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1.  マシニスト 《ネタバレ》 
世界観が素晴らしい!暗く冷たいトーン、陰鬱な機械工場の描写、不気味な登場人物におどろおどろしい遊園地のアトラクションと、主人公が抱える心の闇を見事に反映した精神病的世界を作り上げています。勿論クリスチャン・ベールの驚異的な役作りは言うまでもないが、更にそれを物語の空気にマッチさせ完璧に使いこなした演出力は偏に監督の才能と言えるでしょう。しかしながらベールの異常なまでの演技に対する執着心には言及せねばなるまい。まず30キロも減量して大丈夫なのか?というか、どうやってそこまで体重を落としたのかということが気になります。監督も撮影中彼が死ぬのではないかとヒヤヒヤしたことでしょう。見た目から言えば2003年にオスカーを受賞した『モンスター』のシャーリーズ・セロンに匹敵する、若しくはそれ以上の凄みがあります。ただこの映画、残念ながらストーリーに何の目新しさも感じられないんですよねぇ。本編に散りばめられた謎を解く鍵を拾い集めながら、頭の中で捏ね繰り回して、最終的に提示された答えに妥協して「まあ、こんなものか…」と納得する。大した驚きも無く、残されたのただ悪夢から目覚めた後のような開放感だけ。悲しくて、虚しい…。でも不思議なのは終始同じことの繰り返しで前進していないように見えて、最後の最後まで飽きさせないことですかね。ついつい見入ってしまうパワーがあります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-03-30 21:36:11)(良:1票)
2.  マルサの女 《ネタバレ》 
新年一発目に脱税映画というのも何ですが、なかなか面白かったです。「お葬式」はイマイチだったけど、これは良いですね。何と言っても国税局という悪役のイメージを逆手に取ったようなアイディアがお見事!前半で悪徳実業家・ヤクザ・銀行家などに散々丸め込まれておきながら、後半で"マルサ"となった主人公が一気にその巻き返しを図るこのカタルシス。また最後の宮本信子と山崎努の対話にも情緒がありました。ところで伊丹監督の映画って妙にエロいシーンがいっぱい出てくるのですが、どういう訳かちっともエロスを感じさせませんね。突っ込んで良いのかどうか分からないけど…。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-01-01 13:34:23)
3.  マルクスの二挺拳銃 《ネタバレ》 
カモったつもりが逆にカモられていたという、グルーチョらしかぬオープニングから始まるこの映画はマルクス兄弟の中でも異色の西部劇。とは言え舞台が変わったところでマルクス兄弟は腐ってもマルクス兄弟。時代設定を全く無視した言い回しや、駅馬車内での帽子の取り合い、そして拳銃の突き付け合いには笑わせてもらいました。終盤のやたら動きがカクカクした決死の列車アクションも必見です。
[DVD(字幕)] 7点(2005-10-12 16:02:50)
4.  マルクス一番乗り 《ネタバレ》 
上のジャンルに「医学もの」というのが入っていてちょっと笑ってしまいました。そう、確かにこれは一応医学のお話です(笑)。序盤からいつものハチャメチャ具合とは違いちょっと大人し目なので、これが本当にあのマルクス兄弟の映画?などと勘ぐってしまいました。本作は今までの彼らの出演作とは違いストーリーの方にも重点が置かれているようで、マルクス兄弟特有の奇想天外さに薄れギャグもちょっと物足りないように感じますが、その分物語全体のバランスが取れて極めて良質な作品に仕上がっています。マルクス兄弟の映画の中で一番ヒットしたというのも納得。やはりこれも名プロデューサー、アーヴィング・G・サルバーグの手腕故でしょうか。毎度ながらのグルーチョの口八丁、敵役者ウィットモアとの電話シーンには爆笑。更に前作「オペラは踊る」でのコントに磨きを掛けたような、チコとグルーチョのアイスクリーム屋台でのやり取りは傑作!以前はマルクス兄弟なんてどこが面白いのかサッパリ分からないと思っていた自分も、今ではすっかり彼らのファンになってしまいました。
[DVD(字幕)] 8点(2005-10-12 15:39:54)
5.  幕間
ルネ・クレール=ヤン・シュヴァンクマイエル。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-11 22:39:45)
6.  まごころ(1939)
子供の頃って友達が泣くと、何故か自分も泣きたくなってきますよね。まずはこの映画、タイトルが抜群に良い!シンプルながらも計り知れないほどの優しさに包まれています。そう、人間には真心が必要なんですね。だから最近の映画はつまらないのか、真心が無くて…とか(^^;。やたら流暢に喋るお婆さんがちょっと気に掛かりますが、そんなことを補っても有り余るほどの成瀬巳喜男の珠玉の作品です。結局映画自体については何一つ語っていませんが(汗)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-26 11:48:12)(良:1票)
7.  マルクス兄弟 オペラは踊る
マルクス兄弟の映画は二回連続で外してしまったので、もう見限ろうかと思っていたのですがここに来てようやく馴染んだのか、これは凄く面白かったです。相も変わらず滅茶苦茶な内容…(^^;、これがマルクス・ブラザーズの醍醐味ですね。伝説の密室ギャグも去ることながら、階段から転げ落ちるわ幕を這い上がるわで大爆笑。三人の個性も本作ではそれぞれ突出しているように思います。毒吐き暴走のグルーチョ、喋らず能天気なハーポ。サポート・まとめ役、そしてピアノの名手チコ。この三人だけは絶対に死んでも敵に回したくないと、切にそう思ったのでした。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-28 13:31:14)
8.  マイスター・ハーヌシュ
