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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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1.  陽はまた昇る(2002) 《ネタバレ》 
ドラマチックな実話なのでそれなりに面白いものの、その実話のポテンシャル以上には面白くなれていない作品でした。 話は起伏なく流れていき、焦点というものがありません。本部から半ば見放された部門であるがゆえのビデオ事業部の荒れた空気や、部門のエース的なエンジニアがいない中で開発を進めなければならないという人材面でのハードルの高さなど、新事業部長はこれをどう解決するのかという組織論的な切り口で全体を構成すれば面白くなったと思うのですが、他の雑多な構成要素とない交ぜになって、せっかくの美味しい部分が埋没してしまっています。リストラ要求をしてくる本部からの干渉を避けるためにウソの事業計画書を作らせたり、本部に相談もせずに親会社の相談役である松下幸之助に直談判に行ったりと、加賀谷は組織人としてかなり危険な橋を渡っており、そうした意思決定の過程を詳細に描けば面白くなったと思うのですが、すべての要素がサラっと流れていったという印象です。 家族とのドラマ部分も同様で、多感な年齢の長男が家族との距離を置くようになった折に、母親が脳梗塞を発症。しかし倒れた妻の元に行くよりも仕事を優先したことに長男は激怒し、主人公を許さないとまで言い放ちます。加賀谷はどうやって家族との絆を取り戻すのかが後半の焦点になるのかと思いきや、何となく家庭環境は修復され、特に何もしていないのにラストでは長男は超良い子になって終了という、こちらも味気ない内容に終始しています。これならば長男の反抗期設定を置く必要などなく、何となく存在しているだけの家族の一人にしてしまう方が良かったと思います。 その他、感傷的な部分で定型通りに盛り上がる音楽や芝居じみた演技など、日本映画特有の悪いクセがドバっと出ており、あまりの古臭さにいつの時代の映画を見ているんだろうかという思いも抱きました。せっかく良い俳優を多く使っているのに、演出に何の工夫もないのでは勿体ない限りです。
[インターネット(邦画)] 5点(2018-06-15 18:13:20)
2.  ヒトラー 最期の12日間
ハリウッドにとって戦争映画は娯楽の範疇に入るジャンルですが、一方敗戦国である日本やドイツにとって直近の戦争はナーバスな題材であり、これを扱うことには相当なプレッシャーがかかります。とりわけ本作の題材は国際的な物議を醸すことが分かり切っていたものだけに、ドイツ映画界は相当な覚悟を決めてこれに臨んでおり、ファーストカットから「これは並みの映画ではない」という張りつめた空気感が漂っています。それは、見ている私までが緊張させられたほどであり、他の映画ではちょっと味わえない感覚に満ちています。 物語は、一義的にはナチス崩壊の過程を知ることができる歴史作品なのですが、普遍的なリーダーシップ論や組織論として見ることもできるという、一粒で二度おいしい仕上がりとなっています。圧倒的なカリスマ社長のワンマン経営で引っ張られてきた会社が、いよいよ倒産という事態に陥った。社長のコバンザメに徹するという処世術で出世してきた幹部達は何の打開策も打ち出せず、根性のある一部の外様部長達が現実路線で粘って何とか現場が持ち堪えているという状況です。経営者は「お前らが言うことを聞かなかったからこんなことになったんだ」と部下を怒鳴ったり、現実的にありえない新規事業や大口融資を根拠とした起死回生案を側近のイエスマン達に向かって得意気に披露したりと、そこはまさに修羅場なのですが、職業柄、私が見てきたベンチャー企業の末路は本当にこんな感じです。何らかの組織のリーダーをやっている方は、本作を見ると少なからず身につまされる発見があるのではないでしょうか。 問題点は、登場人物が多すぎてドラマがやや散漫となっていることでしょうか。ドイツ人にとっては名前を聞いただけでピンとくるナチス幹部であっても、我々日本人にとっては名前こそ知っているが何をした人なのかは分からないという人物が多いため、ドラマへの没入感がどうしても薄くなってしまいます。 