1. 鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星
《ネタバレ》 『鋼の錬金術師』は長編ストーリーで、エルリック兄弟が(失った)体を取り戻すために足掻く物語である。この映画の舞台はエルリック兄弟と無関係の土地だし、主役はエルリック兄弟と無関係の兄妹である。つまり、いつも主役の兄弟は脇役で、彼らが少しの間かかわった物語。 ということは、兄妹に魅力が必要なわけだが、私には魅力が感じられなかった。だから当然、面白くなかった。しかし作画は好みなので、それなりの評価をしたい。 ハッキリ言って、原作のファンに不要の映画だろう。私はそう考えている。 [DVD(邦画)] 6点(2019-01-06 02:14:54) |
2. 花とアリス殺人事件
《ネタバレ》 大きな盛り上がりもなく進行するが、楽しい映画だった。 それは、進行役のアリスの明るい性格によるところが大きいと思う。 ではあらすじを。 引きこもりの女子が、新しい友人に助けられてトラウマを乗り越えた。 つまり主人公は花の方で、明るいアリスは花の相棒。 ところで、花には友人が一人もいなかったのだろうか。そこが疑問。地元民の設定なのに。 やっぱり背景がキレイだったし、キャラの絵も好みだった。丁寧な作画で、安心して観ることができた。 またいつか観たい映画。 [DVD(邦画)] 8点(2017-12-26 01:16:29) |
3. バタリアン
《ネタバレ》 内容はいたってシンプル。死体処理施設に長年保管されてたゾンビが復活して、暴れるんで仕方なく焼いたら(煙がひろがって)ゾンビが増殖して大変なことになっりましたよって話。隣が墓地なんですね。「なんでゾンビがいるの?」ってことだけど、軍の極秘兵器なんですね。だから、紛失したゾンビカプセルの情報をひたすら待つ軍人もいて。構造的にとてもよく出来てます。 キャラ的にみると、施設の社長がでかけ、ベテランのおやじと新人の若い男の二人きりになって、おやじがよせばいいのに新人にゾンビを見せます。そしたら、カプセルからガスが「プシューッ」ですよ。 教訓。まったり人生を望むなら、危ないものに手を出すな。 ってたぶん、作った側に教訓なんてないはずですが。 [ビデオ(字幕)] 8点(2017-04-15 16:04:14) |
4. ハッピーフライト(2008)
《ネタバレ》 二人の新人が主人公(パイロットとCA)。 国際便の大型機が出発するが、元の空港に戻ることになる。 その間の、スタッフと客の物語。スタッフは機内だけじゃなく空港にも大勢いる。 さて、コメディ映画である。 有り得ないことが多いのだろうが、楽しいコメディ映画だから、この映画を観ると楽しくなる。 シリアスを追求すれば、ドラマ性が高くなったのかもしれないが、この映画はそのタイプじゃあない。 いろんな人たちに、それぞれ事情があって、みな自分の人生では主人公。それが分かって面白い。 そういえば悪人が一人もいない。つまりこの映画は、ウソを楽しむ映画なのだろう。 世の中には飛行機マニアが大勢いるが、たぶん全員が観たんじゃないだろうか? [地上波(邦画)] 8点(2017-03-23 21:40:55) |
5. ハロルドとモード 少年は虹を渡る
《ネタバレ》 良い映画。 ではあらすじ。 自殺願望が強い若い男性が、奔放な老女と出会って恋をした。 主人公の自殺ごっこは、誰かに観てもらって初めて成立するもので、本当に自殺したいわけじゃない。 つまり他者に自殺ごっこを見せ、その反応が楽しいのである。 それができるのも、主人公がとても裕福な家庭にいるから。 老女は、とにかく盗む。他人のクルマ、木、スコップ。他者の都合は全く考えない。 その意味で、このカップルはよく似ている。 もし身近にいたら、大迷惑なババア。説教するし、ものすごく不愉快だろう。 老女が逮捕されないのは、ファンタジーだから。 この映画は、最初から最後までファンタジー映画である。 こんな素敵なカップルは現実にはいない。 ルール違反を突然やられたら、迷惑だし不愉快だろう。白バイ警官の態度が現実である。 とても不愉快なカップルだが、二人が主人公で、行動の理由を知っているので笑って観ていられる。 (現実じゃなく)映画なのだから、それでいいのだ。 老女は、死に怯える酷い目にあった。 だから、人間社会と人間に絶望している。 「社会規範なんて糞食らえ」なのである。何も恐いものなし。 ところでDVDには予告が二本あり、どちらも映画本編にないシーンが多い。 不思議な予告だな、不思議な映画だな。監督と脚本家と音楽に興味が湧いている。 とりあえず、『チャンス』を観直したい。 さて、最初にいい映画と書いたのは、他に似た映画がないから。 そーゆー映画には10点をつけることにしている。だから10点! [DVD(字幕)] 10点(2016-12-25 01:25:36) |
6. バケモノの子
