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1.  ぼくの伯父さん 《ネタバレ》 
フランスらしいエスプリの効いた上質なコメディ映画で、文明批判的色彩が色濃いのが特徴だ。チャップリンの「モダン・タイムズ」のフランス版といったところ。 近代合理主義に基く非人間的な工場労働と、虚飾と見栄にこだわり、皮相的な人間関係しか築けないブルジョアジーを徹底的に笑い飛ばそうという映画だ。 定職につかずぶらぶらしている「伯父さん」が主人公で、何事ものんびりしていた古き良き時代を象徴する。 何事も「伯父さん的なもの」と「非伯父さん的なもの」に分かれて描かれ、両者が出会うとき、衝突が起き、笑いが生じる。 「伯父さん的なもの」は、込み入ってごたごたしている下町の風景、奇妙に内部が入り組んだアパート、ジョークで挨拶を交すような人情味あふれる庶民、いたずら好きの子供達、商売気はなく、どこなマヌケにみえる商人達だ。 「非伯父さん的なもの」は、虚栄に満ちたブルジョアジー、見栄にこだわった超モダンな家、プラスティック工場、近代建築の学校、都会的デザインの車など。両者の境界に崩壊した煉瓦塀がある。 犬が度々登場するが、犬は「伯父さん的なもの」と「非伯父さん的なもの」をひっかきまわすトリックスターの役割を果たす。自由の象徴であり、「伯父さん的もの」の理想の姿でもある。 魚のオブジェの噴水のすっとぼけたデザインは出色で、強く印象が残る。「非伯父さん的なもの」を笑いの対象とすることの象徴だろう。 興味深いのは、ブルジョアジーの追及する近代合理主義と見栄とが両立しないこと。 モダンな敷石は歩きづらいし、噴水は電気代がかかるし、オートマティックなキッチンシステムは便利だが騒音のため会話が聞こえない。 「伯父さん」は、あちこちでさんざん騒動を巻き起こしたあげく、町を追われて去ってゆく。異質なものははじかれてしまうのが現実だ。だが救いはある。最後の場面での親子の和解だ。偶然の賜物だが、父のいたずらによって、息子が心を開いたのだ。「伯父さん的なもの」が親子の結びつきに一役買ったわかで、これからは父親も「伯父さん的なもの」に理解を示すようになるだろう。 珍重すべき映画だが、残念な点もある。 役者の演技に難があるのだ。チャップリン映画のような”絶妙なタイミングによる笑い”が見られず、どこか演技じみていて、笑えないきらいがある。こなれてないのだ。子供達と「キッド」の演技を比較すれば瞭然だろう。 
[DVD(字幕)] 7点(2013-08-28 12:41:53)
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