1. 福田村事件
《ネタバレ》 ドキュメンタリーが主戦場であった森達也の劇映画第一作ということでこのテーマを描くのかかなり期待していたのですが、脚本陣の影響が大きかったのかあまり革新性は感じられず、オーソドックスな「日本映画」に仕上がっていた印象でした。もちろん内容は素晴らしかったです。 ただ、森達也が描きたかったテーマは「善良な住民がなぜ虐殺に関与してしまうのか」ということだったと思うのですが、この作品では虐殺に関与する側とそれを止める側が(ややネガティブな意味で)わかりやすく設定されているため、テーマが薄まっているような気がしました。 このテーマを映画化しただけでも非常に意義があると思います。むしろ、なぜ事件から100年もの間、このテーマを主軸にした作品が作られてこなかったのか・・・・ [映画館(邦画)] 8点(2023-09-18 12:15:05) |
2. Fukushima 50
《ネタバレ》 原発の意義等議論はあると思いますが、現実として存在し運営されている中で、想定外の事故に対し決死の思いで頑張っている人たちの存在は否定することはできません。そういった意味で非常に貴重な映像作品であると思います。 [地上波(邦画)] 7点(2021-03-12 23:57:25)(良:1票) |
3. プーと大人になった僕
《ネタバレ》 仕事で精神的に疲れがたまった時にじんわりと効くような作品です。しかしまあ、舞台はイギリスですが、内容はまさに「This is アメリカ」というような展開でしたね。ファンタジーと現実をうまく結びつけています。 [DVD(吹替)] 8点(2019-05-25 23:52:08) |
4. 普通じゃない
《ネタバレ》 ハリウッド進出ながらも、どこかもっさりとしたイギリス映画の雰囲気が満ち溢れています。はっきりいってダサいんですが、そのダサさがとても愛おしく感じます。音楽も当時のUKロックの勢いを感じさせます。内容もロックです。とりあえず、ブレイク直前の【キャメロン・ディアス】の存在感は神がかっています。 [DVD(吹替)] 8点(2017-08-11 09:30:05) |
5. ブリジット・ジョーンズの日記
レニー・ゼルウィガーが絶妙な存在感を示していて楽しめました。 [地上波(吹替)] 7点(2016-11-06 09:19:44) |
6. 舟を編む
《ネタバレ》 まず、「辞書編纂」をテーマにした作品というだけで興味をそそられました。 そして、その地味ながらも崇高ささえ感じる辞書編纂の作業、そして言葉というものの奥の深さを感じました。 もちろん、映画としても良くできていて、辞書完成までの長い時間の移り変わりを流行やファッション等でうまく表現していたり、辞書だけでなく主人公の成長もはさみ込みながらのストーリー展開といった工夫も効いていました。 [地上波(邦画)] 8点(2015-11-26 00:48:28) |
7. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 タイトルにもありますが、これは夢、それも男にとって最高の夢を描いてくれている作品です。 栄光を求めながら、手に入れられなかった、また栄光への道を途中で奪われた男たちの夢、そして親子の確執を後悔している男の夢、そういったものを、自らの生活を犠牲にしてまで叶えようとする主人公一家の姿・・・誰が何と言おうとも私はこの作品に満点をつけたい。 [地上波(吹替)] 10点(2015-09-30 21:43:28) |
8. ぶどうのなみだ
《ネタバレ》 空知のワインを愛飲している者としてはやや物足りなかったです。ワイン作りの描写が中途半端で、もう少し時間を割いて取上げて欲しかったですね。 あと、昭和後期のアイドル映画のようなファンタジックな世界観は悪くはないですが、やや内容が薄いように感じました。「栄光と挫折、そしてそこからの再生」というテーマが、主人公だけでなく空知地域にも相通ずるものがあるものだけに、ドラマとしてもう少し掘り下げた作りだったほうが良かったと思います。 [DVD(邦画)] 6点(2015-08-14 10:58:41) |
9. フルートベール駅で
《ネタバレ》 差別という人類が抱える闇の深さにいろいろと考えさせられました。 差別の恐ろしいところは、ある種のレッテルを貼ってその人たちを見てしまい、この映画で描かれているような普通の人間としての姿が見えなくなってしまうことです。 恐らく、主人公を射殺した警官も、彼を「何をしてくるかわからない危険な犯罪者」、「彼らは社会を脅かす危険な存在で排除しなければならない」としか見ていなかったのでしょう。 まあ、そういう考えに至らせるような行為を実際にしてしまう輩もいないことはないのでしょうが・・・・・ とても難しい問題です。 [DVD(字幕)] 8点(2015-02-01 23:22:55) |
10. フォーカス(2001)
《ネタバレ》 排外主義・差別主義の恐ろしさや愚かさをわかりやすく教えてくれる作品 排外思想は単純で非常に分かり易く、またそれ故に人に優越感や爽快感を与えてくれるものである。 この作品の主人公達も、外見上の問題でたまたま被害者となっているが、作品の中で何とか加害者側にまわろうとする努力をしている点もしっかりと描かれていてこの問題の難しさを映し出している。 [地上波(字幕)] 8点(2014-07-12 01:45:44)(良:1票) |
11. 42~世界を変えた男~
《ネタバレ》 人種差別が個人の考えの範疇にとどまらず、社会の常識であったという恐怖。 その恐怖に立ち向かい、尚且つ打ち勝った主人公そして、その主人公を支える周囲の姿にはただただ感服の意を表するしかありません。 まあ、タイトルには「世界を変えた」とありますが、正直「変えた」のではなく、「おかしな慣習を改めた」というのが正解だと思います。 [DVD(吹替)] 9点(2014-05-31 00:48:07) |
