1. ひとよ
《ネタバレ》 いい役者が揃ってたから最後まで鑑賞できた。 特に田中裕子がいいね。坂本裕二脚本のドラマ「mother」など問題をかかえた女性役を演じさせたら感情表現が素晴らしく上手い。 内容的には殺人犯の子供として残された三人の複雑な心理や行動、加害者となった母親の心の葛藤がよく描かれている。 只、次男(佐藤健)の行動には理解しがたい面がある。 あと、佐々木蔵之介の息子のエピソードは少々強引ではなかったか? [地上波(邦画)] 6点(2024-01-26 11:40:48)(良:1票) |
2. 彼岸花
《ネタバレ》 50年代後半の時代性がよく反映されている。まだ家庭における父親の権限の大きさ(家長制の名残)が感じられる。 佐分利の親父は娘や妻に強権的で矛盾だらけのキャラクター。それを指摘されると「人間は矛盾だらけなものだ」と開き直る始末。 只、騒動の原因は娘の恋人がいきなり娘の親父の会社を訪問し、娘と結婚させてくれと願い出る無茶な展開から始まる。 いやいや、仕事中に、アポイント無しで、しかも恋人に内緒で、こんな暴挙はありえないでしょ?こんな非常識な行動をされたら、さすがにこの男大丈夫か?と思うよね。男前やから許される問題ではない(笑) そんな強権的な佐分利の親父も、友人や知り合いの娘の恋愛問題を通じて、結婚は親の意思ではなく本人通しの意思が大切なことに少しずつ気づいていく。 作品中、佐分利の親父と部下の近ちゃんのバーでのエピソードが一番笑える。サラリーマンの辛さはいつの時代も一緒です。 あと、親父の同級生3人と割烹店のおかみのやり取りは、そのまんま後の作品「秋日和」につながっているのは面白い。 余談ですが、山本富士子と私の母親が女学校の同級生で、母親の若い頃はこんな時代やったのかと感慨深いものがありました。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-08-20 18:01:46) |
3. 百円の恋
これは意外と拾い物の映画です。 冒頭、主人公の生き方観てると、コレ大丈夫か、と嫌悪感を抱くが ボクサーと出会うあたりから趣が急に変わる 中盤から終盤に至るまでは、思わず主人公を応援している自分があった。 安藤サクラは熱演、元ボクサー役男優も、あんな事件が無ければいい役者なのに、残念ですね。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-03-04 18:54:34)(良:1票) |
4. ヒポクラテスたち
《ネタバレ》 ずっと昔に鑑賞し、又観たいと思いつつ何十年、、、。 大森監督が実体験を元に、上手いことエピソードをつないで見応えある作品に仕上げている。 当時、何と才能がある監督なんやと思ったもんですが、その後、しょうもない職業監督で終わってしまったのが残念。 この映画は、まだアマチュア映画出身らしい、斬新な演出、センスの良さが感じられる。 今観ると、役者さんがみんな若い!特に内藤剛志、柄本明など。そして、手塚治虫、北山修、鈴木清順など豪華ゲストが良い味を出している。 劇中、タバコを吸うシーンが多数出てくるが、当時は医者が喫煙は当たり前の時代で、今では病院で喫煙なんてあり得ない、そんな時代の変化を感じました。 ラストの蘭ちゃんの自殺は唐突感があるが、傑作青春映画だと思う。 [インターネット(邦画)] 9点(2020-05-20 04:07:25) |
5. ひめゆりの塔(1953)
戦後7年ぐらいの時期にこの映画が公開された事を思うと、当時と今とでは観た人の印象がまるで違うと思う。 戦争の悲惨さ、酷さを描いているんですが、戦後世代の私には正直余りリアルには伝わってこないんですね。 ただし、歴史的にみてこの映画が作られた意義は大きいとは思います。 [インターネット(邦画)] 6点(2020-05-09 10:28:54) |
6. 病院坂の首縊りの家
ここでの評価が高かったのでみてみましたが、はずれでした。 前半はこのシリーズらしい雰囲気が良かったのですが、ストーリーが粗すぎてついていけない。 そもそも、皆さん書いてらっしゃる通り、人間関係が複雑すぎて映画向きじゃない。 草刈正雄の声が今と全然違うなどの発見はありましたが。 [インターネット(邦画)] 3点(2020-05-03 15:48:14) |