像のすごさだけでなく、この映画から感じるものは、「さあ、楽しんでいってくれ」と言わんばかりの製作者の圧倒的な情熱でした。分野は違うけど「死霊のはらわた」とか、ジャッキー・チェンの全盛期の映画から感じたものと同じやつです。 ストーリーですか?まあ、変な博士やマフィアみたいな人が出てきてぐだぐだ感もありますが、いいじゃないですか。怪獣映画ですもん。 [映画館(字幕)] 9点(2013-08-27 06:47:59) |
15. バットマン ビギンズ
《ネタバレ》 続編とはちょっと雰囲気が異なり、まだアメコミヒーローものとしての荒唐無稽な設定が多く残っているノーラン版バットマン第一作。強く印象に残ったのは、これまで以上に怖いバットマンの表情と、恐ろしい声。旧作でも蝙蝠をモチーフとするのは悪人に恐怖を与えるためとしながらも、演じる俳優の持つ雰囲気がどうしても反映されてしまってそこまでではなかったが、本作はちゃんと恐ろしさが出ていた。次回作への期待を十分に持たせてくれた力作。(そして実際、十二分に答えてくれた) [映画館(字幕)] 8点(2013-08-13 13:05:12) |