1. ヒズ・ガール・フライデー
傑作!ケーリーグラントって洋服屋の看板みたいな、タダのハンサムかと思ったら、とんでもない。いやはや、その演技の軽妙にして、達者なことといったら。これはケーリーとロザリンダラッセルの丁々発止の漫才を見てるような映画だ。昨今の、頭でっかちで、舌足らずの監督がリメイクしたら、絶対2時間を越えるところを1時間40数分にピッタリ収めてるところも、さすが。スクリューボールコメディの金字塔でもあるが、こういう映画が当時のハリウッドでは、ジャカスカ作られていたこと、また今ではスッカリ作られなくなったことがハリウッド映画の質を落としている何よりの証拠でもある。映画を見る幸福とはこういう映画を見ることだ。昨今の、わからんちんの映画監督どもは胸に手を当てて、よく反省すべし。 10点(2004-06-03 23:04:33)(良:3票) |
2. 羊たちの沈黙
すごい緊迫感。レクター博士の紳士的な風格、品格、深い洞察力、猟奇的な悪魔性と、突き抜けた狂気と残虐性を完璧に表現してるアンソニー・ホプキンスに脱帽。人間の感性が病むところまで病むと殺人すら芸術にしてしまうのか。人間の知性とか、文化、文明って何だろうって思ってしまった。たいがい現実の方が映画より凄まじいのだが、この映画について言えば、現実がこの映画に追従してるように思う。日本も、こんな殺人鬼が、どこかで息を潜めているのかな。ああ、こわ・・・・・。 8点(2004-05-15 21:33:30) |
3. 評決
負け犬の復権がテーマだと思います。ポールニューマンはこういうのやるといいなあ。法廷物って好みなんです。いろいろ欠点はあるんだろうけど、映画自体が「男」って感じがするんですよ。見てて励まされるんだよなぁ・・・。ラスト、鳴り続ける電話をジッと見つめる場面もいい。タフガイの映画です。 9点(2003-10-31 02:16:18) |
4. 白夜(1957)
チャップリンの「巴里の女性」とこの作品は、メロドラマの最高峰でないかと思います。白黒の映像の美しさ、セットと美術の見事さ。溜め息が出る。すごく残酷な物語なんだけど、冒頭はマストロヤンニから逃げていった犬がラストでは彼に寄り添う。あの犬はよかったな~!あの犬一匹で凄く救われた気持になった。「芸術」の名に恥じない名作です。 10点(2003-10-31 01:59:43) |
5. 必死の逃亡者
ワイラーが撮ると、どんなジャンルの映画も超一級。何も言うこと無し。それにしても、徹底した悪人を演じたこのボガート、おっかないよ~! 10点(2003-10-27 23:38:40) |
6. 陽のあたる教室
さわやかで後味のいい映画。どなたかも言われてるけど、「お涙頂戴」がどうとか、こうとか言う人いるけど、あんまり審査員みたいな見方はどうかと思うよ。笑う映画、怒る映画、ハラハラする映画があってもいいなら泣く映画があってもいいじゃないですか。なんでそんなに泣くことを、そんなに軽蔑するのかな。そういうのってちょっと・・・・。 8点(2003-05-31 02:37:52) |