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1.  真夏のオリオン 《ネタバレ》 
あまり評判にもなっていなかったのに暇つぶしに観たのですが、日本の映画って予算をかけないとこの程度のものなのでしょうか。艦長のものの言い方とかの変な丁寧さは気にしないことにしてもちょっとストーリにも無理があり過ぎのようです。冒頭の魚雷戦はいかにも漫画的でなくもがなですし、この時期に組織的な潜水艦への運用の司令などできる状況ではなかったはずです。最後の回天2基を用いての偽装はタービン駆動の高速小型スクリュー音と電動・低速の大型スクリュー音の聞き分けなどプロでなくても簡単だからあり得ない話です。楽譜を通じての相互理解とかで人間性を表現しようとしたのでしょうが、もっとましな表現方法はなかったのでしょうか。立秋も過ぎれば夜明けの空にはオリオン座も見えるのでしょうが、真夏とは夏至を意味するときもあるので題名は少し変です。
[映画館(邦画)] 5点(2009-06-22 12:42:11)
2.  まごころを君に 《ネタバレ》 
公開時に劇場で観てから30年くらいしてビデオで観ました。原作はその10年前にSFマガジンに抄訳があって、だいぶ後で傑作集とかで出たのを読んだのですが、映画の題名がメロドラマっぽくなっていて少し変な感じがしました。原題のチャーリーは主人公の愛称と同時に「頭の弱い男」の意味をかけてあるので変えたのでしょう。しかし、この映画の最後のほうでの自分が元の世界に戻ることを知った時の恐怖(アルジャーノンはそれに耐え切れずに死んでしまうのですが)は高齢化やアルツハイマー病などによる認識障害とかを知った人々すべてが直面する問題ですから決して他人事ではありません。
8点(2005-01-09 21:06:45)
3.  マスター・アンド・コマンダー 《ネタバレ》 
少年兵ってのはお笑いで、良い家柄の子弟だけがノーブルオブリージを果たすために士官候補生として志願して参加しているのです。逆に水兵たちは徴兵(と言っても無宿人狩りみたいなもの)で集められて奴隷同様にこき使われる階級社会であることは海軍も陸軍も同じだったのです。でもロシアとかよりましなのは一応はお仕着せの衣類と食糧だけは供給されていたことで、まさにそれだからこそ反乱は滅多に起きなかったようです。まあ、軍艦では皆が一心同体の運命共同体ですから良い艦長に恵まれることが長生きの秘訣で自然に結束が生まれるのだし、経験と権威がないからと水兵になめられる士官の存在は全員の命運を左右することになるので自然淘汰を待つのでしょうね。このあたりは昔の教育制度の残酷なところで、小さいころから厳しく教育し、不適格者は落伍させ、運の悪いものは戦死することで強い精神力と強運を備えた指揮官が残れば良しとするシステムです。でも片腕を失って友のBodyBagも結べないようなのが敵艦に切り込みに行くのはいい根性です。帆船時代の軍艦は被害を受けても戦闘が終われば乗船している船大工が元通りに修復するし、弾丸は爆発しない(破裂する砲弾は自分を火災で沈める危険があるので使えなかった)ので被害は主に破損の船材での負傷だとか、いろいろルールが現代とは違っているので興味があります。
7点(2004-03-05 16:52:48)
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