1. 魔女の宅急便(1989)
本作を宮崎アニメの最高傑作に挙げる人があまりいないのは、彼の永遠のテーマであるエコロジー的な視点とメッセージ色が幾分希薄であるからか。でも個人的にはこれまで見た映画の中でも最も好きな作品の一つだし、宮崎駿が伝えたい何よりのメッセージが「エコロジー」なら、何より憧憬しているのが「少女の可憐さ」と「空を飛ぶこと」であり、本作ではその魅力がいつもより肩の力を抜いて、軽やかに描かれているせいか、ただキキが空を飛ぶシーンだけでも胸が一杯になってしまう。それと、本作は「甘い」のではなく、あくまで「優しい」のであり、観賞後、かくも優しさにつつまれる(まさに!)ような気になる作品を俺は他に知らない。と言うわけで、本作における既成曲(荒井時代のユーミンね)の使い方の素晴らしさは、2001年宇宙の旅におけるツアラトストラかく語りきのそれに勝るとも劣らないものだと思ってるんだけど、どうでしょう? 10点(2001-09-30 01:36:10)(良:1票) |