1. 亡国のイージス
《ネタバレ》 (平和とは戦争と戦争の隙間にあるもの、 それでいいと思っている) という岸部一徳のセリフはよかった。 過去現在未来どの時代にも意義があり、 ただ自分がどこにいるかが問題なだけで・・ 日本を守るとかたいそうな内容でもなくそういう話なのである。 そこに熱い熱血漢の真田広之が抵抗し自分のあり方を主張するのだが、 これが本来の昔からの日本人の正義なのかもしれない。 ただ演出がハリウッドのアクション映画のようで、 そのわりには全体のキレが悪くつながらない。 なぜ真田広之は律儀に名乗ってから再入船するのか、 これってヒーローものなのか??ととまどった(爆) 派手に人が死んでゆくシーンだけはやたらと小気味良い。 それも違和感があった。 まあ「レッド・オクトーバーを追え」のような映画は作れるわけがないんだけど。 総理が出てきてからの中半がとにかくたいくつ。 なぜ人間ドラマになると切れが悪いんだろうか。 そこで先ほどの岸部一徳のぽつりとしたセリフがよいのだ。 中井貴一が好きなので観たんだけれど、 外見的にはOKだけれど(日本人に見えない) 内面を描けていない。 野球観戦と家族の写真だけのシーンではやってることの意味がない。 テロリストなんだからもっと祖国の思いとか演出しないと、 ただでさえ複雑で日本人に馴染みのない題材なのに・・ その分寺尾聡への時間はあったので、 こちらはわかりやすいと思う。 登場人物でよかったのは、寺尾聡、中井貴一、岸部一徳くらい。 もっとクールで深刻な大人っぽい作品を期待していた・・ 冒頭が日本の行く末や日本の盾の話だったので。 真田広之の役は織田裕二でも変わらないと思うし・・ 日本の戦闘SFというのを観たかったんですが・・ ああどうせアメリカのお世話になるんだろうなぁと観てて、 そうなったら東京湾は被害を受けるから、 いやそれよりも目の前には発電所がなぜかあるし・・ 後半忙しすぎ中半たいくつで無駄前半ネタばらしすぎ。 真田広之がブルース・ウィリスのダイ・ハードしちゃってるし。 中井貴一はゾンビのように復活する執念の役なのに過去や祖国の演出がない。 [DVD(邦画)] 5点(2006-04-23 13:07:03) |
2. ボディ・スナッチャー/恐怖の街
《ネタバレ》 ど・・どこに出ていたんだ?サム・ペキンパー?? オリジナルのほうも観てみようということで借りてきました。 しかしこの作品の映画化って今までに3回もしてるんですね・・ SF古典ということでSFファンならばぜひとも観ておきたい作品です。 リメイクが流行っているので作品をより理解することでオリジナルも見ることにしています。 ただしSFサスペンスとなれば私は2作目のほうが好きかなぁ・・ 最後のどんでん返しとSFは根本的には結末は暗いオチが面白い。 こちらのオリジナルは全体的には好きですが、 ラストがありきたりでした。 宇宙生命体による地球侵略が何なのかがなかなかわからない、 これは良いと思いましたがさて初めてこちらを観るとわかりやすいものか? 時間が大変短い作品なのでテンポはあるのですが、 中半にならないとソレが登場しなかったり、 コピー人間がいきなりソコに横たわっているなど唐突すぎ。 ただし、2作目でマユのようなものをコピー人間がかかえていたのが、 この作品ではお菓子の(さやえんどう)そのまんま! これは私は気に入りました。 2作目を先に観ておいたので大変わかりやすかったのですが・・ 後半に人面犬はでてはこなかったけれど(当たり前) 2作目で人面犬を出した遊び心は同じところにありました。 冒頭の入り方主人公の説明はこちらのほうがテンポがよく好感。 久しぶりに帰郷して街がどこか変わっていた・・ こちらのほうが説得力があります。 あと、この作品はすごく光と影の使い方が上手だなぁと感心。 ドン・シーゲルが監督をしているのですが、 この方は2作目のリメイク作品にも俳優で出演しています。 どこに出ていたのか元の顔がわからなくて残念。 このシリーズは意外と面白いSF作品なのです。 気持ち悪いエイリアンが人間の体をのっとるような映画なのに、 そういう描写はあまりなくてほとんど心理サスペンス。 ソレなのに面白いのです。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-23 16:06:31) |
3. 北北西に進路を取れ
