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1.  ヒマラヤ 運命の山 《ネタバレ》 
ナンガ・パルバット(標高8,125m)の南壁「ルパール壁」は、4800mの標高差を持つ世界最大の絶壁。1970年その初登攀に成功したラインホルト、ギュンター・メスナ―兄弟の物語。二人は、ヘルリヒコッファー博士の遠征隊に招待される。博士の兄は、ナンガ・パルバットの初登頂に挑戦して死亡しており、兄の無念を晴らさんと、博士は過去に七度も遠征隊を送り込んだが全て烏有に帰していた。 今回の遠征も天候に阻まれ、登山期限が迫っていた。最終キャンプで無線が使えず、悪天候なら赤、好天気なら青の信号弾が揚がる手筈だった。赤が揚がって、ラインホストの単独決行となる。この赤は後に間違いと判明する。置き去りにされたと感じたギュンターは、身勝手にも下山ルート工作任務を放棄して兄の後を追った。6月27日、兄弟は山頂に立つ。しかし、ザイルも満足な装備も無く、弟の疲労が甚だしいため、登路のルパール壁下降を諦めて、西側のディアミール壁から下山することにした。無装備でのビバークを強いられた下山は辛酸を極め、疲労困憊した弟は兄とはぐれ、雪崩に遭って死亡する。兄は一週間後に生還するが、凍傷で足指七本を失った。独占的に報告書を公開する権利を得ていた博士は次のように報告した。「二人の行動は隊からの離脱である。ラインホルトは、最初から西側から下山する計画をしていて、弟を頂上直下に見捨てて単独下山した」弟の謎の死は様々な憶測を呼び、兄に対する批判も強かった。ラインホルトは独自の登攀記録を発表して、名誉回復裁判を起こしたが、敗訴した。2005年ギュンターの遺体がラインホルトの主張通り、ディアミール側山麓の氷河で発見され、彼の主張が正しことがほぼ証明された。本作は、彼の原作を忠実に映像化したもので、彼の助言も得ている。以上のような事情を知っていればより楽しめるし、下山に多くの時間が割されている理由もわかるだろう。それにしても二人がカメラとヘッドランプをポケットに入れただけで、ザイルもリュックも持たずに登頂するのは驚きである。無謀を超えている。一人だけでも生還出来たのは奇跡だ。若くて自信過剰だった兄弟が、登山経験のない博士を軽んじていたことが悲劇につながったといえる。無線がつながらないのに、想像を交えて報告書を書き綴る博士も異常である。兄弟の救助を拒否したフェリックスは数年後に謎の自殺をしている。真相の一部は未解明だが山岳映画として秀作。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-09 21:55:25)
2.  悲夢(ヒム) 《ネタバレ》 
ジンが夢の中でとる行動を、赤の他人であるランが期せずして夢遊状態で行ってしまうという怪異な所縁で結ばれた二人の物語。 ジンは昔の彼女Aに未練があるのでAの夢を見る、ランは昔の彼氏Bを毛嫌いしているが、夢遊状態でBと逢引する。AとBは付き合っているが心は通わないという関係。精神科医の診断は、二人は一人で、二人が愛し合えば解決する、白と黒は同色であるというもの。二人を知恵を出しあって、ランが夢遊状態にならないようにするが、遂にランがBを殺してしまう。罪の意識に苛まれたジンはもう眠らないと決意するが、睡眠欲には勝てずに飛び降り自殺する。同じ頃、ランが病院で首吊り自殺する。ランは蝶に姿を変え、ジンの死体の傍らに飛んでいき、二人は眠るように横たわる。 幻想物語なので多義的解釈を許すが、全てが夢の中の出来事であるという解釈も可能だ。夢の入れ子状態。 そもそも、他人の夢の通りに行動してしまうというのは超自然現象であり、現実には起こらない。精神科医の診察室も病院らしくない。人物同士が、日本語と朝鮮語と違う言語でも違和感なく通じるのは、夢だからであり、同時に夢と現実は同じという示唆である。