1. 緋色の街/スカーレット・ストリート
《ネタバレ》 ルノワールの「牝犬」のリメイクだそうで。 前半は人のいいおじさんから金を騙し取ろうとする若いカップルのやり取りなどはちょっとサスペンス風でもありコメディのようでもあり、しかし後半以降から一気に複雑になってきてどんどん面白くなってきました。 偽の作者に仕立てて絵画を売り捌いていたくだりや日頃から彼女に暴言暴力を振るっていたくだりが後半の殺人の証言のための伏線になっていたりして良かったですし、それで終わりではなく、ずっと頭の中に声が響いて死ぬことも許されないという業を背負う羽目になるラストは皮肉というか恐ろしかったです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-11-10 01:30:26) |
2. ヒート
《ネタバレ》 中盤の銃撃戦がフォーカスされがちですが、それ以外のストーリー、例えば現金輸送車強奪のシーンや貴金属強奪(未遂)のシーンなど、作戦立案から立案まで淡々と、しかしディティールにこだわって撮影しているので、そういった些細な部分もよくできていると思いますし、当人たちの会話も、よくある軽口を叩いて雰囲気で押し通すというよりはあくまでプロフェッショナルとしての最低限の会話や、任務以外のプライベートの会話の温度差などがよく表わせており、強盗中のやり取りがより緊張感あるものに感じられました。 リアリティにこだわったという割には「アサルトライフルの装弾数多くね?」とかあるのですが、そこは劇映画なのでご愛敬。実際軍人でもない限り遮蔽物に隠れた的を狙うのは至難の業なので、激しさ共々迫力満点でした(なんでそんなことお前が分かるかって言われそうですが実際に海外で軍人の知り合いに頼んでM4やAK-47を数百発撃たせてもらったことがあるからです) 長い作品ですが、会話劇やアクションシーンなどよく練られており。長さを感じない面白い作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-01-24 19:07:27) |
3. PMCザ・バンカー
《ネタバレ》 ちょっと未来の話。メリケンの大統領選挙のため北朝鮮最高指導者を拉致するが、実は裏では中国が糸を引いていて、、、 というように、ちょっと昨今の世界情勢とは違いながらも絶妙な塩梅の設定、しかしそこはまあ置いておいて、中立地帯の地下に造られた軍事施設での敵兵との攻防、そして脱出劇伴は、なかなかハラハラする展開で面白かったです。 仲間は全員助ける、というテイの話かと思いきや、任務中にやむを得ず仲間を切り捨てる展開もあるので、完全なヒロイズムという話ではないですが、状況に応じて任務を選ぶか、仲間を選ぶか、という非常に微妙な選択が多くてどうなるのか?という感じでしたし、戦闘シーンにしても、カメラワークが臨場感あるのはもちろん、移動カメラ?ボールカメラ?の視点で色々な角度から映し出す画面などはゲーム的ではありますが、視覚的にも面白かったです。 仲間は全滅ですが、射殺しるはずだった北朝鮮医師との交流や、パラシュートのくだりの伏線回収と臨場感などもあり、最後まで非常に楽しく見ることができました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-12-20 20:49:22) |
4. 美女と野獣(1946)
《ネタバレ》 他の人も指摘していますが、ベルの周りの(父親除く)連中のクズっぷりとそれに対比するような野獣の紳士っぷりが非常に印象的な作品。 コクトーの作品しては随分ストレートかな、という感じではありますが、舞台装置的な演出や野獣の造形はなかなか素晴らしく、他の「美女と野獣」関連作と比べてもファンタジックというより少しおどろおどろしさがある分個人的にこちらの方が好きです。 確かに、ベルが野獣に心惹かれる過程がちょっと不明瞭だったり、ジャン・マレー扮する王子が突如空を飛んだりと色々と「なんで?」と思うシーンもあるのですが、冒頭のテロップにもある通り、童心にかえって作品を楽しむ、という意味ではこれもありなのかな、という感じでした。 [DVD(字幕)] 7点(2021-09-23 16:02:45) |
5. ビッグ・バグズ・パニック