《ネタバレ》 「オースティンパワーズゴールドメンバー」のOPは、 007なのか北北西なのかわからないパロディですね。 その場所とは・・トラックやヘリに追いかけられるシーン。 あのシーンは結構有名なんでしょうか? わりと気に入っています。 とうもろこし畑のシーンですよ。 これはDVDの表紙にもありますから見せ場ですね。 お約束ネタ(主人公は死なない)とか、 説明するのは登場人物など突っ込みところはありますが、 娯楽もあり観てて飽きません。 一番よかったのはやはり脚本かなぁ・・ タランティーノがすきそうなエンディングですね。 列車の中から時間がすぎてないような感覚で、 もう一回見直そうと思える作りは面白い。 ただ私が恋愛映画不感症!ということもあり輪をかけて、 アクション映画嫌悪症なので・・ お話の面白さで観終えたという感じです。 さてさてでは私の恋愛映画&アクション映画の高得点とはどの作品か?? でもやはりよくはできてはいるもののなにかこじんまりとして、 ロードアドベンチャーの躍動感とかはありませんでした。 やはり配役かなぁ?地味かも・・ 逃げて逃げてというパターンならもうちょっとコミカルな人の方がいいと思う。 ネモ船長やってたギャングはよかった。 カメラワークとかかなり期待したんですが今の映画を見慣れると目新しくはないです。 「第三の男」のほうが目新しく感じました。 ヒッチコック作品を選ぶならもっと怖いのにしたほうが私には合いそうですね。 それと最近2回目の宇宙戦争を観賞し終えたのもこの作品にはマイナスかも。 逃げ方がちょっと中途半端というかやはりスピード感が今みっつくらい!?遅い。 [DVD(字幕)] 6点(2005-08-10 11:22:39) |
4. ポセイドン・アドベンチャー(1972)
《ネタバレ》 このてのパニックものや有名な作品は見たことがないので、 何か機会がほしいと思っていた矢先、 ポセイドン・アドベンチャー がリメイクされると知りようやく見ることに。 宇宙戦争と同じ機会ですね~! タイタニックが超有名で話が実話であるにもかかわらず、 全部見ていないままだったからどうなんだろうかと不安でしたが、 主演がジーン・ハックマンだからちょっと楽しみでした。 いや、こんなにいい映画とは思わなかったです。 感動して泣けました。 転覆しさかさまになった船の中だから全部さかさま。 この演出はすごいですし人間ドラマもよく描けている。 やはり宗教ネタは出てきますが、主人公が牧師で神を信じない派というのも面白い。 信じないのではなくてそこまでやらなければ神は助けてくれないというのは説得力ある。 もうひとりの牧師(と思うのですが)は、神を信じてそこで待つ。 特に最後のほうでは旧約聖書の(天地創造)アブラハムの言葉が・・ いくらいけにえをささげれば救われるのですか!? ついてゆく人らはもう賭けをしているようなものなんですが、 ある意味ホラーより怖いです。 特に私は泳げないから水の恐怖はもちろんのこと、 閉所や高所のリアルな冒険シーンは自分もそこに参加しているようでした。 こういう人間ドラマがわかりやすく展開が読めない作品は楽しい。 自分ならこいつだろうなと思ってみていたら死んでしまうとか、 最後まで残るだろうと思い込んでいた人が死んじゃうし。 外の世界に出たときの開放感があと5分かけてほしかったなぁ・・ それをリメイクに期待しましょう。 登場人物で特に好きなのが、デブの元水泳選手。 そして泳げない女性を助ける優しい男性。 もちろんハックマン牧師が主人公ですが、 私はアーネスト・ボーグナイン刑事(J・ニコルソン似)が影の主役と思います。 引っ張ってゆく人、パニックになる人、口を挟む人・・いろんな人がありますが、 何か役にたてることを考えているのです。 最初からあきらめて大勢と沈むのを待つか、 危険でも自分が選んだほうに賭けてみるか。 何か気持ちのきっかけになる映画かもしれませんね。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-01 09:25:36) |
5. ポルターガイスト(1982)
《ネタバレ》 「悪魔のいけにえ」を見たスピルバーグが、 トビー・フーパーを天才と言い監督に抜擢することになります。 同時期に「E.T.」を撮っていたスピルバーグは ふたつの映画の撮影現場を行き来することになります。 同じような街が出てくるのでわかると思います。 (余談ですが、スピルバーグはシンドラーのリストと ジュラシックパークという映画も同時に撮っていました・・) 私はもちろんスピルバーグの大ファンですが、 このトビー・フーパーのようなマニアックな職人監督も好きです。 スピルバーグのスプラッタホラーにはコメディ色がありません。 フーパー監督はコメディホラーです。 その違和感が逆に面白い。 