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1.  冬の猿 《ネタバレ》 
ヴェルヌイユはギャバンとドロンでサスペンスの傑作を撮っていますが、同じ2大俳優の競演でもこちらはこちらでまた良い作品です。 さて、男ってのは過去に生きるもの。 また自分の経験上、親子ほど歳が離れていると人間関係は大抵は合わないことが多い。仕事でも飲みの席でも。約30年の価値観の違いが互いを理解できずにそうなってしまうのだろうと思う。 1962年の公開当時は人気が出たかもしれませんが、令和の今の時代では若い人にはそっぽを向けられてしまうだろうという気もしますので、この映画は一種のお伽噺のような感覚で観るのがいいと思います。 自分がこの映画で印象に残ったのは、禁酒を続けて以来訪ねていなかった丘の上の酒場にベルモンドを連れて行ったシーン。 ルビッチの映画でもありましたが、相手を深く知って心を開き長年封印していた〇〇を開封するとか、何十年ぶりに火を入れるとか、アナログで映画的で良いんです。 オープニングで女主人が坂を登るショットとカメラアングルや構図まで同じなのはヴェルヌイユの意図したところに違いありません。 ギャバンは中国に、ベルモンドはスペインに思いを馳せ、互いに共感を抱く。 ここで約束が破られてしまったもののずっと禁酒の約束を守り続けていた律儀なところや酒を飲み交わす描写は、“男ってのはな・・・”をよく表していたと思います。 ラストは、ベルモンドの方は子供と一緒に新たな生活を築き人生のリスタートを果たすのでしょうが、ギャバンは火が消えた花火のよう。 これも人生、というヴェルヌイユの人生観として捉えさせていただきました。
[映画館(字幕)] 7点(2022-09-27 13:32:51)
2.  プロフェッショナル(1981) 《ネタバレ》 
ジョルジュ・ロートネル監督作品は3作目の鑑賞になるのですが、隠れた名監督なのではと思わせる一品です。 ストーリーは、ベルモンド扮する特殊隊員ジョスラン・ボーモンが祖国に見殺しにされつつも帰還し、特殊部隊の長に徐々に近づき一矢報いるという話。 祖国から裏切られ過酷な環境を味わいながらも、ベルモンドの口からは一切の恨み節などは出ず、分かりやすい復讐劇にはなっていないところが映画としてのクオリティの高さを感じさせるのではと思います。 序盤で女をバスタブに沈めるシーンの緊張感や、エッフェル塔を背後にカーチェイス(ベルモンド自ら運転)を繰り広げるシーンの迫力なども目を見張るものがありましたし、特殊部隊長ロゼンとの早撃ち場面では観ている側も思わず息を押し殺してしまうほどのスリルを感じました。 個人的には、自分の誕生日5月14日がストーリーの中に出てきたのと(3回目)、エンニオ・モリコーネの音楽が良すぎた故に若干主張し過ぎたきらいがあったように思えました。
[映画館(字幕)] 7点(2022-09-18 03:26:49)
3.  フォート・ブロックの決斗 《ネタバレ》 
主人公ラット・エバンス扮するドン・マレーが如何せん役不足。 もう少し華のある役者をキャスティングできなかったのかと思いますし、街で幅を利かせていたイエフの方が存在感が出ているように感じました。 ついでに言えば、ヒロイン役の二人も顔つきが似ていて、途中でどっちがどっちだか分からなくなってきてしまったり。 ストーリー前半は、名を上げたいと夢見るラットが荒馬を手なずけ牧場を手に入れ、同時に酒場で出会った女とも仲を深めるという展開で、まぁここまでは良い。 共同経営者の仲間が結婚することに反対するくだり。失敗しても何度でも再チャレンジできるのがアメリカの良さと思っていた自分としてはここはやや引っかかる所ではあります。 ラットとしては牧場経営者から議員になるという階段を上がるとなれば、やはり酒場で知り合った女性よりも育ちの良い女性と結婚した方が有利になるでしょうが、悲劇のヒロインのキャリーの献身ぶりを考えるといたたまれない気持ちになってしまいます。 勧善懲悪を完遂して終わる物語ではあるものの、街の顔役のイエフの前半の出番が少ないことも気になってしまい、やや抑えめの6点。 序盤に出てきたレースの疾走感や牛の大移動シーンは、迫力があり良かったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-18 18:42:52)
