1. マーガレットと素敵な何か
《ネタバレ》 仕事も女性としても前傾姿勢で進むアラフォーマーガレットが、少女の頃の自分が書いた手紙を読んで自分を見つめ直す、というお話。小さな少女が作った手紙はキュートにデコラティブされ、内容も微笑ましく、ここから広がる物語、映像、音楽みんな可愛らしい。「今のあたしはこれでいいの?」という多少シビアな部分もあくまで御伽噺の域を出ていないけれど、最近色々尖ったものが取れてきて、シックも少女趣味もみんなOKになってきた私は、最後まで絵本を眺めるような感覚で楽しめた。40代半ばとは思えない主演ソフィー・マルソーがパンタロンまで履いて頑張っていて、それでもやり過ぎな感じがしない可愛らしさには脱帽。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-06 14:56:10) |
2. 舞妓Haaaan!!!
理屈抜きに笑った。物語の進行とは裏腹に、和の美で彩られたシーンがなかなか綺麗だった。だけど阿部サダヲは何食ってハイテンションを維持しているんだろうか? [DVD(邦画)] 7点(2008-08-07 19:33:45) |
3. 街のあかり
《ネタバレ》 ヘタレがどん底まで堕ちる話だ。しかし主人公は何度つまづいても、前に進んで行く手がかりを掴んでいる。それは端から見たら呆れるような幻想だけれど。思えば「浮き雲」も「過去のない男」も、主人公たちは黙々と前だけを見て生きていた。身のうちから喜怒哀楽を見せることもなく、ただ黙々と。前二作のうっとりと微笑みたくなるラストと違って、今回監督は余韻をこちらに預ける方法に出た。それでも、「希望は自分の内側からみつける」その矢印が見えた私には、何か明るいものを感じずにはいられない。はたして彼は本当に負け犬なのだろうか。自分の心の秤が試されている気がした。 [映画館(字幕)] 8点(2007-10-09 23:25:41)(良:2票) |
4. マリー・アントワネット(2006)
《ネタバレ》 ソフィア・コッポラ初体験。これ一本では何とも言えないけれど、彼女はお洒落感覚や彩り豊かな画で人気があるのでしょうか?確かに綺麗だけれど、視覚の次に胸に迫ってくる「何か」があまり感じられなかったです。流れる時間軸は、確かに周りに流されて王妃から罪人となったマリーの生涯と被っている。けど、真ん中に据えた彼女の内面もズルズルズルーと流していた印象でした。衣装と料理とベルサイユロケには力を注ぎ込んだようですけど、この要素じゃ男性は退屈だろうな。私もあくびが出ました。 [DVD(字幕)] 5点(2007-07-29 21:06:11)(良:1票) |
5. 間宮兄弟
「カレー、みんな喜んでくれたね。」「うん。」「よかったね。」「浴衣パーティも楽しかったね。」「ほんとだね。」こんな、ぐりとぐらのような天然記念物的兄弟の話かと思いきや、ただのオトナコドモが身内と優雅に盛り上がってるだけの話だった。お気楽でそりゃもう羨ましい限りの生活だが、だからこそモテないんだよあんたたち。摩擦が無くちゃ熱も生まれないじゃんよ。と、塚地似の夫を持つ私が、毎年海外旅行に出かけていく独身貴族の友人に小言を言っているときと同じ気持ちになってしまった。久々に眉間にしわ寄せて映画を観たよ。 [DVD(邦画)] 4点(2007-05-30 16:15:41) |
6. マーラー
掘り出し物発見!すごく奇抜な伝記。ポジティブかつちょっと常軌を逸脱したケン・ラッセルワールドにビビッと来てしまい、好き嫌いの別れそうなシーンもワクワクしながら魅入ってしまった。音楽って、もとよりこんな次元の違うところから生まれてくるような気がするなぁ。音楽家の頭の中のカオスを見せてもらったようなこの充実感は何なんだろう。とこんな私は、小難しそうで食わず嫌いだったマーラーのCDを明日から探すことでしょう。 [DVD(字幕)] 9点(2007-01-17 00:23:49) |
7. マルクス兄弟 オペラは踊る
う~~、期待が大きかったかな。この映画と私の間にある「時間」という河は、深くて大きかったようです。品の良い笑いのあれこれより、波止場の別れやハープの音色のようなロマンチックなシーンに惹かれました。でもそれがまた短いのよ。ちと残念。 [映画館(字幕)] 5点(2006-12-05 00:21:38) |
8. 真夜中のピアニスト
《ネタバレ》 うーむ、消化不良気味。前評判で想像していたサクセスストーリーとは違う。ただピアノが好きで弾きたくて、その欲求を胸の泉にいつまでも貯め続けている男の話なんだけど、どうもその情熱が見えてこない。うらぶれた生活とピアノのレッスンシーンの二面から主人公の生活を映しているけれど、そこから何を表現したかったのかよく見えない。主人公の中の葛藤もピアノへの執着も案外さらっと描かれていて、映画の中に一本通っているはずの軸が私には見つけられなかった。夜の暗いバックに光の粒を落としたようなシーンがたびたびあり、なるほどこれで「真夜中のピアニスト」…ちょっとこじつけかなあという気がしてこれも消化不良。ヘタレピアノ弾きとしては「簡単そうだけど弾けないの…」と言う、録音されたお母さんの言葉に深く深く頷いたのだった。 [映画館(字幕)] 6点(2006-02-13 22:43:34) |
9. 真夜中の弥次さん喜多さん