《ネタバレ》 まあ安いですよね、というかどうして虫が突然巨大化して襲ってくるのかとかそういう細かい設定は抜きにして、地味なスターシップ・トゥルーパーズ、または(わかる人にはこれで通じると思います)ゲームのTHE 地球防衛軍の安い版、といった感じです。 虫の動き、CGなども駆使していて、結構グロテスク。蜘蛛人間も出番は少ないけど結構グロテスク。 赤い血は流れないけど、吹き飛ぶ血飛沫なども決して少なくないので、虫嫌いの人には辛い内容かもしれません(笑) 最初から最後までハイテンションて進む、というよりは中盤あたりは会話劇が中心となり、ちょっとローテンション気味、そこで好き嫌いが分かれるかもしれませんが個人的にはあり。 最終局面でお父ちゃんがくだらないゲームに乗ってくれたのも、それまで息子のことを頑として肯定しなかった父親が最後の最後に(あんな頑固な父ちゃんじゃ平常時だったら絶対乗ってくれなそうな)くだらないゲームに乗ってくれたことで、一種の確執がなくなったのかな、という感じを受けたので、好きな演出でした。 そしてラスト、明確に映し出されないのでなんとも言えないのですが、蜘蛛化した父ちゃんが(あの爆発を生き抜いて)戻ってきたのかな、とか思ってしまいました。そのくらいのこと平然としそうな感じだったので笑 真剣に観ると、ちょっときつい部分があるかもしれませんが、肩の力を抜いて観る分にはとても面白い作品だと思います。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-09-22 17:32:39) |
6. ピンク・フラミンゴ
《ネタバレ》 超好き嫌いが分かれる映画。まあ僕はどちらかと言えば「嫌い」な方なんですが、ここまで下品を突き抜けた作品はそうそうないのと、ところどころにちょっとおしゃれというか、そんな感じを受けたのも事実。 ただこの作品は意図して「最低」を目指して作られているので、点数は0点以外あり得ないと思っています(笑) [DVD(字幕なし「原語」)] 0点(2021-09-07 01:27:29) |
7. P2
《ネタバレ》 クリスマスのビルに一緒に閉じ込められるのはテロリストではなくストーカー野郎、ということである意味ダイハードよりも嫌なクリスマス映画。 あんなことしでかしてあいつはその後も仕事続ける気だったの?とか、いやいやいくらなんでもあの広さを1人でカバーするの無理でしょ(笑)とか、色々と突っ込み所はありますけど、美人な主人公の薄手のドレス姿とストーカー野郎の絶妙なキモさとサイコパス加減であまり気になりませんでした。 ピンポイントですがゴア描写も結構キツめの物があるのでそう言った部分でも嬉しい限り。 せっかく警察来たのにあまりの無能ぶり(携帯落ちてんのに何故見落とすよ?)で呆れ返るとか、カメラ壊したのにあまりそれが役に立ってなかったりとか、惜しいなあと思う部分もあるのですが、それでも十分面白い作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-30 03:55:25)(良:1票) |
8. ヒルズ・ハブ・アイズ2
《ネタバレ》 前作からガラッと趣を変えて、今度は軍人が主人公。当然武器もそろっているはずなのですが、訓練ということで弾薬その他は必要最低限。 それなので、例えば「エイリアン2」のように壮絶な撃ち合い合戦、みたいなものを期待すると肩透かしを食らうのですが、限られた装備で生き抜くという点で考えれば今作も十分面白い作品でした。 結局あいつは味方なの?とか、気になる点はいくつかありますが、ゴア描写は前作同様結構すさまじいし、時間も短いので深く考えずに楽しむことができました。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-27 02:27:27) |
9. ヒルズ・ハブ・アイズ
《ネタバレ》 今ではすっかりおなじみになった設定、というより、あの悪名高い「サランドラ」のリメイク。 何が悪名高いかは各々で調べていただくとして(笑)、冒頭、ツルハシでの豪快な殺しっぷりでまず映画の世界委引き込まれ、その後少しトーンダウンはするものの、乾いた砂漠特有の雰囲気も相まって昼間なのに結構不気味。 そして後半、速攻で殺されそうな雰囲気を醸し出していた嫁父にいびられてる眼鏡父ちゃんが覚醒したあたりから加速的に面白くなっていきます。 さすが、「ハイテンション」で一世を風靡した監督だけありゴア描写は一級品。ミュータント、というか怪物の造形もなかなか。 冒頭の、時折挿入される奇形児の映像も改めて観返してみるとかなり不気味。 リメイク物の中でも成功した部類の作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-27 02:21:32) |