4.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 
軽妙なBGMと共に頭を刈り上げるオープニングや最後のミッキーマウスマーチなど、この人の皮肉がかったジョークは自分には全く響いてこず、映画として面白いかどうかは言うまでもなく、またしてもキューブリックとの相性の悪さが出たように思いました。 映画の前半と後半で全く別の映画となってしまっており、どちらからも伝わってくるのは戦争という異常な世界による人間性の喪失であって、前半では前線に立った時に躊躇う事なく人を殺せるような殺人マシーンの製造過程の中、精神を崩壊させて脱落する者が出てくるほどの過酷な環境が丹念に描かれており、また後半では、苦しんでいる少女の息の根を止める時にふと出てしまうわずかな人間性が訓練よって形成された非人間性とぶつかり合う様を描いたところが最も大きなテーマと言えると思います。 前半部分で、タイトルの「Full Metal Jacket」がデブの訓練生が発狂した時の台詞で出てきましたが、この場面を一番のテーマと捉えているからこそこの映画のタイトルとなったと考えましたが、だったら何故、そのシーンのすぐ後で物語を分断してしまったのか、ここは大いに疑問を抱かずにはいられません。しかし、タイトルの意味を深く考察した他のレビューを拝見しますと、まぁ納得はできますが心に響くほどではないというのが正直な気持ちです。 後半部分は、スナイパーの少女が出てくるまでは単なる断片の寄せ集めという印象しかなく、ヘリからの銃乱射や新聞製作の会議や兵士のインタビューなど、どれも本題(少女と対峙する場面)に関係のないシーンやサブプロットばかりだったように思えました。 それよりも、この映画を観終わって自分が一番気にかけてしまうのが戦争が終わった後の事なのですが、前半に出てきたあのような軍曹は当時数多くいたと思われますが、あれはどう見ても“彼自身”であって教官の任務として罵っているとはとても思えず、もし戦争が終わり平和な日常に戻った時、暴言を吐くことなく“人間”らしく生きていくことが出来るのだろうか、また彼らの訓練を受けて非情さを植え付けられた人間はその数十倍におよぶはずで、彼らもまた戦争時の非人間だった自分自身をリセットし切り替え、再び心を持って生きていくことが果たして出来るのだろうかと、心配せずにはいられません。 ベトナム戦争が終わりPTSDで苦しむ人が数多くいたというのも、この映画を観れば分かる気がしました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-01 19:18:22)
5.  不思議なヴィクトル氏 《ネタバレ》 
映画全体で無駄がなく大変良く出来た作品という印象。ちょっとした一場面も後に生きてきたりする秀逸なシナリオが非常に良いです。 冒頭でムッシュー・ヴィクトルに子供が出来たというのが、単に善良な市民像を印象付けるだけでなく7年後のストーリーの中でその子供がしっかりと役割を与えられていてストーリーの一端を担っているところが面白いですし、靴屋の主人が三人組の一人と口論している場面を序盤で組み込んでいたり、彼の奥さんが美人で他の男に簡単に流れていきそうなキャラクターである事もストーリーを構成する上での一要素となっていて、よく練られていると思いました。 また、靴屋の仕事道具である錐が優れたキーアイテムとして活用されていることも注目すべきポイントで、子供のおもちゃとして遊びで扱えるような物が子供の手を介して大人の手に渡り凶器に転じてしまうというのも唸らされます。 また、ムッシュー・ヴィクトルのキャラクターが非常に良く、この役を演じたレイミュという俳優さんは初めてお見かけしましたが、一人で二役を演じているかのように昼の顔と夜の顔を完璧に演じ分けているのが素晴らしいです。 