ジンがいつも黒服、ランがいつも白服なのは、二人は表裏一体という意味だが、夢の中だからと考えた方が自然だ。ランが蝶に姿を変えるのは、現実と夢の区別がつかない「胡蝶の夢」の故事にちなむ。二人は戸惑いながらも、少しずつ愛を育んでいくが、「どんな夢でも、もう恨まない」というランの言葉で愛が成就した。究極の愛は自己犠牲である。だからジンは自殺し、ランも後を追った。二人は、ロミオとジュリエット。Bがランの自殺を幇助したのは、二人の気持ちを理解し、二人の幸せを願ったからだ。悲劇で終る夢だから題名が「悲夢」なのである。ジンが篆刻師で、ランが服飾意匠師なのは、印鑑を紙に押すと文字が逆転し、服を変えれば別人に見えるという暗喩。独創的な着想には感心するが、見せ方がぎこちない。より幻想的な演出が好ましい。ジンが饒舌すぎて映画の雰囲気を壊し、究極の愛を演じるには演技力不足である。何より二人が愛し合っているように見えないのが短所だ。徐々に惹かれあっていく、繊細な二人の心の機微が窺えないことには感情移入できない。
[DVD(字幕)] 6点(2014-11-01 16:10:20)
3.  ヒロシマナガサキ 《ネタバレ》 
ナレーション一を切排除し、当時の写真、映像資料を交えてインタビューをつなぐ。シンプルだが力強い。映像の中には貴重なものが含まれていて、資料的価値は高い。 被爆体験は思い出したくもなく、当然語るのは苦痛だが、被爆を知らない人達に真実を知ってもらいたい、反戦を伝えたい、原爆の被害者は自分で最後にしてもらい、また死者は語ることができないのなら、その分まで生き残った者が語るしかないではないか、という様々な思いが、彼らにカメラの前で証言するという選択をさせた。 努めて淡々と語っているが、被爆者達の証言は重く、鬼気迫るものがある。 被爆者であると告白しても何一つ善いことはなく、差別や偏見としてはね返ってくるだけだ。 原爆で即死した者よりも、生き残って「被爆者」として生きてゆく者の方がずっと苦しい。 醜い姿を人前にさらすのは毛頭嫌だが、醜い姿をさらすことにより、被爆者の現実を知ってもらい、戦争の悲惨さが伝わるなら、あえてそれをやる。そんな証言者の思いが切々と伝わってくる。 内容は重く、決して容易に人に語れるようなものではない。それは何十年もの苦悩と悲しみの果てに、ようやく絞り出されるように吐き出されてきたものだ。 例えば中沢啓治氏。爆風で潰れた家の下敷きとなった父と姉と弟が目の前で生きながら炎に焼かれていくのを見た。そんな体験は誰にも話したくはないだろう。思い出したくもないだろう。思い出すたびに、怒り、憎しみ、悲しみ、罪悪感等の感情がないまぜになって、氏をどれほど苦悶、懊悩させたのは想像すらできない。その体験を「はだしのゲン」という作品に昇華させた氏の強靭な精神力には頭が下がる。彼らの証言は、原爆の悲惨さを伝えるだけではなく、人生に絶望した人間が、生きる希望を見いだして再生してゆく物語でもある。彼等が絶望の果てに見出した希望にこそ人類の未来がある。そう思いたい。 記憶は歳月と共に薄れていくものだ。冒頭のインタビューにあるように、8月6日が何の日か知らない日本人も増えていくだろう。しかし日本が唯一の被爆国である以上、被爆の真実と悲惨さを世界に知らせていく義務があるだろう。そのようなことを思わせる一編だった。
[DVD(邦画)] 8点(2014-01-18 13:13:11)
4.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 