10. ピーターラビット
《ネタバレ》 やんちゃ、というか小憎らしい、というにはちょっと度が過ぎる気がするウサギたち。 確かにキャラはよく動くし、CGでできている動物たちはどれもよくできているし、スラップスティックコメディとしてもドタバタのノリで画面を見ているだけでも楽しい、のですが、どうしても観ていて愛着というか可愛らしさが微塵も感じられなかったのが個人的感想です。 死人が出てる、とか、アナフィラキシーを起こす、とか、不謹慎じゃね?と思う場面もあるのですが、そこはまあお国柄というか「ブラックだな〜」で済ませられるのですが、ピーターラビットはもちろんのこと、トーマスもビアも中途半端に魅力がなく全然感情移入できなかったのが個人的に残念でした。 終盤の「分り合い」からのくだりはまあ良かったですが、全体的にあんまり観ていて気分のいい作品ではありませんでした。 [地上波(吹替)] 5点(2021-06-26 03:31:50)(良:1票) |
11. ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
《ネタバレ》 「ウッドストック」やツェッペリンの「狂熱のライヴ」、ストーンズの「夜をぶっ飛ばせ」のようなものを想像してみるとかなり肩透かしを食らいます。 まあ、ストーリーはあってないようなもの、とにかくビートルズ全盛期の、そのアイドル的な人気を垣間見る、という点ではいいのかもしれません。 まあ、ある意味かなり神格化されてる作品だと思うので、面白い面白くないという点で語るのもナンセンスだとは思いますが、映画としてみた場合は、前半のストーリーの流れはイマイチ、後半、というかラストのライヴシーンは、今のメタルやミクスチャー系好きなヤングなお兄さんお姉さん達が見ると盛り上がりに欠ける、と思うでしょうが、元々そう云うバンドではない(そいうかそう云ったことを超越した次元の話になるのだろう)ため、こんなものかなと。で、全体的には、まあまあ面白いかな、という所でしょうか。 ビートルズが好きならとにかく死ぬまでに見とかにゃならん作品という事には変わりありませんがね。 [地上波(字幕)] 6点(2008-06-15 03:14:14) |
12. HERO(2007)
《ネタバレ》 ドラマ版の延長線上のものはさして出来がよろしくない、といったジンクスがあります。初めて見たときの衝撃が緩和されますから。この作品ももちろん漏れることはないのですが、しかし大スクリーンで見る価値はあるんじゃないでしょうか。 もちろん、↓数名の方も仰っているように、話はちょっと弱いし、決定的な証拠が挙がっていないという部分があるので、法廷ものとしては1ランク落ちると思いますが、人を殺すという行為を最大の罪として、純粋に追い求める久利生検事の姿ははやり(陳腐といえども)心が動かされる行為ではないでしょうか。 ですから余計に、アベちゃんの「違う」のセリフが、より一層響き渡るのだと思います。 ということで、適度な緊張感とコメディのエッセンスを求めている方にはお勧め作品だと思います。 [映画館(邦画)] 7点(2007-09-17 00:52:05) |
13. ヒューマン・キャッチャー/JEEPERS CREEPERS 2
《ネタバレ》 「ドリーム・キャッチャー」のような邦題のため、これが「ジーパーズ・クリーパーズ」の続編ということになかなか気付かないかもしれませんが、一応続編です。 でも冒頭で軽~くクリーパーの設定を言っている上に前作とはそれほど繋がりはないので、これ1本だけで十分いけます。 で、要は、B級モンスター映画です。 果てしなく続く道のど真ん中でスクールバスが止まり、クリーパーに襲われていくってだけです。 撮り方によっては、もっと恐怖感を引き出せたと思いますが、映りたがりなのかどうもクリーパーがでで~んと顔を出してきてくれるので、恐怖感はそれほどありません。しかも、どっかで見たような顔です。 で、このクリーパー、設定上だと殺せないらしいです。なので話は完全には終結しません。 そして、謎にヒロインが霊媒師チックになって、犠牲者とコンタクトをとり、クリーパーについて教えてもらいます。 最初から最後まで、何が何だかわからんという感じですね。 まあ、前半は、結構いいんですけどね。 画面の端っこでひょっこり姿出してみちゃったりとか…。 [DVD(字幕)] 5点(2007-08-02 08:45:18) |