夜のシーンでの目つきが鋭い怪訝な表情はまさに本格ノワールそのものといった雰囲気が出ていますし、昼のシーンもまた、家族や友人たちと語らう場面は勿論のこと、殺人を犯して家に帰って来た時のオドオドした様子や嘘を隠そうとしてひたすらまくし立てる滑稽じみた姿などかなり熱の入った演技で非常に楽しませてくれます。 彼の出演作はわずか4,5本ほどしかないようですが、是非とも他の作品でも彼の好演を見てみたいと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2014-02-16 12:16:54)
6.  袋小路(1965) 《ネタバレ》 
主人公は、ジョージとか言うあの弱っちい男でしょう。 映画の中に流れる不条理感は良いけども、人物設定や状況の描き方が悪い。 悪漢が現れて脅すつもりで描くならば、腕を怪我しているから夫婦で連携してスキを見て警察に突き出せそうと感じさせてはダメだし、銃に弾を込める姿をまず先に見せるとかもしないため、さほど怖さが伝わってこない・・・と思いましたが、こう感じさせるのが狙いなのかも。 悪漢に対し何も出来なかった男は、最後まで何もできず終いで映画は終了。 最後、一人岩に佇む男。これがポランスキーの描きたかった事なのでは、と解釈しました。タイトルの「袋小路」は原題の直訳のようですが、ラストシーンの絵の通りどこにも行く事が出来ずにいる彼の姿、人間関係に行き詰まった心理状態の事でしょうか。一人の男の悲哀を描いた映画。 ここまでは、ポランスキーが映画を撮る才能とテクニックがある事を前提にした解釈。 細かな部分をあたると、ハッキリ言って描き方が余り上手でない箇所ばかり。 冒頭、悪漢が草の陰から上半身裸のカップルがイチャつく姿を覗き見るシーンは無用だし(後のその若い男の人物像もハッキリしない)、序盤からやたらと人物のクローズアップを多用するのも意図が見えず。車を懸命に押す悪漢の姿を捉えるカメラの動かし方もハンディーで撮ったような安っぽさが出ていますし、子供が銃を撃った時の客人の表情の細かなショットを連続で瞬時に見せるのもストーリーを勘案するとセンスのなさを感じます(子供が劇的な変化を生む訳ではない)。 冒頭で主人公に女装をさせるシーンも彼の情けなさを見せるのと、動けなくなった男の視点で彼を画面に出したかっただけでしょうし、また、後半で客が4,5人訪ねてきた時、カメラが最後を歩く男に注目していたので、この男がキーパーソンなんだろうと思い車で戻ってきた時に期待したのですが、女を連れ去るのみで特に驚くようなこともせず退散。これが一番酷かった。 いろいろとトータルで考えて、ポランスキーは映画を撮る才能やテクニックはこの時点ではなかったと判断。この映画は非常につまらないと考えるのが妥当だと思います。
[映画館(字幕)] 4点(2014-01-13 23:10:23)
7.  ブロンド少女は過激に美しく 《ネタバレ》 
いつの時代の話かはわからないのですが、この作品の背景にある文化というか思潮というか、とにかく登場人物の行動に理解し難い点が多々あり、その行動の動機などがほとんど謎のままで幕を下ろされたという感じです。 まず、冒頭の電車のシーン。男が隣に乗り合わせた女性に身の上話をする。「まずは、自己紹介をしなければいけませんね」と来たら、女は男の顔を見なければならないはずなのに、一度も顔を合わせる事もなく回顧が始まる。彼女は盲目で耳を傾けているのかと最初は思ったが、次に出てきた時は普通に目を合わせて喋っている。 また、回顧に入った中での叔父の言動。実の子でもないのに過度に干渉し、最初は結婚に口出ししてきたと思ったら、ストーリー後半になると一転して早く結婚しろとか言い出す始末。 最後も最後で、少女としては単純に魔が差して盗みを働いてしまい、婚約者からも消えろと罵られて茫然自失状態になり、正気を保つ事が出来ずにいたことで女としての身なり振る舞いを意識する事すら出来なくなってしまったと解釈したのですが、まぁここは、俺もまだまだ甘いということでしょうね。 