ドイツでの公開時には論争を巻き起こしたとされるヒトラー関連の描写については、ナチスをタブーとしない日本人にとっては大してセンセーショナルなものでもなく、こちらでもやや拍子抜けさせられました。ヒトラーは充分すぎるほど否定的に描かれているし、映画全体の内容もナチズムを賛美するものではなく、なぜこの程度の描写に怒る人がいたのか不思議に感じたほどです。ヒトラーは『イングロリアス・バスターズ』に出てきたような癇癪持ちの小男でなければならないとするのであれば、それこそ歴史を矮小化する行為ではないでしょうか。現実離れしたモンスターと、普段は紳士であるが敵と見なした相手にはいくらでも残酷になれる指導者、どちらに警戒せねばならないかと問われれば絶対に後者の方でしょう。 もうひとつ残念だったのは、冒頭とラストに主人公・ユンゲ(及び本作製作者達)の逃げ口上ともとれるナレーションを入れてしまったこと。「ヒトラーに仕えた私は愚かでした」という現在の価値観に基づく発言が入ってしまったために、歴史映画としての価値が少し下がりました。そこは徹底的に戦時中の描写に徹し、製作者は良いも悪いも判断しないという姿勢を貫徹して欲しいところでした。
[DVD(吹替)] 7点(2016-02-23 14:03:59)(良:2票)
3.  ヒットマンズ・レクイエム
ゴールデングローブ最優秀男優賞受賞にアカデミー脚本賞ノミネートと本国では高く評価された一方で、日本ではDVDスルーとなった本作。かなり陰惨な内容を捻じれた笑いで包んでおり、独特の雰囲気を作り出しています。誰一人として普通ではない登場人物、微妙にズレた会話、際どい人種ネタ、綺麗に回収される伏線と脚本の出来は上々で、役者もピタリとハマっていて完成度はかなり高いのですが、ストレートな映画ではないので好き嫌いは分かれると思います。
[DVD(吹替)] 7点(2012-07-17 00:57:19)
4.  ヒットマン(2007)
“組織に裏切られた暗殺者が逃亡の過程で人間性を取り戻す”、これまで何度見たかわからないほどありふれた物語です。おまけに設定はあまりに雑(生まれた直後からの暗殺者育成なんてコストかかりすぎ、後頭部にバーコード入れてスキンヘッドじゃ目立ちすぎ、影なき暗殺者が組織のロゴマーク入りの道具を持ち歩くなetc…)。しかししかし、これはゲームを原作とするアクション作品。細かいことには目をつむって、ひたすらにビジュアルを楽しむべき映画です。。。 こんな具合にお母さんのような優しい目で鑑賞していたものの、肝心のビジュアルに面白みがないという困ったことになっています。バカバカしくも手の込んだアクションの連続を期待していたのに、ド派手な銃撃戦はたった一回のみ。代わりに繰り広げられるのはイーサン・ハントの真似事なのですが、これでは主人公がヒットマンである必要がなくなっています。ティモシー・オリファントの身のこなしはなかなか様になっているし、オルガ・キュリレンコはエロくてかわいいけど、映画全体が方向性を誤っているのではどうしようもありません。
[DVD(吹替)] 4点(2012-07-04 02:11:37)
5.  HERO(2002)
カンフーをここまで美しく撮った作品は前例がなく、芸術的には満点に近い作品だと思います。カンフーといえばB級娯楽のイメージが強い中、重厚な時代劇でこれを見せた監督の腕前は驚異としか言いようがありません。また、ジェット・リーを演技派に見せてしまう演出力も大いに評価するところであり、良い監督の良い仕事を見られる作品として一度は見る価値のある作品だと思います。。。ただしこの映画、構成に大きな失敗がふたつ見られました。第一の失敗は、ジェット・リーvsドニー・イェンという作品中最高の見せ場を序盤に持って来てしまったこと。達人級の二人の対決を超える見せ場など作れるはずもなく、序盤をピークとして尻すぼみにテンションが落ちていきます。もうちょっとうまく配分して欲しいところでした。第二の失敗は、同じ場面の回想を三度も繰り返したのはしつこすぎたこと。トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイーはみな素晴らしい俳優なのですが、同じ場面を何度も何度も見せられるとさすがに飽きてしまいます。オチを知ってから振り返っても回想を重ねることの意義を感じることができず、あんなに手の込んだ回想場面を作る必要はなかったように思います。