時代背景として1974年はペロン大統領が死去を受け、第三夫人だったイサベル・ペロンが大統領に就任したものの、政治は不安定に陥り、右左派によるテロの応酬が激化した時代。サスペンスとラブロマンスを融合させた意欲作で、カメラワークも冴えている。死刑と私刑議論も提供する社会派で、誰にでも薦めることのできる佳作である。短所は現実的でない部分が多い事だ。素人探偵ではなく、検察による本格捜査なのに、死因、犯人の遺留品、血液、精液など犯罪に関わる情報が一切ないこと。「写真で被害者を見つめている瞳があやしい」だけでは弱い。血液型が一致するなど補完すべき。被害者とその夫の家族が登場しない。悲しんでいるのは夫だけではないはず。葬儀の場面もなく、マスコミも登場しない。新婚美人教師の強姦殺人事件なら格好の三面記事ネタ。その犯人が行政命令により釈放され、イサベル・ペロンのボディーガードをしたなら世間は大騒ぎとなるだろう。まして犯人はパブロ殺害の容疑者である。二人はと夫はどうしてマスコミに訴えなかったのか。二人の泣き寝入りは納得しがたい。ベンハミンは逃亡し身を隠したが、イレーネはどうして逃げなかったのか。同様に命は狙われていたはず。母音Aの打てないタイプライターなど使えるはずもないのに「なくても平気よ」はないでしょう。せめてワープロをプレゼントしなさい。ベンハミンはPC持ってないの?犯人イシドロは、イレーネの挑発によって自白するが、安易すぎる。検事によれば「いい仕事をした。賢い勇敢な男」のはずで、矛盾する。パブロは酒場で喧嘩をしでかし、家に連絡できずに、ベンハミンの家に預けられ、そこで遭難した。家に連絡できない理由が「1年前から電話が故障して修理人が来ない」。もう少しましな理由を考えなさい。夫は犯人を25年間軟禁してきたが、あの場所なら誰かが訪ねてきたとき大声を出せば聞こえると思う。郵便配達は来るだろう。犯人はパブロ殺しの実行犯を知っているのに夫がそれを追求しないのも納得しがたい。実行犯は野放しのままで、事件は未解決。それなのにベンハミンは「怖い」から「愛している」に変わる。そもそも、ベンハミンがイレーネを愛していたようには見えなかった。イレーネの婚約を聞かされても「幸せを願っている」と笑って答えている。イレーネもベンハミンを困った人ぐらいにしか見てなかった。一番の名演技は犯人母の電話の声。
[DVD(字幕)] 8点(2012-12-14 02:57:58)
5.  ヒトラーの贋札 《ネタバレ》 
ナチスのユダヤ人収容所における紙幣贋造の実話を元にした物語。ベルンハルト作戦として知られています。主人公サリーは金貸しのユダヤ人で贋札造りの名人、刑務所にいたが、ベルンハルト作戦の現場担当者として収容所へ贋札造りが成功すればドイツ軍の勝利に貢献することになってしまう。だが成功しなければ銃殺刑。どうするか?普通に考えれば可能な限りのサボタージュ。それもままならぬうちに、サリーの技量により、ポンド紙幣の贋札造りは成功。終戦までに1億3200万ポンド(当時の全流通量の約10%)も印刷することに。ヘリツォーク少佐にお褒めの言葉をいただくとみんな笑顔に。命をつないだわけです。収容所で特別待遇を得てますから、生きることに一層執着します。次にドル札造りを命じられますが、その製作途中ににトラブルが発生。家族が収容所で亡くなったのを知った男が自殺未遂。肺病患者発生。肺病と知れると殺されるので隠す。妻の死を知ったブルガーはやけになりサボタージュと妨害、反乱まで企てる。何ヶ月経ってもドル札ができないのでナチスはいろいろと圧力をかけてきます。厚遇を受けていたサリーの立場も微妙に。遂に何人かが射殺されることになったとき、サリーがドル札を完成させます。が、本格稼動の前に終戦。ヘリツォーク少佐が最も興味深い人物でした。彼は優秀なビジネスマンタイプ。元は共産主義者でしたが、警察で手柄をあげ、時流に乗ってナチスに入党。常に紳士的な態度で暴力をきらい、人の扱いも心得たもの。物事を深く考えず、「必要とされる場で任務を果たす」ことが信条。サリーたちにもそれを求めます。戦争という非常時では、自分もこのような生き方をするかもしれないと考えさせられました。