後半のママが戻れなくなる世界へ娘を連れ戻しに行く。 このあたりからスピルバーグの映画になっているんです。 霊が美しい・・ なぜファンタジー?? まるでエイリアン2のような力強い家族愛ドラマに変わる。 そうだったのか、これは心をきれいにして見ないとと入っていくと、 なんとまたラスト近くで、トビー・フーパーの映画になっている!? すべて終わって爽やかにお引越し準備で終われば感動作ですよ。 美しい家族愛から一気にドロドロのゲテモノ映画。 ラストのわらわら出てきた死霊の団体に、スピルバーグは怒って、 こんな風に作ってほしくなかったと。 まああの家族愛のドラマには似合いませんよね。 でもフーパーとしては撮らずにいられない。ホラー監督の意地がある。 そこまで気持ち悪い思わせぶりな脚本書いて、 ラストは感動させるなんて俺はやだねと言ったかどうか知りませんが、 この論争の末に新聞広告を使いスピルバーグが謝罪。 まあストリーボードもスピルバーグが描いていたのですから、 フーパーは指図通り撮っていたわけで、 そのお絵かきシナリオ通り撮らなかったのが最後のシーンなのでしょう。 そんなこと考えてたらこの映画、違和感もありますがおかしいですよ。 もうひとつの事件とは、知らない人がいないくらい有名。 主演の女の子がその後亡くなっています。 当時はその話題の方が先行してこわがられていたようです。 めちゃかわいい子でしたが・・ 追記として、「ヘキサゴン」もレビュー載せています。 怖さやカメラワークはこちらが上です。 ただし家族愛のラストシーンがイマイチで、 テレビドラマの放送時間にもよるもので惜しい作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2005-04-03 01:18:46) |
6. 炎の大捜査線2
《ネタバレ》 これは見終わったあと、すごく快感でした。 とても惜しい映画と思います。罠にはめられた刑事が刑務所に入れられ、 刑事としての正義感も抜け切れないまま刑期を終える予定が、 刑務所でも罠にはめられ実態に嫌気がさし脱獄してマフィアになる。 と、滅茶苦茶なストーリーですが主役であるはずの金城武を主体にすれば、 もっとまとまっていたのですが・・詰め込みすぎて特に中半はただ暗い。 その暗さやエピソードは「ショーシャンクの空に」そっくりです。 あれは、主体をうまく描いていたので傑作となったのです。 この映画の作りですと、語りべを誰にしたいのかわからない。多すぎます。 意味不明なボクサー(エンディングで歌ってる)は、いらないと思う。 金城と出番がだぶるので、どうしても出したいのなら二人を刑事とすればよかった。 このボクサーの子供と騙されるおやじが、「トラブルメーカー」で共演していたので、 余計違和感を感じた。まあ、このおやじを出すなら、アル中のおでぶさんはいらない。 両方、「ショーシャンクの空に」のパターンです。特にアル中の方は時間をかけすぎて 暗いので、もっと短くしないと他の人のエピソードを忘れる。 この、騙されるおやじ、アル中のおでぶさん、子持ちのボクサー、そして金城刑事。 刑務所所長、白髪マフィア、出しすぎです。 だから減った後半から、刑務所所長のワルと、金城と、マフィアにしぼれて、 快活に話が進んだのです。ただ、フェイス/オフの刑務所もどきの、 リンチシーンには閉口。まあ話で仕方ないとして、あそこまでやるのなら 見た人にはわかりますが、そのあとすぐ食堂のシーンにつなげるのはもったいない。 流れから「12モンキーズ」のブラピだ・・とせっかく金城がいい演技をしてたのに、 もったいないな~。すぐわかっちゃったもんね。いや、ブラピかと思った演技。 もっと精神がおかしくなった時間を作らないと、ああもったいない。 それでもその後半は快感と感じるくらい、画面を応援していた。 5分の4が暗くても、あとの1が楽しければいいと思う人、このラストはスカッとします。 7点(2004-10-08 06:51:17) |
7. 冒険王
何がなんだかわかりませんでした。 ただ、インディジョーンズがなんてすごいんだろうと、 当たり前のように再確認。 ナチが日本というのが笑えないんですよね。 笑えたのは、唯一ストリートファイターズ(ゲーム)の、 本田のようなおすもうさんが出てきた時の。 ストⅡやりたくなった・・ついでにベガも出して欲しかった。 金城君目当てでないと見れないでしょうが、 この映画では置いていかれています。 いいギャグ役者なんですが、この映画で置いていかれることは、 まともなんだよなあ。よかった!病気でなくて! 2点(2004-09-26 16:03:04) |