2. フリック
《ネタバレ》 小林政広の監督作品は他にもいくつか観ているが、本作には監督のそれまでのフィルモグラフィの総決算という意味が込められているように感じた。独特の人物描写を保ちつつノワール的な世界観を構築するかと思ったら、後半でメタレベルの視点が導入されたりと、なんだか監督の頭の中を覗き込んでいるような感覚。それでもある種の押し付けがましさを感じないのは、監督が適度に自己抑制しながら映画を作れているからだと思う。何度も繰りかえされるパンニングが浮遊感を醸し出す映像も良かった。 [DVD(邦画)] 8点(2008-08-03 12:10:05) |