サリーは制約が多い中で仲間をかばい、何とか助けようとします。意見対立するブルガーも最後まで守ります。しかし肺病患者は銃殺され、自殺未遂者は自殺。それらのことで無力さを感じたのと、家族も殺されていることから、自由になった戦後も虚脱状態に陥ります。どのような生き方をしても報われない、それが命を奪い合う戦争というものの恐ろしさでしょう。戦争という巨人な悪の前では、主義主張や正義なども意味を失います。サリーたちがもしアーリア人だったら喜んで贋札を造ったでしょう。冒頭シーンで、主人公が生き残ることが分かってしまいますので、必要ないと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-08 15:01:21)(良:1票)
6.  ビロウ 《ネタバレ》 
敵艦隊と間違えて味方の赤十字船を撃沈、出世を棒にしたくないために艦長を殺して知らんぷりを決め込む。 そのあと敵と遭遇、何とかやりすごすものの怪奇現象がおこり、ついには船を撃沈した地点に戻り、船は動かなくなってしまう。 真相を知っている人はごく少数なので、後悔にさいなまれてみる心理的な怪奇現象ではなさそう。 怪奇現象を船長の幽霊のせいにしたいらしいが、幽霊はもっと古いものでないとね。 何でもないところで大きな効果音を入れ、観客を脅かしてばかり。 志が低い映画です。 味方を撃ち、自船も沈没。何ものこらない映画です。  
[DVD(吹替)] 4点(2008-05-19 15:40:48)
7.  HINOKIO ヒノキオ 《ネタバレ》 
ロボットのCGがよいということで鑑賞してみました。 近未来の少年ロボットものということで鉄腕アトムのような夢あふれる冒険ファンタジー、と思いきや、引きこもり、登校拒否の少年サトルの物語か、やれやれ。 いじめ→登校拒否→自動車事故→母親死亡→足を負傷→引きこもりとなり、リハビリのために自分の代わりにロボットを学校に行かせる。 まー、ここまでは大目にみますよ、設定なんだから。 最初はジュンにいじめられ、どうにか仲間になれたとおもったら、次はメガネの少女に嫌われ、最後は軍事ロボットだから帰れの大合唱ときた。 学校を飛び出し、電車に飛び込んでロボットを壊すが、感覚フィードバック装置が作動していために自分も死にそうになる。 どーも夢のない話ですな。 煉獄というゲームと現実がリンクしているために、ジュンは煙突に登り、サトルの回復を願いアルト笛を吹く。 ここが最大の見せ場なのだが、盛り上がる要素がない。 ゲームの真似をしても意味があると思えないし、無理やり盛り上げようとして、地震を起こし、ジュンが墜落させる。 それにいつのまにか子供たちが集まってきているし、メガネの少女が笛を貸してやるし、どーも不自然さが目立ちますな。 サトルは、死から生還したとたん、心をひらき、仲の悪かった父親とも仲直り。 ご都合主義です。 サトルの物語なのだからサトルが活躍しないと感動がない。 サトルが勇気を出してジュンたちを助けるような展開なら無理がなかった。 ロボットに頼らずに最後は自分の足ででかけてゆくような。 サトルはずっと受身で、心の成長がないのだ。ジュンにも心を開かずにいた。 子供に向き合えない父親の物語も話を複雑にするだけで不要。 この映画は子供に夢を与えない。この映画を友達にすすめた子供はいじめにあいそうだ。 「制作費4億円、興行収入1億円の大コケ映画」といわれているのもうなずけます。 性的虐待を受け、心に傷をもち男の格好をするジュンの個性がありすぎて、主人公を食ってしまている。もったいないですな。 引きこもりは愛されない。引きこもり映画も愛されないということです。
[DVD(邦画)] 3点(2008-04-23 02:47:25)
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