1. ブロークン・フラワーズ
何となく見る前からゆる~い感じの作品だという覚悟はできていましたが,まさかその予想がここまでどんぴしゃで当たるとは思いませんでした。。こういった雰囲気の作品は個人的には何も考えずに見ていられるので嫌いではないのですが,本作に関してはどちらかといえばやはりつまらない作品だと思います。最後の盛り上がりに期待しましたが,その辺もやや精彩に欠いているように見えました。決して駄作ではありませんが,この映画よりもいい映画は数えきれないほどあると思ったので平均以下の4点ということで。 [DVD(字幕)] 4点(2007-11-24 23:32:16) |
2. フルメタル・ジャケット
《ネタバレ》 皆さんも言われている通り前半と後半ではまるで別の映画ですね。繋がりもなければ場面も全く違います。前半で描かれる,ただひたすらに敵を殺す機械を作る軍隊はある意味では戦場よりもつらい場所なのかも知れません。恐ろしい軍曹がいて,ヘマをすれば連帯責任,原因になったうすらデブはいじめに…本番の戦争以前に,この時点で人はなんて非生産的なことを時としてしまう生き物なんだと思わされますね。前半のパワーが圧倒的なのは言わずもがなですが,意外と私は後半も嫌いではありません。楽しげな戦場で売春婦を束の間の楽しみにする戦士・一転やってくる敵の奇襲,まさに戦場というのは正気と狂気の入り交じった場所だと思った最後にそれを最も簡潔に象徴したかのようなミッキーマウス・マーチの行進…いやーやられました。キューブリック作品でも1, 2を争うくらい好きな作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-17 05:54:37) |
3. ブロークバック・マウンテン
人目を忍んで恋をする切なさや,どう声高に主張しようとも世間に認められない哀しさが全編から伝わってきました。同じような状況は古くから身分違いの恋といった形で映画でもよく描かれてきたテーマでしたが,それが一転同性愛という形で描かれていたのはやはり新鮮で,すっかり見入ってしまいました。グスターボ・サンタオラヤによるオリジナルスコアの数々も素晴らしかったですが,やはり劇中で流れた"He was a friend of mine"という曲が素晴らしかったです(ボブ・ディランの曲なのかな?)。大自然をバックにした映像もよかったです。私自身未だに同性愛者への偏見を拭えない一人ですが,こうした映画によって考える時間を与えられたことは一つの機会かもしれないとも感じました。この映画の二人の切なさを思うと,テレビで同性愛者的なキャラクターをネタにしている有名人に唾でも吐いてやりたくなります。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-17 05:32:18) |
4. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 映画に登場する小道具や大道具、または舞台などの随所にハイセンスさが感じられさすがと思う反面、ストーリー的にはいかがかと思わざるを得ない部分もありました。ファイト・クラブが人々の心を掴むところまでは非常に納得がいったのですが、その後のタイラーの言い分はただの屁理屈に見え、テロ集団に発展するまでになると正直現実味がなさ過ぎです。オチもわかったところで感動は起きず、ふーんというだけで終わってしまいました。ラストのビルが崩れ落ちる映像は手抜きにしか見えなかったところも残念です。しかし主演の二人は見事に役どころにハマっており、観ている間は素直に楽しめたのでまずまずの佳作といっていいと思います。 [映画館(字幕)] 6点(2007-04-10 00:32:30)(良:2票) |
5. フィラデルフィア
《ネタバレ》 下の方もおっしゃってる通り、この映画から14年しか経っていないにもかかわらず随分時代が変わったことを感じさせる映画です。今ではエイズが握手や会話などで感染するわけがないことくらい小中学生でも教育を受け理解している社会なのに、この頃は弁護士という職の一人前の大人でさえもそのことを知らなかったんですね。平成の時代を生きてい私たちには少々衝撃でした。この映画が当時の世間のエイズに対する理解に一役買ったんだろうと勝手に想像しながら観ていました。しかしエイズに対する理解が深まったとはいえ、エイズの方々に対する差別や偏見が完全に拭い去れたとは言えない昨今、これからもこういった真摯な姿勢で作られた映画が広く観られることを望みます。肝心の内容の話ですが、法廷劇特有の一進一退の駆け引きが見られ、見応えある作品にし上がっていると思います。一審の判決が出た直後にすぐに上訴の手続を、と吐いた被告側の弁護士のセリフが何とも現実的でリアルな、血の通わない社会を如実に映しているような気がしました。もう少しパンチのある描写と、無駄を省いた展開、またはデンゼル・ワシントンがエイズに対する理解を深める過程が丁寧に描かれていたらよかったと思いますが、普通に満足です。 [DVD(字幕)] 6点(2007-04-04 23:41:58) |
6. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 ファンタジーだからといってここまで何でもありな展開だと見ていて滅入ります。。本当にこんな話があったらいいよなぁ、っていうのがファンタジーのはずなのにどうにもリアリティがなさ過ぎてこんな話あるわけないだろ、って目で見てしまいました。それでも過去の野球選手の中から敢えて八百長によって追放された選手たちを選んだことで、プレイヤーたちの野球への真摯な姿勢や情熱が観ている者にも効果的に伝わっていること、また若い姿に戻れなくなってしまったドクターグラハム、そしてもちろん最後のキャッチボールのシーンはよかったです。 [DVD(字幕)] 2点(2007-02-16 17:33:38) |
7. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
のちに発見されたビデオテープという設定なので、どうしても映像が途絶えるまで(最後まで)取り立てた山場がないのは仕方ないとは思いましたが…こういった作品になるのなら元の設定から変えてもよかったのではと思いました。ただ予算的な制限の中で生まれた作品ですし、アイデアや撮影方法を見ていると随所に工夫も見られたところはよかったです。 [ビデオ(字幕)] 1点(2007-01-13 23:29:30) |
8. フェイク
どうもジョニー・デップがアル・パチーノの心を摑んでいく様子がピンと来なかった気がします。無愛想ながら仕事ができるクールな部下、ってだけならジョニー以外にもいたのでは、という感が否定できず、本物のジョー捜査官も実際そんな男だったのか疑問になりました。その設定さえ呑み込めばアル・パチーノのマフィア役もすっかり板についてますし、ラストの切ない感じも何とも言えません。 [DVD(字幕)] 4点(2007-01-13 23:22:12) |
9. フォレスト・ガンプ/一期一会
《ネタバレ》 一見全てがうまくいっているようにも見えますが、一般の人々の人生もうまくいったことばかりを繋ぎ合わせていけば(さすがにこの映画ほどではないかもしれませんが)、意外とそこまで作りすぎたストーリーではないような気もします。この時代にしてはなかなか上手にこなしたCGもよかったですし、全体を通して安心して見ていられる作りも個人的には好きです。終盤以外はフォレストが自分の人生を語るような構成になっていますが、そのお話が嫌味に聞こえないのもフォレストが知的障害を抱えた人であるという設定に妙があると思いました。同時にその人物設定により、幸せになるためには学歴も財産も、健常者かどうかってことも全く関係ないってことを伝えようとした作り手の手腕に敬意を表したいと思います。 [ビデオ(字幕)] 9点(2007-01-08 18:35:40) |
10. プライベート・ライアン
生まれて初めて見た戦争映画がこれだったので、戦争映画ってこんな感じなのかというイメージがついてしまいました。今考えればとんでもない固定観念を持ってしまったもんです。冒頭の大激戦が目立ちがちですが、大衆的な戦争映画にさせない丁寧な作りも見逃せません。色褪せた戦場の無機質な映像を背景に、突然の敵の襲来、それに次ぐ死んだ戦友を埋めるシーンなど、映画内に大きく起伏を持たせながらも、常に次にいつ新たな敵が襲ってくるかもしれない緊張感を絶やさずに描いたところは、スピルバーグの実力ならではだと思いました。一人の戦士のためになぜ自分たちが命がけの任務を課せられなくてはいけないのか、意味の理解できないall for oneの例を通し、大きくは(無意味なone for all, all for oneの塊と言えそうな)戦争の無意味さを投げかけているような気がしました。 [映画館(字幕)] 6点(2007-01-06 22:01:53) |
11. ブラウン・バニー
《ネタバレ》 目が合って言葉を交わすでもなく次はキス…こんな凄腕のナンパ男がいたら見てみたいですね。正直最初のバイオレット(だったかな?)が置き去りにされるのは可哀想な気もしましたが。ロードムービー的な要素も強く、映像も音楽も嫌いではないのですが少々ギャロが目立ちすぎ?途中がギャロ一辺倒なのは残念です。ただ話的にはなかなか考えさせられる点も多く、(ギャロにそんな意図があったかはわかりませんが)改めて性犯罪の悲惨さを痛感させられました。ただここまで後味の暗い映画も珍しいかも…「ボーイズ・ドント・クライ」や「ダンサー・イン・ザ・ダーク」以来でしょうか。しかもラストをあんな掟破りな手法で描かなくても充分映画としては成り立ったはずなのでもったいないと思いました。 [DVD(字幕)] 2点(2006-12-26 16:56:44) |