プラハの旧市街広場にある有名なからくり時計を作った男、マイスター・ハーヌシュの奇妙な伝説。翌年の「ファウストの家」と同じく、チェコの伝承をモチーフにしたような作品であり、またおぞましい怪奇物語でもあります。木彫りの人形たちの中に更に登場人物を模った人形が出てくるという点はユニークですが、見終わった後の印象は意外と地味なものだったのでこの点数。それにしてもこういう映画を観ると、実際にプラハへ行ってからくり時計の実物を見たくなります。
7点(2004-12-11 10:16:45)
9.  迷子の人形 《ネタバレ》 
公園に忘れられていったオモチャたちが、一つの赤ちゃん人形のために力を合わせて元の持ち主のところへ返そうと奮闘する物語。人間の見ていないところでオモチャたちが動き出すという、まさに「トイ・ストーリー」の原型のようなお話。監督のヘルミーナ・ティールロヴァーは長年、子供が楽しむための作品を作り続けてきたというだけあって良い意味で何も考えずに観られます。オモチャの犬と本物の犬が戦いを繰り広げたりした後に、ようやく家に辿り着いてみると赤ちゃん人形の場所が他の人形に乗っ取られているというところもまた「トイ・ストーリー」的。ここまで来るともはやピクサーはこの作品をモチーフにして映画を作ったんじゃないか?とさえ思えてくる。それでもラストはちゃんとハッピーエンドなのでご安心を。
7点(2004-11-28 11:15:48)
10.  マルクス捕物帖 《ネタバレ》 
マルクス兄弟の映画を見たのは初めてです。本当は『我輩はカモである』とかもっと有名なのから観たかったのですが、如何せん近所のビデオ屋にはこれしか置いていなかったので。そんなわけできっと最初は誰が誰だか全く区別が付かないだろうと思っていたのですが、びっくり!大体顔や性格を見れば「これがグルーチョだろ」とか「これがハーポだ」と直感的に分かるんですね。とにかく言いたいのは、マルクス兄弟が噂通りインパクトのあるキャラクターだったということです。しかし残念ながら物語の方にはあまり乗れず、どちらかと言うと後半場面になってからの方が素直に楽しめました。特にホテルの会場を滅茶苦茶にするシーンは最高に笑えた。そして中盤のチコのピアノ、本当に弾いているというんだから凄いですねぇ。ハーポのハープは普通に考えて必要以上に長いシーンであるにも関わらず、あまりのロマンティックさに思わず聞き惚れてしまいました。これから観る他の作品への期待という意味も込めて6点を献上致します。ちなみに僕が兄弟の中で一番好きなのは口八丁の三男グルーチョです、あの歩き方といったらもう…!
6点(2004-11-25 21:36:02)
11.  ママ 《ネタバレ》 
「何だかマネキンみたいな母親だな」と不気味さを覚えながらも、倒れるクマの人形を何回も立て直すところから子供への優しさに満ち溢れています。強盗の動作がいちいち奇妙で面白かったり、様々な造形をした人形にも監督のこだわりを感じさせます。途中までてっきり全部実際に起こっていることかと思いきや、最後に母親の妄想だったと分かるところも上手いです。ラストのちょっとスリリングになる辺りの演出も絶妙、全国のお母さん頑張れ!
[DVD(字幕)] 8点(2004-07-28 19:12:40)
12.  マリアンの友だち
中国人の物真似(?)をしたりするのが好きな、ちょっと変わった少女二人組みの青春コメディ。その二人に追い掛け回されるのが、これまた一風変わったピアニストに扮したピーター・セラーズ。ちょっとしたプレイボーイの役なのですが、いつも少女二人に付きまとわれてノイローゼ状態になっているのが面白い。うんざりした表情に、ピアノを弾くときの崩れた髪形も笑えます。とまあ、最初から最後までピーター・セラーズが痛い目に合うような物語なんですけどね。どちらかと言うと焦点は、少女たちが思春期から大人へと移り変わる様子を描いているのだと思います。友情あり、家庭問題あり、謎の儀式ありと、やや異色な青春コメディです。
7点(2004-07-15 21:57:53)
13.  マッチ工場の少女 《ネタバレ》 
主人公のイリスは例えて言うならばデ・パルマの「キャリー」。上手く恋愛をすることが出来ないし、両親も理解のない冷たい人たち。だからと言って超能力で周りの人々を虐殺するわけでもなく、ただ少女の味気ない日常が淡々と描かれていく。物語が進むにつれてどんどん話は重くなっていくので、もうやめてくれ!とも叫びたくなってしまうが、終盤の展開は意外にもあっさりしたもので安心した。さすがにこんな話を90分以上も観続けているのには辛いものがあるので、60分ちょっとという短い上映時間 も実に丁度良い。ちなみにさっき超能力で虐殺はしないと書いたが、この映画では殺鼠剤を使って悪者を成敗していくので要注意!
7点(2004-04-20 17:59:47)
14.  真夜中の虹 《ネタバレ》 
初めはメロドラマか?と思わせておいて、後半になったら犯罪ドラマに転向。ここで登場するマッティ・ペロンパーが良い味出してます、やっぱりこの人はカウリスマキ映画の名俳優。原題の「Ariel」って一体何なんだろう?と思っていると、これが最後に登場する逃亡用の船の名前なんですね。その名もアリエル号。エンドロールを締めくくる「虹の彼方へ」の曲がこれまた素晴らしいです。「真夜中の虹」とはよく考えた邦題だこと、イイ・・・。
9点(2004-02-29 21:02:37)
15.  マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
驚くべき傑作!個人的にラッセ・ハルストレム監督は、新作を撮る度に作品のクオリティが低下していっているような気がします。またスウェーデンで撮ってくれないかなぁ…。 所々に挿入される"ライカ犬"のモノローグもアクセントになっていて良く、心温まる映画でした。
[ビデオ(字幕)] 9点(2003-10-08 22:02:54)
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