[映画館(字幕)] 7点(2010-11-27 22:40:53)
6.  ヒューマン・トラフィック<TVM>(2005) 《ネタバレ》 
前後篇を2日に分けて見るつもりだったのですが、あまりの面白さに一気に見てしまいました。社会問題を分かりやすく提示することにおいても、また物語のエンターテイメント性においても極めて優れた作品です。もちろん楽しんで見る類の題材ではありませんが、それでもかなりハラハラさせられたのは事実であり、この辺りは劇場用映画で腕を磨いたクリスチャン・デュゲイならではの力技だったと思います。またテレビ映画だったため性や暴力の描写には相当な制限があったものの、こちらも監督の腕前で巧く乗り切っています。人身売買という題材を扱いながら女性の裸の映像は一切使用されていないし、警察組織と犯罪組織の戦いであっても血の量は最小限にとどめられています。それでも題材の衝撃度はきちんと伝わっているのですから、監督の腕前がいかに作品に貢献しているかがわかります。一方でこの手の題材を劇場用映画が扱うと、「現実から目を背けてはいけない」と言わんばかりに露悪的な表現が目立ってうんざりさせられることも多く、節度を保ったレベルに映像の刺激を抑えて多くの人が見やすい作品とした本作は、社会啓蒙のためにも効果的な作りになっていると思います。。。本作は現実の問題をよく研究して作られているようで、私が良心的だと感じたのは東南アジアパートでした。アメリカ人の子供が誘拐されてはじめて東南アジアにおける人身売買が注目されるという設定は、現実の醜さをうまく捉えています。途上国の子供たちが酷い目に遭っていても、私たちは「へぇ、大変なんですね」としか思わない。もしアメリカ人少女が誘拐されていなければ、サウジアラビアに売られようとしていた子供達は救われていなかったはずなのです。この辺りのシビアさ、見ている人間を安易に正義の側に立たせない作りは、社会派作品として見事なものだと思います。
[地上波(吹替)] 8点(2010-07-05 17:54:58)(良:1票)
7.  HERO(2007) 《ネタバレ》 
テレビ版が好きだったので見に行きましたが、相当な期待外れでした。映画らしいと言えばフジテレビの威光でやたら豪華なキャストを揃えているところのみで、脚本も演出も映画館で見るに値するレベルに全然及んでいません。とにかく荒さの目立つ脚本で、特にすごいのが「男魂」の扱い。「男魂」とペイントされた容疑者の車が事件の有力な証拠だということでこの車両の捜索が映画前半のメインエピソードとなるのですが、韓国まで追いかけてようやく発見したこの車両が後半の裁判で決定的な役割を果たすのかと思いきや、被告側の弁護士である松本幸四郎の一言であっけなく証拠としての採用を棄却され、後半では「男魂」の「お」の字も出てきません。普通の映画文法では、前半であれほど時間をかけて追いかけたものは後半の伏線になるはずなのですが、ここまで無意味になってしまうのはさすがにどうかと思いました。1時間ドラマ程度の内容しかない脚本の時間稼ぎのため、またゲスト出演のイ・ビョンホンを登場させるべく韓国へ舞台を移すため、車両の捜索という本筋とは無関係なエピソードをねじ込んだようにしか見えませんでした。またキムタクのキャラクターも映画版ではあざとく感じました。ラフな服装と型破りな言動で一見すると検察官としての能力はなさそうだが、実は熱い心を持って事件にあたる久利生公平。彼の人間味溢れる捜査で事件のみならずその背後にある人間ドラマも解決していくこと、またパっと見で彼を判断する連中を最後にはギャフンと言わせる痛快さがドラマの面白さでした。それはやはり1時間枠のテレビドラマで、しかも月曜9時。深く考えずに1時間でさくっと見るからこその面白さだったのだなと映画版を観て再認識しました。上映時間は倍以上になり、見ている側の集中力も格段に違う映画においてはやはり勝手は違います。どうでもいい捜査を延々見せられた末に、ラストはキムタクの演説で判決が出てしまうという適当さ。キムタクが人情話をすれば、状況の吟味や証拠の検証などもすっ飛ばしてみんな「はは~」っと納得してしまうわけですよ。それはあんまりでしょ。
[映画館(字幕)] 4点(2007-10-06 19:13:02)
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