14. ビロウ
《ネタバレ》 最近暑いから深海もの+ホラーで存分に涼んでくださいって心配りなんでしょうか?まあそんなことはないでしょうが(多少あるかも)、全く期待しないで見ていたので、なかなか楽しめました。展開は、殆ど他の潜水艦ものと同じようか気もしますし、ホラー部分もありきたりすぎて捻りもないと思いますが、それなりに丁寧に作られてると思いますし、“密閉された空間での恐怖”というのは表現できていたと思います。ただ、オチがありきたりだったのと、思わせぶりな表現や下手な幽霊は、ちょっといただけないなと思いました。 [地上波(吹替)] 6点(2005-07-29 00:19:47) |
15. ビヨンド・ザ・リミット
《ネタバレ》 まあ確かに、ハリウッドの呪縛(笑)から開放されただけあっていつもの大残酷絵巻は健在ですね。でも肝心の話はというと「…」なんですけどね。 3点(2004-09-06 16:17:03) |
16. ピースメーカー
《ネタバレ》 大体この手の映画の王道をいくストーリーですが、そこそこは面白かったです。冒頭から結構臨場感があり、中盤の犯人との攻防戦などもなかなか見ごたえがあります。ただ、終盤があまりにもありきたりすぎるのが少しネック。それにテロリストもいつもいつも「俺の祖国は…」とか「俺の家族は…」とかって云う理由ばっかりなので、少し捻りが欲しいモンです。でもまあ、「アトミック・トレイン」のようなありえない終り方よりはまだマシな方ですね。 5点(2004-06-10 18:38:55) |
17. ビートルジュース
そうだよなぁ、幽霊退治の人間(ゴースト・バスター)がいるなら人間退治の幽霊(ヒューマン・バスター)がいてもおかしくないよなぁ。第一、生きてる俺らからしてみれば、せっかく買った新居に幽霊がいるって判ったら、確かに追っ払いたくなるけど、長年そこに住み着いてる幽霊からしてみれば「貴様ら!人ん家で何しとんじゃボケィ!!」っていうふうにもなるよなぁ。これみた後、「悪魔の棲む家」とか「ヘルハウス」が、またちょっと違う風に見えてくるなぁ…そんなの俺だけ!? 6点(2004-06-07 18:56:27) |
18. 羊たちの沈没
…そのまま沈んでって下さい…。 3点(2004-06-01 02:51:37)(笑:2票) |
19. 人喰族
「史上最低の食人映画」と言われてるようですが、元々食人というカテゴリからして最低と見られがちなので、このような銘を打たなくても充分最低として通用したと思いますけどね(笑)ま、自分の世に言う“最低映画”ってのを結構見てきたし、そのカテゴリだけで映画を判断するような事はしないようにしてるんで、ここは普通の作品として評価しますが、とにかく痛い描写が多い。その他は…ストーリーがいちいちいい加減。主人公も4人のうち2人は殺されても当然な事やってるし、人喰族の人々が怒るのも半ば当然と言った感じ。展開にも少し中だるみを感じるし、食人族と比べればそれほど面白いともいえない。 2点(2004-03-30 14:04:29) |
20. ひまわり(1970)
ここでの評価が示すとおり、名作には違いないんでしょうけど、個人的には少し合わない印象を受けました。まずいいところから。戦争によって引き裂かれた男女の物語のため、画面、それ以上に雰囲気も暗いですがこの作品はそこが良かった。アントニオとの幸せな思い出から彼が居なくなってからの毎日に戻る時の画面の色合いが違う事がより一層悲しみを深いものにしているし、ヘンリー・マンシーニの哀愁ある音楽も良かった。ただ悪いところは、↓プチみかん♪お姉さまも書かれておりますがソフィア・ローレン扮するジョバンナに感情移入できなかったことです。【風と共に去りぬ】のスカーレットにも感情移入できませんでしたが、あちらは人生そのものを描いているので話に面白みがあり、それに対してこちらは恋愛主体に描かれているのでどうしてもそれを面白い、又は素晴らしいと受け取る事が出来なかったんです。なので、今回非常に微妙なんですが、良いところ8点、-悪いところ3点の計5点という事にさせていただきます。 5点(2004-02-22 13:42:14) |