12. 武士の家計簿
《ネタバレ》 今見ると、堺雅人が「半沢直樹」に見えて仕方ありませんが、藩政に於いて財政運営の重要度が高い時代の武士の姿を描いていて非常に興味深かったです。フィクションの部分も多分にあるのでしょうが、何となく現代に通じる要素もありましたね。 [地上波(邦画)] 8点(2014-01-05 11:26:11) |
13. 芙蓉鎮
人間に感情や思考がある限り、もっと簡単に言うと人間に心がある限り完全な平等、完全なイデオロギーの実現などは絶対にありえないと思います。そういうことをある女性の姿を通じて描いてくれているとともに、中国の文化大革命とはなんだったのかということを伝えてくれる貴重な映画です。 まあ、文革の被害を描きながらも、体制側の人物は元々堕落していた一人を除いて断罪されることがなく、むしろ当時の世相が悪かったんだ的な流れになっているところが、今も続く中国の共産党一党独裁体制の状況を伝えてくれる形になっていて、いろいろ考えさせられますね。 また、恐らく数千年前からこういった権力の変遷を乗り切ってきた中国の人々の底力というか、適応能力の奥深さも教えてくれる映画だと思いました。 こういった素晴らしい映画を紹介していただいた、岩波ホール総支配人を長らく務めた高野悦子さんのご冥福をお祈りいたします。 [ビデオ(字幕)] 8点(2013-02-16 23:12:47) |
14. プリンセス トヨトミ
《ネタバレ》 原作を読んでから観たので、どうしても鳥居と旭の男女逆転の設定に違和感を感じてしまいましたね。まあ、旭役に適した女優がいなかったらしいので仕方ないとは思いますけど、旭が男という設定だと、ストーリーの展開まで変えなければならなくなりますからね。 ストーリーは面白いので観れないことは無いのですが、設定変更によって元々荒唐無稽な物語がさらにありえない物語になってしまっているのが・・・・。 [DVD(邦画)] 6点(2012-07-08 09:47:21) |
15. ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実
《ネタバレ》 まあ、「平和の祭典」を見事に血で汚したテロリストたちには、理由がなんであれ怒りを感じますね。また、悲劇の舞台となったのが、ホロコーストの当事者であるドイツで、テロ対応も失敗してしまうのが何だかなあ・・・・という感じでしたね。このような悲劇があっても五輪が続けられたことにも驚きました。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-22 23:09:23) |
16. ブルーバレンタイン
《ネタバレ》 昔「男と女の間には深くて暗い川がある」という歌詞の歌がありましたが、まあ結婚に対する夢も希望も打ち砕くようなリアルなストーリーでしたね。なんと言うか、すれ違いが生じたとき、それをなりふり構わず修復しようとする男とある段階で一気に関係を終わりにしようとする女の姿が非常に痛々しかったですね・・・・・。 しかし、良く出来ている作品ではありました。最後の花火の映像は本当に哀しい美しさでした。 また、男が怒って結婚指輪を投げ捨てた後、我に返って必死に探す姿が印象的でした。 [映画館(字幕)] 8点(2011-08-12 00:21:29) |
17. FLOWERS フラワーズ
《ネタバレ》 化粧品のCMをそのまま映画化した感じでしたね。内容については女性向けなので男の私がとやかく言えるものではありませんので・・・ 今の日本映画界を支える主役級女優が6人もキャスティングされていますので見栄えはとても良いですが全体的にはやや散漫な印象を受けました。やはりメインディッシュは1品、多くても2~3品でいいかなというのが正直な感想です。 昭和初期から現在の流れの中で、画質もその時代時代のものを再現しているのが非常に面白い試みだと思いました。できることなら昭和の日本の街並をもう少し映し出して欲しかったですね。 [DVD(邦画)] 6点(2011-06-05 10:30:04) |
18. 不倫期限
《ネタバレ》 ストーリーは極めて単純です。妻以外の相手と不倫している男が、妻と別れて不倫相手と一緒になろうとする・・・。これだけです。 ただ、これだけの物語ではありますが、日常描写のリアルさと会話の面白さ、そして巧みなテンポの展開が観ている者を心地よい感覚に導いてくれました。 なかなか、この監督から侮れない才能を感じましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-01 21:46:33) |
19. フェアウェル さらば、哀しみのスパイ
《ネタバレ》 冷戦時代の緊張感を思い出させてくれる、見応えのある作品です。エミール・クストリッツァの圧倒的な存在感がとても印象的でした。終盤の展開は事実に基づいた作品であることが信じられないくらいでした。 また、当時の各国首脳も出てきますが、演じる役者が微妙にそっくりさんで中々笑えます。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-27 21:56:40) |
20. ブンミおじさんの森
《ネタバレ》 なんだか良くわからないけど、凄い映画であることはわかりました。なんと言うか、上映中ずっと自然の力に包まれるというか、胎内の中にいるような感覚(良く知りませんが)を味わえる作品でしたね。癒しや懐かしさのような不思議な感覚が心の奥底から呼び起こされるような感覚を味わえましたね。 ただ、非常に眠気を催させる映画でもありました。これで寝たら本当に気持ちいいだろうなと思いながらも我慢していましたが・・・・・・。 [映画館(字幕)] 5点(2011-04-17 15:55:17) |