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1.  薔薇の名前 《ネタバレ》 
原作を先に読んだ。歴史的名著とされているが、私には書いてあることの30%くらいしか分からなかった。しかし、あの「薔薇の名前」を読んだ男なのだ私は、というささやかな達成感は隠し切れないのだった。 それは置いといて、映画の方はそうした衒学的と言うか要するに難しいところはかなり削って、端正なサスペンスに仕上げている。とにかく中世修道院を再現した美術が素晴らしい。その世界観に触れるだけでも一見の価値ありである。DVDの特典映像はむしろ白けてしまうので見ないほうがいいかも。それで、肝心なストーリーだが、笑い云々のところがよく分からなかった(結局分からないんじゃないか)が、審問から迷宮の終盤に至るまできちんと盛上げてくれるのは悪くない。ただ、あの大人向けのシーンは必要だったのか…私は大喜びだったが、喜ばない人も多いだろうし、映画全体から浮いている感は否めない。私は激しく大喜びだったけど。
[ビデオ(字幕)] 7点(2014-07-19 21:37:14)(良:1票)
2.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 
十分に練り込まれ、十分に面白い。しかし、もっと面白く出来なかったか?というのが罰当たりな感想だった。ではどうすれば面白くなるかと聞かれると答えに窮して愛想笑いして逃げるしかないのだが。 過去におけるあるポイントに戻ってやり直し、しかし思い通りにいかず、あちらを立てればこちらが立たずを繰り返し、最終的に根本的解決を図るという展開は悪くない。ひとつひとつの未来が極端すぎるようにも思うが、それは都合上やむを得ない。俳優陣もそのたびに太ったり痩せたり汚れたりと努力し、それなりの水準を保っている。 はっきり言ってしまうと、改変前の人生の時点で主人公はケイリーとの約束も忘れ、その存在すらほぼ忘れ学生生活を楽しんでいたわけで、それで突然心を入れ替えて永遠の純愛とか悲しい決断とか言われても白けてしまう。この発端のところで乗れなかったのが私の最大のミスだった。無念だ。 なお、後に別エンディングが公開されたが、撮るのはいいとして、発表する必要があるのかどうかは疑問に思う。見比べても本編の方が断然いい…文句言っておいてキッチリ見てしまう弱き存在だ。
[映画館(邦画)] 7点(2014-05-05 16:57:48)(良:2票)
3.  バック・トゥ・ザ・フューチャー
はるばるこの地球へと、宇宙人がやって来たとして、その宇宙人が非常に友好的で、「地球人類文化の理解を深めたいので、人類が愛する物語をひとつ勧めてくれないか」などと仰ってきた場合、この映画を推奨するのは悪くないアイディアだと思う。ここぞとばかりに難解で哲学的な映画…例えが出てこないが…を勧めて地球人類の高度な知性を思い知らせるという手もあるが、やはり娯楽作の方がその後の会話が盛り上がるはずだ。もしこれを見せて宇宙人が全くのノーリアクションであれば、相互理解にはかなりの時間が必要になると思われる。 この作品より優れた・感動的な・好きな・映画は幾つかあるだろうけれども、ほぼ全人類的普遍的に面白い映画として永遠に残る一本だ。確かに50年代に生きる人が突然ヴァン・ヘイレンを大音量で聞いたら、宇宙からのメッセージだと受け止めてしまうだろうな。そんな細部を楽しみつつ、独特の躍動感に溢れた世界を楽しもう。ソフトも持っているのにテレビで放送したらいちいちそれも見てしまう映画はあまりない。 
[地上波(吹替)] 10点(2014-05-05 16:14:04)
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