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1.  ペパーミント・キャンディー
幼い頃、ドロップ缶が好きでした。いろいろなドロップが入っていて、何の味が出てくるか、振って出してみないと分からない面白さがありました。そんなドロップの中で、はっかドロップは嫌いでした。なぜかというと、甘くないからです・・・子供でしたからね。この作品、「ペパーミント・キャンディ」、タイトルだけを見ると、「甘い青春の1ページ」みたいな内容かと思えますが、はっかドロップと同様、全然甘くないです。むしろ、からい。にがい、苦しい。それでも主人公はつぶやきます・・・「人生は美しい」と。1999年からスタートして、時をさかのぼることでストーリーを見せていくという技法は、映画としては新鮮でよかったです。汽車の線路の風景を逆回しにしたフィルムで見せていくのも新鮮でした。純粋で純朴な青年が、やさぐれていく様子が逆回しで、つまり見ていくにつれてピュアな心に接することができたのでよかった。でも、内容的には重いので、見てからいろいろ考えさせられました。彼にとって幸せとは何だったのだろう、どの分岐点が彼を苦しめたのだろう、彼のようにならないためにはどうしたらいいのだろう・・・。重い内容を重く受け止めたその先に、見えてくるものがきっとあると思います。それはおそらく、見た個人個人によって違う。それでいいんだと思います。惜しむらくは、現代→過去、というストーリー展開のために、1回見ただけでは、細部がまったく分からない。続けて2回見て、ようやくあちこち納得しました。映画館で見た人には「?」という個所がかなり多かったのではないかと思います。最初、ヨンホさんはアル中かヤク中かと思いましたもの。それくらい、支離滅裂な行動をしていますから・・・そこまで人格が壊れるほどの半生、それを演じきったソル・ギョング氏の演技力の高さには脱帽しました。
9点(2002-03-15 00:00:10)(良:1票)
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