1. 舞妓Haaaan!!!
阿部サダヲのハイテンションには、正直最初は少し引いたが、テンポ良く進むストーリーにそれも忘れ、「ありえない展開」とボケと突っ込みで一気に突っ走らされた感じがした。舞妓さんの一見さんお断りのシステムなどは、恥かしながら私も露知らず、主人公の公彦と同じ視点で門前払いを食らった心境。やっぱり一度は雅な京都の町で、あんな遊びをやってみたいものだ(遊びの内容自体は、全然面白そうにないけど)。存在自体がパロディの阿部サダヲと一緒に、堤真一の演技がとても良かった。 [映画館(邦画)] 6点(2007-07-14 17:33:54) |
2. マリー・アントワネット(2006)
《ネタバレ》 タイトルの通り、全編を通じて王女「マリー・アントワネット」の視点(見ているもの)でしか描かれていないのが印象的だ。最後の宮廷襲撃で彼女が押し寄せた群衆を見るまで、飢え死にする庶民や貧困に喘ぐ町の様子が描かれている訳でもない。美しく凄まじい浪費の映像の中、ウンザリするしきたりや殿上人の人間関係を甘んじて受ける彼女の姿がなおさら孤独に見えた。……煩わしい宮廷生活に身を任せれば、自分の意思とは無縁の賑わいの中。しかし自分が満たされる居場所に落ち着けば、たちまち宮廷の人間関係が彼女を孤独にする。たまらない孤独に耐えるため、寂しさを紛らわすように饗宴に身を任せるうちにいつしか本当に自分を見失ない、ひたすら浪費に走っていく。そして自分の拍手に誰も賛同しない劇場で、いつの間にか本当に自分が孤独になってしまったことに気づくのだ。押し寄せる群衆の響きに「子供たちを」と健気な姿を見せた彼女を支えていたものは、母として、妻としての強さだったろうか、王女としてのプライドだったろうか。……華やかな宮廷生活の末に断頭台の露と消えた史上最も名高い王女、「パンが無いならお菓子を食べればいいじゃない」の名台詞を本当に言ったかどうだか知らないが、この映画を見ると、きっと史実もそうであっただろう彼女に同情してしまう。王族に生まれ16歳で政略結婚、誰も頼りにするものがいない他国に渡った先があのベルサイユでは、浮世離れもしようというものである。「今日の日に乾杯」「その先の日々にも」浮世離れのままに孤独に耐えていた彼女にとっては、そんな栄華の日々が永遠に続くはずだっただろう。……そして国外脱出を果たせないまま捕らえられ、断頭台へと連れて行かれる彼女の姿もこの映画では描かれていない。全編を通じて描かれていたのは華やかで滑稽な宮廷生活の中どこまでも彼女につきまとう孤独、それだけに終始した面白い「栄華」だった。 [映画館(字幕)] 7点(2007-01-21 03:25:57)(良:2票) |
3. マダガスカル
《ネタバレ》 思った以上に「お子様映画」で、余りの分かりやすさと先の読め具合に少々拍子抜けしたが、まぁ、安心して楽しめる安全な映画。何と言ってもテロリストペンギンたちの妙にかしこまった人間臭さには最後まで笑えた。人間までノシて、本当に船をジャックするとは思わなかった。ライオンにとっても野生本来の姿ではなく、人間の価値観で管理された動物園の方が幸せなんだと考えるのがアメリカなのかな、なんてのは、この場合は野暮な考え、止めておこう。 [映画館(字幕)] 4点(2005-08-15 10:30:53) |
4. マッハ!!!!!!!!