《ネタバレ》 父と息子、息子と父親の映画。 では、あらすじを。 両親のいない小学男子が家出して、異界の強いおっさんの弟子になり、父子関係ができた。 脚本を書くのは難しい。 長編映画の脚本なんて、才能がない人が書いちゃダメだ。 でも細田監督は、オリジナル脚本を書きたいらしい。 その時点で、自分を客観視できない人だと分かる。 的確な判断ができないのは監督としてダメだよ。 何よりダメなのは、一人も魅力的なキャラがいないこと。だからドラマが全くない。こんな退屈な映画がヒットするなんて、明らかにおかしいよ。魅力的なキャラなら、フィギュアが欲しくなる。だけど、このアニメ映画でフィギュアが作られてヒットしたか。『ラピュタ』のフィギュア、『999』のフィギュア、『銀河鉄道の夜』のフィギュアなら需要があるだろうが、このアニメ映画のフィギュアに需要はあるか? 冒頭から、わざとらしくセリフで説明してばかりだが、長々と説明するシーンが何度もあった。もし脚本の学校の指導官が読んだら、「不合格!」の赤い印を押される、間違いなく。 細田監督の作るビジュアルは好みだが、それはもしかしたら、いつもの相棒のレイアウトマンだけのチカラなのかも(コンテの絵は重要だけど)。 それにしても、これが日本のトップのアニメ映画なのか。 後半、突然に闇に支配された人物が登場。設定としての伏線は確かにあったが、伏線として機能していない。もうムチャクチャだよ。子供と父親だけに焦点をしぼるなら分かるけど、人間の闇や恋愛や、人間社会の進学とか、余計な部品が多過ぎる。 熊鉄(?)のキャラにも、キュータにも全く魅力がない。どんな人物かまったく分からなかった。 なんて退屈な映画なんだろう。 ジョーズ、エイリアン、チャンプ、ロッキーなどの映画に比べたら、この『バケモノ』は世の中になくてもいい映画。 だからゼロ点を差し上げる。 [DVD(邦画)] 0点(2016-12-15 05:57:13) |
7. ハード・ウェイ(1991)
オーストラリアに行ったとき、ホテルのテレビで初めて観ました。英語は苦手だから、よくわからなかったけど、知ってる役者二人が主役なので、楽しみましたね。もう、25年も前の話です。●ちなみにテレビ(字幕)を選んでいますが、実際はテレビ(原語)です。テレビ(原語)が無くて選べないもので。 [地上波(字幕)] 7点(2015-12-18 04:29:19) |
8. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 主人公は十代の少女。 戦時中、大人の世界に触れる。ナチの将校が、母親の結婚相手だったと思う。 そんな中、少女は「お姫様」の夢を見る。それが真実かどうかは不明(冷静に考えるなら虚構)。 監督さんで選んでレンタル。鑑賞して満足した(旧作なので百円)。 他の映画に似ていない。それが判断基準。だから7点は最低限。 ★で、8点を差し上げたい! [DVD(字幕)] 8点(2015-11-19 19:18:58) |
9. ハウルの動く城
《ネタバレ》 全体的な感想は、映像に見応えがあるから、それなりに満足できた。 でも、話がわかんない。 「ストーリーなんかどうでもいい」と宮崎監督が発言したと書いてる人がいるようだが、鈴木プロデューサーもそんな代弁をしていた記憶がある。それなら長編作りはやめて短編ばかり作ればいいのかもしれない。だが、引退記者会見をなかったことにして平気な(現在の)宮崎駿監督にとって、「作品や自分の発言」が世間からどう思われようと無関心なのだろう。必要なのは、自分自身が納得できるかどうかだけで。 さて続きだが(笑)、話だけでなくキャラもわかんない。 主役のソフィーの思考が支離滅裂。 映画の冒頭で、19歳の女性「ソフィー」が、荒地の魔女の気まぐれで、老婆になる呪いをかけられる(設定では90歳の老婆に!)。だがソフィーは「ふふーん呪いね」って軽い反応だった。 「唖然⇒激怒⇒絶望」でしょう。 でも「老婆になっちゃった。じゃあ仕方ない、でかけましょ」って感じで、葛藤がない。 変だよ。まるで世間知らずの子供が書いた童話の世界。 その後、ハウルの城の中で「魔女にすごく怒るシーン」が確かにあったが、ソフィーの怒りは全く伝わらなかった。 映画後半で主役のソフィーは、呪いをかけた荒地の魔女と行動を共にし、愛を込めてキスまでする。 「大きな怒りはどこへ?」 納得できないが、私が変なのか。 他のキャラについても、よくわかんない。 登場順に書くと、案山子、炎、少年、ハウル。一人残らずソフィーを「すんなり」受け入れた印象。突然の老婆(90歳)の訪問を、この映画のように快く受け入れるものかな。ストーリーが最初にあって、話に合わせてキャラを動かしただけ。まるでダメ童話か、素人の脚本か? 映像に見応えがあるだけのアニメ映画。 「権力者が映画を作ると、こんな感じなるのかな?」と思った。 優秀なスタッフの無駄遣いだが、一回くらいテレビで観てもいいから「6点」。 [地上波(邦画)] 6点(2014-06-30 03:58:46) |