1. ベイビー・ブローカー(2022)
《ネタバレ》 ワタシは見ていて、「八日目の蝉」を思い出していました。どうしても我が子を手放さなければならないソヨンの強烈な母性。単に愛情などというのもではなく。そうであるならば、最後に譲り渡すことにしたご夫婦こそ、愛情深いと思われ。これはいいです。 [DVD(字幕)] 8点(2023-02-04 14:06:28) |
2. ペイ・フォワード/可能の王国
《ネタバレ》 まあまあ、面白い。けれど、やっぱり唐突な感じがする。唐突その1 なぜ彼はあのアイディアを着想したのか?(浮浪者とのやりとりがきっかけのようだけど)、唐突その2 どうして、あんなに老成した聖人のような感じにたどり着いたんだ(記者のインタビューのシーン)、唐突その3 なぜ、先生への善意が自分の母親と引き合わせることなのか、唐突その4 なんで死んでしまうのか。というか、監督は彼を殺す選択をしたのか。唐突な成り行きと道徳的なメッセージ。つまり、なんか寓話みたいなんですよ。現代を舞台にしたイソップというのがワタシの本作の解釈です。ココロには残るけど、なんかモヤモヤする。以下余談。「利他」という考え方なんだとは理解していますが、このアイディアを厳密に考えると、そう簡単に善意を受け取れなくなりますよね。善意のネズミ講が飽和した先には、相当窮屈な世の中があるようにも思われ。なんて考えてしまうのが、日本のロクでもないワタシです。 [DVD(字幕)] 6点(2021-12-08 20:22:54) |
3. ベイビー・ドライバー
《ネタバレ》 音楽を聴くことで、事故の後遺症の耳鳴りが消え、才能が覚醒する天才ドライバー、逃がし屋ベイビー。しかも、銀行強盗の物語なんていえば、まるで伊坂幸太郎の小説の主人公であり、設定なワケです。だからまあ、そこそこおもしろいのですが。伊坂の小説の特徴である、ある種残酷さや、それでいて軽妙さなどについて、それ(小説)には及ばないといった感想です。みんなでベイビーを救う最後のくだりなんて、ヤボの骨頂じゃないですか。そこまで説明してくれるなよ。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-10-13 19:18:18) |
4. ペガサス/飛馳人生
《ネタバレ》 うーん。なんだろうなあ。例えていうなら、昭和の少年雑誌で早々に連載が終わってしまったC級レース漫画を、なぜか現代の技術で実写化に成功してしまったような感じ。だから、基本的にはつまらないんだけど、妙な感じでオカシイところがあるんですよね。「朱春娟(チュンジュエン)のおかげだ」というところで、不覚にも笑ってしまった。一体誰なんだよ。なんか、取るに足らない面白さとでもいうのかなあ。破綻してるけど、憎めない。不思議な映画だったなあ。どうしても2点だとは思うんだけどね。 [DVD(吹替)] 2点(2020-12-18 20:45:58) |
5. 別離(2011)
《ネタバレ》 中盤少しタルかったとしても、9点。「家庭の幸福は諸悪の本(もと)」(by太宰治)。娘同士が憎しみ見つめ合うシーンが恐ろしい。 [DVD(字幕)] 9点(2017-10-09 21:37:53) |
6. ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ
《ネタバレ》 うーん、これは。いわゆる「2時間ドラマで十分」ってヤツではないでしょうか。登場人物、どいつもこいつもワキが甘すぎる。劇場型の特殊詐欺が横行する現代を生きるワタシとしては、だまされる方が悪いと言いたくなる。面白いにもかかわらず、邦題のせいで損してるって思うことは多々ありましたが、本作の炭酸が抜けたような塩梅には、むしろこの邦題がピッタリ。 [DVD(字幕)] 3点(2016-03-19 21:06:19) |
7. ベイマックス
《ネタバレ》 プニョンプニョンしたベイマックスがかわいいのだから、武装してからも中身の「こころもとなさ」を活かしたらよかったのになあ(はみでるとか。中だけパンクしちゃうとか)。そうじゃないから、戦隊ヒーローもののバッタモンみたいになってしまうんだ。最後の脱出シーンまでのタメだったのでしょうか。動きのあるシーンのスペクタクル感はよかった。「あ、これは映画館でみるんだったな」と思いましたもん。しかしまあ、全体としては可もなく不可もなく。あと、「2」はありそうだし、そのときには兄貴は実は生きているのではないかな。 [DVD(吹替)] 6点(2015-04-24 23:08:29) |
8. ペコロスの母に会いに行く
《ネタバレ》 原作のボワっとしたかわいらしい感じから、赤木春恵と岩松了で大丈夫かと心配しつつ観たモノです。結果、心穏やかにみることができました。それは、映画全体から岡野家のおそらく味噌くさいような匂いというか、加齢臭というか、人間くさいかおりが漂ってきたからだと思います。無味無臭の真逆な映画。なんか馴染む。赤木春恵さんの洞窟のように暗い瞳がスゴい。岩松了のなにか卑猥な眼つきが好き。なお、鑑賞後こんなに面白い原作だったかと再読しましたが、前読んだときよりも、しみじみ読むことができました。 [DVD(邦画)] 8点(2014-09-07 16:45:00)(良:2票) |
9. 蛇イチゴ
《ネタバレ》 マスダ君のお母さんはたぶんホントに病気なのでしょう。倫子の信じていたものがことごとく崩れていく。父も母も、恋人も。うそつきなはずの兄も、蛇イチゴを採ってきてしまう。西川監督のデビュー作。物語後半、こなれた感じの関西芸人が映画の雰囲気を全部持っていっちゃって、ぼやけてしまった。いや、宮迫氏がどうということではないのですが、つみきさんが受けきれなかった感じ。 [DVD(邦画)] 5点(2013-05-18 07:51:44) |
10. ベンジャミン・バトン/数奇な人生
《ネタバレ》 クィーニーの言葉が印象的。「みんな行き先は同じ。ただ、違う道を通っているだけ」。ベンジャミンも、この世に生を受け、成長し、恋愛し、愛する人に抱きしめられて看取られ死んでいくワケです。ただ、そのプロセスが他の人と大分違っていただけ。だんだん若返っていく、という怪物といっていいベンジャミンなのですが、「少し変わった人」として周囲から受け入れます。その体質から、必ずとんでもないドタバタが始まるのだろうと思い、心配しながら見てましたが、それがない。淡々とした感じがとても良いです。いつかもう一度、いらぬ心配をすることなく、デイジーとベンジャミンの物語として観てみたいです。そのときは、必ず点数が上がるだろうと思っています。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-15 07:35:05)(良:1票) |
11. ベルヴィル・ランデブー
《ネタバレ》 歌とダンスのシーンは、かなり好き。サントラ買ってもいいくらい。しかし、他のシーンはかなりキツイ。あえて演出されたザラついた感じだと思いますが、心の奥底で受け入れられない感じ。いろんなもののバランスが狂ってる上に、出てくる食いもんがいちいちまずそうなんだもん。鑑賞後、「紅の豚」で口直ししましたけど、これってもしかして、○ブリの思うつぼですか?【10-12-25;追記】サントラ、やっぱ買っちゃいました。こりゃ、かっこええぞ!+2点! [DVD(吹替)] 5点(2010-12-18 23:29:58) |