1. 2人のローマ教皇
バチカンも権力と対立の世界の縮図に過ぎないというテーマで、同じようにバチカンのタブーに触れたゴッドファーザーパート3の時は波紋しか生まなかったが、今回の許容は時代が変わったんだなと思わされる。ローマ教皇の「人間宣言」的な意味で金字塔になるだろう。正反対のキャラクターを持った2人の教皇を実話を基にタブーなく描き、コメディ要素を含む軽快なノリで全く予備知識がなくてもバチカンのシステムや雰囲気や歴史をつかめる。予備知識を得るには下手なドキュメンタリーより良質な作品 [インターネット(字幕)] 7点(2020-06-13 13:57:30) |
2. フル・モンティ
イギリスの「労働者文化」が生んだストーリーと言えるか。これぞ傑作というまとまりこそ無いが「順番待ちダンス」やらしいフットボールジョークの数々など笑える小ネタは随所に散りばめられておりコメディとしては佳作。貧乏だがアホな仲間に囲まれて、フットボールと酒を楽しんで、日本の企業戦士より幸せそうに見えるのは気のせいか [DVD(字幕)] 7点(2012-04-29 11:46:56) |
3. 4デイズ
マイケル・サンデル先生のハーバード白熱教室ですね。個人的には立ち居地は既に決まっており特に考えさせられることもなく終始ヘレンにイライラ。ストーリー的な面白さは感じたがサスペンスとしての結末が与えられなかった点で、SFならともかくサスペンスでこういう終わり方は許せず減点。 [DVD(字幕)] 6点(2012-04-25 16:54:49) |
4. ブレーキ・ダウン
途中まで単なる『激突』のパクリだと思ってたが、途中からまさかの怒涛の展開になり、最後はダイハードに。ほんとについていけないほどノンストップでバカバカしいけど面白い。こんないろんなもんパクって寄せ集めたようなB級映画ですらこのレベルの出来になるからアメリカ映画は凄いw [DVD(字幕)] 7点(2012-04-24 00:54:00)(笑:1票) |
5. ブラック・スワン
監督がレクイエム・フォー・ドリームのアロノフスキーだけにパーフェクトブルーの影響もありありと見られるが、バレエの世界の明部(芸術性と観客からの喝采)と暗部(過酷なトレーニングと出世争い)とニナの二面性を、白鳥の湖という作品にもリンクさせ描き出された見事な表裏一体性。ホラーとかサイコスリラーとかファンタジーはよほどでないと評価できないジャンルなんですが、終始惹きこまれる異色のリアリティ。芸術 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-20 07:27:11) |
6. フラッシュバック(1990)
叫ぶシーンのみジャック・バウアーの片鱗を見せるキーファーは見所。しかしいくらなんでもミッドナイトランすぎる。しかもおちゃらけヒッピー。それにしてもヒッピーというのは不愉快な連中である。 [DVD(字幕)] 1点(2012-04-09 07:01:30) |
7. フルメタル・ジャケット
前半10点後半6点平均8点!?ホラー性とアイロニー性とコメディ性と娯楽性の詰まった映画史上に残る前半部の見る価値がこの作品の存在価値そのもの。この前半部がプラトーンについてたらゴッドファーザー等と並ぶ映画史上最高傑作の1つが誕生してたな。 [DVD(字幕)] 8点(2012-03-28 23:15:25) |
8. ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
2ちゃんねる発のブラックコメディ。主演が小池なことも含めたいして期待してなかったが、意外と日本社会の暗部を痛快につく社会派ドラマで電車男より全然楽しめる予想以上の出来だった。2chには2chのノリがあるわけで、電車男(映画版)のスタッフはそこを理解していなかったようだが、その点この映画のスタッフはよくわかっている。 [DVD(邦画)] 7点(2012-03-12 11:19:57) |
9. FLOWERS フラワーズ
書くべきモノを書かず、既にストーリー上示されていて書いたら蛇足になるようなシーンは書く、各人物ウワベをなでただけのようなストーリー、それに加え時系列の並べ方のヘタクソさ。話がまったく消化不良で繋がってるのは血だけという薄っぺらい映画になってしまっている。まあ尺にも無理があっただろうが。脚本家と監督はゴッドファーザーを1000回見てみろ [DVD(邦画)] 4点(2011-05-30 07:23:45) |
