1. ほえる犬は噛まない
この物語のあらすじを書こうとすると、割と簡単に書けます。でもきっと、観る前にそれを読んでも何の話だかさっぱり分からない。たとえ最後まで観ても、これがまた、何の話だったのかよく分からない。そんな一品です。映画には韓国現代社会を印象付ける事柄が満載。ポシンタン、賄賂、規則を守らない、手抜き工事、などなど。それらが全然押し付けがましく描かれない。こういうスマートな表現方法もあるわけです。人生、そんなにうまく行くことはないんだよね。こんなことばかりだよね。わかるわかる。観終わった後、観客からつぶやき声が聞こえてきそうな映画。切なさでは『反則王』に少しかなわないと思いますが、映像にポンポンまくしたてられて、ポカンと口を開けたまま話が終わって、ちょっとペーソスが残る、そんな大人の味わいです。人によってはつまらないかも知れないけど、何度か観たい作品。満足。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-26 21:45:55) |