その一方で主人公においては、ああいう時は女を庇うくらいの器量を見せたいところ。冒頭の電車の中で主人公が語り始める様子を振り返って考えてみると、あの男は彼女のとった行動にショックを受け相当に幻滅していたように思えますが、あの程度の事で誰かに話したくなるような衝動に駆られるなど、俺以上に甘ちゃんやなぁという印象(笑)。 主人公がパソコンで仕事をしていた事から現代のストーリーと考えられますが、叔父が権威を振りかざして結婚に干渉したり、主人公が万引きをしたフィアンセに幻滅したりと、貴族社会の話かと思わざるを得ないようなキャラクター設定やストーリーで、未だに消化不良が残る映画でした。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-21 20:42:00)
8.  ファウスト(1926) 《ネタバレ》 
ファウスト役のエスタ・エクマンという人は初めてお目にかかりましたが、自分が今まで観てきた映画の出演者の中でも、間違いなく一番のハマリ役というほどの風貌で、この映画に出るためだけに生まれてきたんじゃないかとまで思えてきます。 ストーリーは、悪魔に魂を売り若さを手に入れたファウストが多難の末に元の老人の姿に戻る展開ですが、悪魔に魂を売るきっかけというのが自己満足などではなく世を救いたいという理由からであり、また、若さを手に入れたことによって、ファウストではなく自分が愛した相手に不幸が訪れるというダブルの不条理劇が、一筋縄ではいかない面白さが出ていて良かったと思いました。 前半のあたりで、書物を燃やすシーンやメフィストとの絡みのシーンは非常に迫力に満ちていて見応えがありましたが、それ以降はややトーンが下り調子になってしまったのが今一つといった感じがありましたし、最後のシーンも、出てくる言葉が読めてしまい、ストレートで普遍性のあるストーリーが好きな自分でも、さすがにここだけはクサいなぁと思ってしまいました。〔柳下美恵さんの伴奏付きで鑑賞〕
[映画館(字幕)] 7点(2011-09-16 23:52:51)
9.  ブラック・ムーン 《ネタバレ》 
ひとことで言うと、幻覚を見ているような映画。 意味不明な事だらけだし、当然意味なんか求めるもんじゃない。 誰にでも当てはまると思いますが、こういう妄想系の作品って完全にフィーリングの相性ですので、監督によって合う合わないが決まってくるものだと思います。 例えば自分ですと、ゴダールなんかだと面白く感じたりもする一方、シャブロルやこの映画だと特に何かを感じたりというのはなかったです。 ヒロインのパンツがスルスルと脱げてしまったり、目覚まし時計を窓から何個も投げるところが面白くて、ちょっとコメディの雰囲気も出ていたような感じがありました。 たまに現れるユニコーンと、ピアノの鍵盤の上を歩いていた猫が名演。冒頭の穴熊もそうですし蛇やムカデなど、動物を自由自在に操っている映画って、それだけで不思議な感覚が倍増するような気がします。 それと、若干ブニュエルの影響を受けているような箇所もありましたね。
[映画館(字幕)] 4点(2011-01-16 22:42:15)
10.  フレンジー 《ネタバレ》 
これは良い意味で期待を裏切られた作品。 ヒッチコックの晩年の作品はあまり良いイメージがなく、主人公らしき人物には華がないばかりか、オープニングのテーマ曲もダメとくれば期待するものも全くないままで見たのですが、結婚相談所の殺害シーンをきっかけに見る目が変わっていったと思います。 主人公の友人ラスクが結婚相談所に来た時点では何の疑いも持たずに見ていたのですが、途中から徐々に様子がおかしくなり異常な性癖を現し始め、そしてついに正体を現したときの背筋が凍るような恐怖感。無意識から疑惑、確信へと移行する一連の流れが秀逸でした。 女友達のバーテンがラスクの家に入っていった時のカメラが後退していくシーンでは、「ロープ」(1948)をやっていましたが、実はその前に、ホテルで彼女が主人公と同じベッドで寝ているシーンでもその手法が使われているのを知った時には嬉しくなってしまいました。 