10. プライド 栄光への絆
青春だね。日本人が高校野球を見て喜ぶように、これぞディスイズオールドアメリカという価値観だろう。フットボールの魅力に溢れる1本。実話なためどっちつかずに終わったのが残念だが。 [DVD(字幕)] 6点(2010-12-09 01:52:46) |
11. フローズン・タイム
正直どういう視点で見ればいいのかわからない映画。そもそもイングリッシュジョークはシュールすぎてわからん… [DVD(字幕)] 3点(2009-12-11 19:16:10)(良:1票) |
12. ファーゴ
猟奇的なシーンでも他のシーンと同列にストレートに描くのはコーエン兄弟の特徴である。個人的に暴力シーンや猟奇的なシーンと言えばスコセッシを思い起こすが、BGMやカメラワークなどを駆使して猟奇的シーンの「グロさ」を消しエンターテイメントに昇華するスコセッシに対し、コーエン兄弟は実にストレートに描く。この「装飾性のなさ」の使い方こそコーエン兄弟の映画が最も優れている点で、一つ間違うと深みが無く単調な映画と取られるのだが、あまりにもシュールで非現実的なストーリーを装飾無く淡々と描くことで逆に日常性を与えられリアリティを帯びてくるものとしている。そして馬鹿げたストーリーがリアリティを帯びてくることによって実に馬鹿げた猟奇的犯罪も「人間の行動」としてシュールなブラックユーモアに昇華されてしまうのだ。猟奇的犯罪のサスペンス映画がどこかコメディ染みているのはそこだろう。脚本の素晴らしさ、役者の演技の素晴らしさも加えて傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2009-12-10 17:41:59) |
13. ブーリン家の姉妹
時代劇ということで、時代劇にありがちなもっと時代考証に力を入れすぎていてゴテゴテしてて当時の価値観などある程度の知識が無いと会話内容を理解するのも難解だったり、風習など時代の雰囲気の再現にこだわりすぎていて話が進まないスピード感の無い作品かと思いきや、意外にも最低限の見た目上の時代考証のみで細かい所はばっさりし話の展開が重視され言葉使いも現代風のわかりやすい愛憎劇に仕上がっていて好印象だった。敷居の高いイメージがあるイギリス王室の時代劇だが、このような作品なら見ても良いと思え、これまで避けてきた同時代を扱った他の作品にも興味が湧くような内容だ。これでまだヘンリー8世の6人の妻のうちまだ前半2人の話なんだよなあ。この後ジェーンが王子を産んだ時点で決着しそうなものだが、同じような一族の出世レースと失脚・処刑は繰り返され、末には何度「黙殺」されそうになったかわからないアンの娘エリザベスに権勢が転がり込むんだから面白い。その辺までのエピソードも同じタッチで描いてくれれば喜んで見るんだが… [DVD(字幕)] 8点(2009-07-08 06:49:39)(良:1票) |
14. 不都合な真実
映画と言うより大学の講義のような内容。アル・ゴアはさすがに「一瞬大統領になった男」という所か、さすがにプレゼン能力は高い。政治的な主張はそれほど強くは無いのが良かった。映画として評価したり批判したりする部分は無く、要はプレゼンなのでぜひ見て自分で判断して行動してほしい。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-04 06:32:35) |
15. フォレスト・ガンプ/一期一会
これは一見フォレストの自伝のようであり、実はそうではない。フォレストという主観で物を語らない無垢の存在を案内役に、アメリカの社会を、歴史を、客観的視点から見つめ直す映画だ。ヒッピー文化は何だったのか主観で肯定したり批判したりする必要がありますか、彼らは皆1人の人間です。ジョン・レノンや大統領と接することは特別ですか、彼らもまたヒッピー達と同じ1人の人間です。そう語るかのように無名の放浪者だろうと、スーパースターだろうと大統領だろうと誰に接するにも何も変わらない態度で接する彼。何をするにも計算するわけでも人を陥れようとするわけでもなく失敗もするし、大きな成功もつかんでいく彼。世の中色眼鏡をかけずに偽善も悪意もなく生きるとどれだけ穏やかなのか、この映画は語っている。先進的な特撮を次々に導入しこの少し変わった映画を完成度の高いものにしようとしたゼメキスのセンスも光る。 [DVD(字幕)] 9点(2009-02-09 00:41:21)(良:2票) |