《ネタバレ》 アクションは超一級、ド肝を抜くあのジャンプ力には言葉もでない。鍛え抜けば人間の身体能力というのは、かくも高く美しいものか。リングの上のような軽快なフットワークではなく、腰を落とし身体中の関節を自在に操る古式ムエタイ独特の体捌き。派手なアクションはあるものの、肘や首相撲など極めて実戦的な動きは凄みがあり目を見張る。骨がぶつかり合うショックが画面から伝わってくるようで、従来の中国拳法系の映画とは違った「痛み」が伝わってくるアクション。ブルース・リーに始まりジャッキーが確立させてきたカンフー映画とは新しいジャンルの映画の始まりだ。ただ物語よりもアクションを観る映画なのは分かっているにしても、もう少し話のヒネリや面白さが欲しかったところ。今のアクション映画界を占めつつあるワイヤートリックに対抗し、ぜひ本物の肉弾アクションの凄みのある作品を作って行ってほしい。これに留まることなく、脚本や物語まで更に完成度の高いタイ式アクション映画を期待したい。 [映画館(字幕)] 4点(2005-02-12 02:09:44)(良:1票) |
5. マイ・ボディガード(2004)
《ネタバレ》 年の離れた二人の男女という設定のみが共通点で、主役のふたりに「危うさ」が無い点で「レオン」とは全く異質の作品だと思う。主人公が撃たれた時の「クリーシー!!」という絶叫、ダコタ・ファニング演じる子役の演技は良かった。なぜ主人公が酒浸りになったのかの説明は無くても、途中誘拐されるまでは話の盛り上がりは共感できたしなかなか良かった。しかし、この映画のテーマと思っていた「少女との交流によって荒んだ心を癒され人間らしさを取り戻す主人公」の過程が、少女が殺された(と思われた)あたりから突然途切れてしまい、あとは単なる殺戮復讐劇になってしまって少々ガッカリしてしまった。さらに結末が「実は生きていた」では本末転倒である。あと、要所にチラチラと揺れるイメージ映像を使い過ぎ、あれでは観ていて目が眩んでくる。話の流れは誰が裏切り者やらグルやらしまいに分からなくなった。あの誘拐は最後になっても良いから、クリーシーの荒んだ心の背景や、少女と心を通わせていく様子をもっと描いて欲しかったと思う。 4点(2005-01-04 12:41:33)(良:1票) |
6. マスク・オブ・ゾロ
《ネタバレ》 昔読んだ原作とは随分違った筋書きだったが、幼い頃の想像より遥かにバンデラス演じるゾロがカッコいい。ゼタ・ジョーンズも美しく、原作では確かアレハンドロの息子であるディエゴを演じるホプキンスも渋い。原作のイメージを極めて忠実に、それ以上に楽しく、情熱の国らしく「濃い」役者揃いで体現した、極めてエンターテインメント性の高い作品に仕上っていると思う。最初は少々おマヌケだった主人公が初代ゾロに鍛えられ成長していく様子、おてんば娘エレナとの情熱的な恋、人々を虐げる悪との戦い、子供に見せたっていいくらいの明解痛快な西洋チャンバラ活劇だ。夜の山に浮かび上がる炎の頭文字、黒マントを翻して颯爽と登場する二代目ゾロの初陣シーンには、童心に帰って思わず拍手を送りたくなってしまった。これを作った監督も、きっとこの小説が大好きだったのに違い無いと思う。 [映画館(字幕)] 8点(2004-12-08 13:11:50)(良:1票) |
7. マトリックス レボリューションズ
《ネタバレ》 映画館ではストーリーが十分に分からなかった2作目をもう一度ビデオで見直し映画関係の雑誌も観て、物語の粗筋や様々な伏線を復習して観に行った。物語自体はこれだけ引っ張ったんだから、もっと劇的な結末を期待していたが、正直不完全燃焼という感じ。・・・・人類が生き残り平和になったのは良いとして、結局機械との共存共栄を選んだわけか?未だにカプセルの中で電池になっている人間達の運命は??物語当初からの根本的な問題は全然解決しとらんじゃないか、と疑問を持つ。やはりこの映画は、1作目で十分だったかも。メロビンジアンやパーセフォニー、マトリックスを設計したアーキテクトなどの登場人物を始め、2作目から引かれた物語の伏線を広げ過ぎて、結局収拾がつかないままに結末を迎えているような印象を受ける。2作目など、劇場で観たその時に映画の物語や伏線を全て理解できた人はどれだけいただろうか?センティネルズの大群VSあまりに無防備な装甲ロボット軍の戦いのシーンは金かけてるだけあって大迫力!映像は十分に見応えあって楽しめた。 4点(2003-11-16 02:17:42) |
8. マイ・フェア・レディ
「踊り明かそう」の歌がとてもいい。あと、発音の練習中に口に含んだビー玉を飲み込んでしまった瞬間のオードリーの顔は傑作。一瞬であるが、本当になんともいえない表情。 7点(2003-11-08 01:29:20) |