1. ペティコート作戦
第二次世界大戦が始まる前から、米国は、文化人類学者などを総動員して日本人を研究していたらしく、日本人論の古典「菊と刀」が生まれたのもそのためだが、この映画を見ると、日本女性の胸のサイズにいたるまで当時研究が及んでいたことが窺われその徹底振りにただただ恐れ入ってしまう(ちなみに、ワコールの前身の和江商事がブラパットを販売し始めたのは戦後の1949年なので「日本人のはこんなに大きくない」というのは正確にいうと疑問である。が、そんな時代考証云々をいっても仕方がないと思わせるだけの虚脱感がこの作品にはある)。士官の軍服姿が全然似合っていないケーリー・グラントが可笑しかった。この人は私服姿のほうが断然サマになると思う。 7点(2005-03-20 00:25:14) |
2. ヘアー
オリジナルの舞台が1968年。1979年の映画化はいかにも証文の出し遅れの感があるが、ビデオになったことで、世界中でいつでもこれを観ることができるようになった。中盤まではなんじゃこれはという展開だが、最後のたたみかけはそれを吹き飛ばすだけのものがある。エキストラが一杯のラストシーンには、映画館ならばさぞやと、圧倒された。戦闘シーンが全く無い反戦映画の傑作。舞台の方は観ていないが、テーブルの上でのダンスシーン、ネバダの錬兵場での訓練のリアル感、そして最後の数分間などが舞台では表現できず、映画ならではの部分だと思う。 9点(2004-05-13 18:45:25) |
3. ベニスに死す
主人公のキャラクターは、自分からは遠いが、全く共感できないかというとそうでもない。この映画の成否は、タッジオが初めて登場したときに美しいと思えるかどうかで決まる。私には美しい少年に思えた、というか、はじめは美少女かと間違えたくらいだったので、そのまま主人公にすんなりと感情移入できた。ベニス駅にきっちり荷物が着いていたらグスタフはそのままミュンヘンに帰っていたのだろうから、運命の偶然とは恐ろしい。 8点(2004-03-26 19:04:42) |
4. ベン・ハー(1959)
《ネタバレ》 文字通り大作。「序曲」の長さからしてまず圧巻。ガレー戦でたくさんの囚人が漕ぎをさせられる映像もその過酷さが手に取るように感じられ圧巻。誰もが指摘する競技場での戦車のレースは本当に圧巻。主人公とその家族につぎつぎとふりかかる出来事の悲惨さもこれまた圧巻と、4時間近くの長尺ながら圧巻、圧巻の連続で時間の経つのを忘れていた。これならばさぞかしラストも圧巻だろうと思っていたら、想像を超えて圧巻だった。ゆ、許し難い。最低。この結末だけは絶対にアッカーン(怒髪天)!! 2点(2004-02-12 14:07:37)(笑:3票) |
5. ペーパー・ムーン
昨日ケーブルTVで観る。この父娘らしいコンビには既視感があるなとおもっていたら、この秋に封切られた「マッチスティックメン」と似ているじゃない。あ、向うがこちらに似ているのか。われながら単純と思うのだけれと地平線が見えるラストシーンには無条件に感動してしまう。たぶん西部劇が好きなせいだろう。 8点(2003-12-08 07:50:44) |