16. ファーストフード・ネイション
志は良かったのかもしれないが結局能力不足で上辺をなでただけの内容。 不特定多数の企業に悪影響を与える内容なのだからそれだけの責任を果たすべきだった。 攻撃するだけして逃げているだけで責任を果たしていない。 結局、主張も無く結論もない。だからこそドキュメンタリーに出来ずただのドラマにしてしまったんだろう。 映画内ではグリーンピースの精神を賞賛していたが なぜグリーンピースがテロリストと呼ばれるのかもう一度よく考えてみるべきだろう。 やっていることが同じだからな。 手紙は時間の無駄? 結局それだと論破されるから暴力に訴えているだけのことなのだ。 これは映像という暴力である。 [DVD(字幕)] 0点(2009-02-04 18:55:38) |
17. 15ミニッツ
及第点のミステリー。デニーロのタイプキャストですな。とりたてて絶賛する部分も無いものの、ちょっと社会風刺も混じらせた脚本、予想外なラストとしっかりミステリーしており安定しています。普通に楽しめるのではないかと [DVD(字幕)] 7点(2008-03-31 06:52:21) |
18. プラダを着た悪魔
《ネタバレ》 ミランダが言うとおり確かにアンディとミランダは似ている。本人は否定したわけだがそれは「名門ファッション誌」が自分の全てであるミランダと、「名門一般紙」が目的であるアンディの「価値観」の違いに過ぎない。ミランダが言いたかったのはその自らの価値観に基づく行動原理と決断力。アンディは自分の仕事の為に誰かを犠牲にすることは出来ないと言ったが、最後は自らの目的の為に最も裏切ることに決意がいる「女王」ミランダの下を離れた。だからこそミランダは「今までのアシスタントの中で最も裏切られた」と言ったのだ。しかし自分とアンディが似ていることを自覚しているミランダは「彼女を採らなければ大馬鹿者だ」とアンディの決断を強く支持したのであった。ファッション業界の華やかさを背景としてテンポよく職業観とキャリアプラン、女性のキャリアについて考えることが出来るなかなか優秀な社会派作品となっている。問題は今の世界が実力のある女性にどのようなことを強いている世界であるかということだ。Queenの「Killer Queen」がバックグラウンドに流れそうなメリル・ストリープの圧倒的な存在感はさすがだ。あと個人的にはジゼル・ブンチェンの特異な美貌に魅了されたが…まさかその後トム・ブレイディと結婚するとは [DVD(字幕)] 9点(2008-03-15 22:50:14)(良:1票) |
19. ブラック・ダリア
史実に基づくサスペンス。スカーフェイスを思わせる導入でアッと思わされたが、スカーフェイスやアンタッチャブルではバチっとはまっていたデパルマの味である鬼気迫るかのようなカメラのクライマックスがあるわけでもなく、どうも題材も生かしきれてないし監督も生かしきれてない。何でデパルマがやることになったのだろうと思っていたが監督が急遽変わったのだということを聞いて納得。これまではヒッチコックをイメージしながらも自分の色の映画を撮ってきたデパルマだが、今回はヒッチコックと同じようなものを撮ろうとしてしまったという感じ。構想が無かったのかな。それにしてもデパルマという監督は「はまる」作品と「はまらない」作品かで全然違うなぁ… [DVD(字幕)] 4点(2007-08-07 05:58:22) |
20. ファミリービジネス
シドニー・ルメットの映画は娯楽とは言えないが社会性をシニカルに描いた点で素晴らしい完成度を誇ってきたのだが、この映画は教科書通りのバカ正直さで何が言いたいのか逆にわからない。脚本の問題が大きいがこの中身の無い薄っぺらいコソ泥映画がルメットの作品だということが信じられずどういう経緯でルメットが撮ることになったのかが疑問に思う。それにしてもゴッドファーザーと比較してゴミ以下と評価されたかったのか、オーシャンズ11と比較してたってゴミ以下です。 [DVD(字幕)] 3点(2006-11-12 13:53:24) |