2. ブラッド・ダイヤモンド
《ネタバレ》 この物語はダイヤモンド崇拝が悪だ、という伝え方をしてるみたいだけど、実際はダイヤモンド崇拝よりも腐敗しきっている政府が悪いのではないかと感じました。その腐敗を利用し、搾取する側は容赦なく搾り取る。この図式が成り立ってしまっているから、RUFも増長するし内戦も終わらない。現実はこの映画よりもっと惨いのでしょうね。事実よりはやわらかく描いてそうですが(少年兵とか)、事実として作った映画の中ではかなりいい出来だと思います。なんでこんなに見てる人少ないんだろう・・ レオナルドディカプリオの「孤独」な密売者の演技はすばらしかったです。はまり役だと感じました。彼は最後アフリカの土を手にとって何を思ったのでしょう。黒人社会で生まれた白人ということ、おそらく?差別されて育ったんだろうということ、それでも戦いの中では人種関係なく一緒に国のために戦ったということ、圧倒的な虚無感に支配されていて、乾いた人間になってしまっているということ。ほかの映画ではあまり見られないぐらい、「アーチャー」という人間のバックボーンがよく描けていたと思います。アーチャーの回想からも、アーチャーの行動からも。彼にとって、アフリカは彼の愛しいふるさとだったんだろうなあ。神はこの地を見捨てた、と言った時のアーチャーの表情に涙しました。アーチャーは、生きていてほしかったです・・ [DVD(字幕)] 9点(2008-01-22 10:53:46) |