1. 変身(2005)
《ネタバレ》 DVDケースには「彼を献身的に愛する究極の愛の形を追求した」と書いてあるけど、ほとんど感じられなかった。蒼井優の演じる女の子がつまらなくて、病み上がりにこんなにだらだらしゃべられたら、人格変容者でなくてもイライラするよな、と思ってしまった。メイキングを見て、この女の子はそういう劣等感を持つ子だと知って、なら蒼井優の演技は正解か、と思ったが、メイキングを見せなければ伝わらないのでは、演出の失敗だ。「恵」はある段階で強くなるんだそうで、「死ぬなら私の目の前で死んで!」というせりふは確かに感動ものだったが、その後は、無意味なおしゃべりこそ減ったが、やっぱりまとわりつく女の子だった。 思うに、「日本人離れした美形」(監督の玉木評)の玉木をラブストーリーに使う限り、役柄が平凡な設定でもその美貌は画面に出るわけで、その相手役には芯がなければ釣り合いが取れないのかもしれない。宮崎あおいや小西真美奈が輝いたのに比べて、蒼井は損をしたかな。 再手術をしたら移植された脳を取り除けるか?クライマックスで主人公が教授にたずねる。もちろん教授は反対する。「廃人同様になってしまうぞ。」主人公は答える。「この世界で生きることができなくても、無意識の世界でなら成瀬純一は生きられると思うのです。」イイせりふだ。しかし玉木宏の言い回しは、ダメだとは言わないが感動的でもなかった。北村和夫のせりふはさすがに明瞭で聞き取りやすい。唇が良く動いている。学問的なことしか考えていない教授の人柄が浮かんでくる。出演作に応じて様々な学習する玉木だから、舞台人の発声とせりふ回しを勉強したら良いと思う。役者が上がると思う。ライヴ活動も良いけれど。 [DVD(邦画)] 2点(2009-12-20 00:21:06) |