1. ベニスに死す
《ネタバレ》 久しぶりに見直して改めて感じた事は、この作品は自分の中で老いというものを意識した時に初めて心に響いてくる作品ではないかと言う事。主人公が求めたものは自分が失った若さと美だったと思う。その象徴が美少年だ。もう二度と手に入らない物を求め続ける主人公。自分でも気付いてる。そんな自分を笑いながらも、なお諦めきれない自分の愚かさに涙する場面。名シーンだ。ラスト、砂浜で白髪染めを額から垂らしながら息絶える主人公に対し、太陽の光を浴びて眩しい位に輝く少年。あまりにも残酷だ。しかしその残酷さゆえに真実がある。そして僕は醜い主人公の中に美しさを見てしまう。 [DVD(字幕)] 9点(2006-04-20 23:20:29) |