最後は、主人公にあの刑事の奥さんの料理を食べさせてあげたかったですね。ムショ明けの人間には“スープ・ド・ポワゾン”はやはり美味しく感じられるのだろうか???(ポワゾン=poison←毒) [追記]ポワゾンはフランス語のpoisson(魚)で、“魚のスープ”ということ。毒などという意味じゃなかったです。失礼!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-31 18:13:34)(良:1票)
11.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 
感動はなかったけど、話には入り込むことができ、素直に面白く感じられました。 正直のところ、アメリカ映画臭がする映画はそれだけで避けていたのですが、これはドンパチ系でもなく星条旗バンザイ系でもなさそうだったので観てみましたが、こんな“アメリカ映画”もあったかと軽く驚いた気がします。 映画には万国共通の未来永劫に通ずる普遍性が必要と考える自分にとって、アメリカ野球界の八百長事件という限られた地域の限られた時代の人にしか知られていない事を題材にしたりするところなどが減点材料になってしまいます。 映画のコンセプト的には、野球を題材にする必要は特になくて、また、スポーツである必要すらなく、要は世代を越えて永遠に愛されるもの、それは音楽だったり芸術だったり何かのコレクションとかでもいい訳です。勿論、映画でも。 映画大国アメリカで最も人気のあるスポーツがたまたま野球だった。もしくは、野球が最も盛んな国アメリカが、たまたま映画製作においても大国であったという事なのでしょうかね。 一番感動したと言われているキャッチボールのシーンですが、父親が生きているところがストーリーに出てくればラストシーンでも感動できたのかもしれませんが、ナレーションや会話の一環で語られるだけなので、出てきたときの妙な違和感があります。思い出のような無形のものを形あるものとして映像に出すことの難しさがあり、原作を映画化したときの違和感とかと同じ感覚ではないでしょうか。後光を当てるとかで、父親の表情をハッキリ出さない方が良かったのでは・・・。 このキャッチボールという動作は、言葉を用いることなく出来るコミュニケーション手段であるため、一見説明不足で不親切かもしれませんが、その分おのおのが自由な気持ちで鑑賞でき、結果として多くの人に感動を与えるのだと思います。 子供でもできるシンプルさがあり、お互いの顔を見ながらできるので、何とも絵になるコミュニケーションですね~。
[映画館(字幕)] 6点(2010-02-20 11:17:00)
12.  不貞の女 《ネタバレ》 
ストーリーが凄く単純で、ひねりがなさすぎて全く面白くない。 普通にやれば40分くらいで終わっちゃうんじゃないかってくらい薄~~~いストーリーです。 自分が気になったのは、浮気相手を殺害した後の部屋の中を後始末をするシーン。 完全に証拠を消し去ったように描きたかったのでしょうか、死体の手の近くだけ血を拭き取っただけで、完全に拭い去ったようには見えず、おまけに、グラスの指紋を拭き取ってもいないし、とてもじゃないですが完全に証拠を消したようには見えませんでした。 そんなもんだから、「あぁ、あの時は完全に証拠を消し去っていたんだなぁ~」と後の警察とのやりとりで初めて解りました。 また、その後の死体を沈めるシーンですが、ヒッチコックのあの映画と比べるとまさに月とスッポンだし、布に包んだ死体もあの大きな人が入っているようにはとても見えないし・・・というわけで、ストーリーそのものも特に面白くもなく、細部に至っても注目するべきポイントもないという、かなり不満の残る映画でした。 ところで、「ドクトル・ジバゴ」という映画は観たことがないですが、その映画が面白いかどうかはともかくとして、その上映場所を不倫のきっかけの場としてしまうのって・・・どうなんでしょ?
[映画館(字幕)] 4点(2009-03-09 02:16:41)
13.  プラーグの大学生(1926) 《ネタバレ》 
鏡のシーンにちょっとビックリした。鏡の左端に写っている女はちゃんと写ってたのにバルドゥインだけが消えていましたよね。あれはどうやって撮ったんだろう?? 他に印象に残っているのは、自分の分身が行く手を阻み執拗に追ってくるシーンでしょうか。確かに追っている方も顔つきが怖くて、追われているほうも鬼気迫る表情でこれまた怖い。この、一人二役を演じたコンラート・ファイトとかいう役者に拍手(ちょっとフケ過ぎだけど^^)。あと、スカピネリ役のおっさんもなかなか怖い。いやむしろ、こっちの方が怖いかも。 やっぱり、昔の役者さんは現代の役者には絶対に出せない顔があって、見ていて凄く面白い。こういう怪奇な世界を味わうんだったら、やっぱりこの時代の作品に限ります。これもまた、クラシック映画の醍醐味と言えるでしょう(結論!)。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-04 17:19:30)
14.  フレンチ・カンカン 《ネタバレ》 
自分は映画に関しては素人同然ですが、エラソーな事を言わせてもらうと“良い映画は最初の10分でわかる”と断言したい(その逆もまた然り、ですが・・・)。うまく説明できないけど、最初のギャバンの登場シーンやらローラやら口笛やらが最高に良かった。この映画はここには書き尽くせないくらい見どころが多くて本当に困ってしまうのですが、まず、この映画が有する微妙なコメディの要素に注目。となりのカフェでお茶をしていたカップルは初めからカップルでいたわけではなく“白い女王”をダイナマイトで爆破したときの衝撃がきっかけでくっついてしまい、そのままずっと最後まで一緒にいて、事あるごとに登場するっていうのが、本当にチョットなんだけど微笑ましくて妙に面白いのです。また、ニニとその友達との会話で「芸人って身を任せなきゃダメなのよ。」「初めての人はポーロって決めてたのよ。まだ時間もあるわ。」と言うなり、ポーロのところに駆けていったシーンなんかはふき出しちゃうくらい笑えます。そのすぐ後、ニニがポーロの店に行っておじさんがいないのを確認すると、目配せだけでポーロのことを誘うシーンがありますが、あのシーンに完全にヤラレました!今どき、あんなキュートでロマンティックな誘い方をする女性はいないでしょう。 そして、何と言ってもラストのカンカンシーン。少し前までしょげていたニニの別人のようなあの笑顔にビックリ!これぞプロ魂。プロ根性でしょう。ダンサーの登場シーンのゾクゾクするほどの高揚感もさることながら、これでもかと言わんばかりのカンカンの連続に感動です!このように、映画のクライマックスをきちっと作り、観客を楽しませようとするエンターテイナーとしての心意気に感激しました。 これは、プロのエンターテイナーによるプロのエンターテイナーの映画です。当然10点。
[映画館(字幕)] 10点(2005-12-17 22:53:59)(良:1票)
15.  ふたりの5つの分かれ路 《ネタバレ》 
この映画は二人の離婚がスタートとなり、そこから過去に向って時間を遡るように進んでいく。5つの場面があるが、それぞれの場面において“何故離婚するに至ったか”という決定的な事情には一切触れられておらず、描かれているのはその時その時で起こった出来事のみ。友人を招いてのディナーで明かした「一度だけ裏切った」にしても、出産にわざと立ち会わなかったというある意味裏切り行為にしても、新婚初夜のそれぞれの過ちにしても、夫婦関係を継続し難い重大な理由には決して成り得ないものだと思う。 どんなカップルでも隠し事や後ろめたい事は必ずあると思う。様々な愛のかたちがあれど、それが永遠のものか、それとも離別に向かうものかなんてわからない、ということだろうか。 最後の場面で、マリオンと出会った時点で他の女性と結婚まで考えていたジルが、その後どのように変わっていったのかということを敢えて伏せたのがいい。そして、沈みゆく夕陽に向かって泳ぐ二人。二人の結末がわかっているだけあって、今までに感じたことのないような切ない気持ちになった。“夕陽に向かって”というのが二人の将来を暗示させているようで、とても印象深いエンディングだったと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2005-08-28 22:39:36)(良:1票)
16.  ブレア・ウィッチ・プロジェクト
まぁ、そこそこ面白かったと思う。終わり方が良くないと言えば良くないが、いかにもノンフィクションらしくていいと思う。けっこう緊張ししながら見てた。
6点(2004-06-03 17:40:08)
010.18%
120.37%
230.55%
391.66%
4295.35%
58515.68%
614426.57%
716630.63%
87313.47%
9234.24%
1071.29%

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