強烈な「伸るか反るか」映画ですね。それなりに面白いんだけどどうも合わなかったらしく…。弥次喜多愛し合っているふうに見えないしさ。ただ、阿部サダヲがビッカビカに光っていて素晴らしい存在感でした。原作は未読でその世界観は不明なのですが、蝮さんとかキノコ人間とか、監督が自分の好きなものをいっぱい突っ込んで作った万華鏡のようです。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-16 19:07:54) |
10. マルティナは海
大映昼メロドラマスペイン語版。役者の顔や体が綺麗でも、吹き込まれる命がからっきしダメな場合はこんなにもつまらない物語になるのだ。なんだこりゃ。男も女も何の覚悟もなく抱き合ってるだけじゃ、ちっとも官能的じゃねえよ。特に元夫のナルシストぶりには辟易だった。これじゃ子どもまで無条件で引き受けた金持ちのほうがカッコイイじゃないか。ちゃちで安っぽい愛のお話。 [DVD(字幕)] 2点(2005-08-06 03:18:01) |
11. マタンゴ
《ネタバレ》 この映画怖い怖いコワイ。私はもうきっとヨットにも乗らないし、『きのこの山』も食べないし、『えいごリアン』は正視できない。私がこのクルージングに参加していたならば、缶詰も亀の卵もくすねてヨットに乗り一人逃亡。逃げ切れないと分かった時点で引き返し、飢えてる割にはムッチリしたアキコさんに「どこかに食糧隠してるだろう!」と詰め寄って、キノコ地獄に堕ちていくだろう。一番コワイのはずっと理性を持ち続けた先生だけど、彼が語り部をしているところを観ると、どうももーーーっとコワイノンフィクションが裏に潜んでいる気が…。あっちょんぷりけ!!(それはピノコ) [DVD(字幕)] 7点(2005-06-27 13:52:56) |
12. マリー・アントワネットの首飾り
フランス革命の切っ掛けとなる有名な大事件…なんですけれど、エイドリアン・ブロディの顔以外は、もうサラサラ~~っと淡泊に仕上げられていて、あっけない物語になってしまっていました。これだけの題材を、もったいない。J・プライスまで粘っこさの抜けた芝居で、全然物足りなかったです。「フランス歴史入門」の役目と豪華衣装の眩さは評価できるのですが、映画としての面白味はどこかに置いてきてしまっています。残念。 5点(2005-01-09 21:48:00) |
13. マン・オン・ザ・ムーン
《ネタバレ》 参った。大泣きである。一人のコメディアンの生涯をたどった映画。なのに笑いがいっぱいというわけでは無く、むしろ静かなたたずまいを保っている。アンディは何から何まで計算ずくで自らのエンターテイメントを創り上げていく。笑わせるよりは驚かせている印象が強かったけれど…。私生活までも人を食うような態度をとり、全ての出来事からヒントを得ようとする。始めのうちは素のアンディその人がなかなか見えてこない。だから彼がガールフレンドにプロポーズをしたあたりから涙が出てきた。センシティブな彼に触れ、なぜか泣けてきた。ラストに近づくにつれだんだん解ってくる。奇をてらったコントで人の気を惹き、心を捉える。ステージの後大勢の客にクッキーを振る舞う。やり方は変わっているが、彼の「人への愛」の表現。やることは人の気分を害していたかもしれないが、彼は人を愛し人の心のそばにいたくて仕方がないのだ。葬儀で流れるフィルムにその気持ちは溢れ、変わった芸人のひどく素直な愛のかたちに泣けて仕方がない。包容力あるコートニー・ラブと役者ジム・キャリーの好演、常に温かさを感じる監督の演出に、たった一人でスタンディング・オベーションを送った。 10点(2004-08-08 09:13:18)(良:2票) |
14. マークスの山
悲しい物語。幸せに恵まれなかった青年が起こす、深い因縁を含んだ殺人事件の話です。映画を見て納得いかない部分が多く、映画館からの帰り道に原作を購入した記憶があります。映画と小説は別物、と割り切ってみても、読んでしまうと物足りないという気持ちがさらに大きくなってしまって…。ちょっと見るに堪えない暴力シーンなどもあって、私には厳しい映画でした。ただ悲しい青年役の萩原聖人はよく頑張っていたと思います。 4点(2004-04-25 18:56:17) |
15. 真夏の夜の夢(1999)
何百年も前に書かれたシャイクスピアのコメディ、どんな内容のお話なんざんしょ、と見るのならOK。だいたいの内容がわかっていれば(ガラスの仮面にも出てきましたね)見なくていいかな。見る前に何故だかものすごく期待をしていたんだけど、かなり退屈した覚えがあります。パックはやはりはつらつとした印象を持っているので、可愛い感じでお願いしたかった。 3点(2004-02-23 10:13:58) |
16. マイノリティ・リポート
結構面白かったですよ、トム・クルーズ映画。「なんだ、やっぱりトムに都合よく話が流れるのね。」と思うところはたっくさんありましたけど、エンターテイメントとしては成功していると思います。試写会のチケットをいただいて見に行ったのですが、いちいちいちいちトムがカッコつけてたのを翌日職場で真似して見せました。「何かっていうとポーズとるんだよ。こう、グワッてさあ……」とやっていたら上司に睨まれました(あははは)。サマンサ・モートンはイノセントな雰囲気をよく出していたと思います。あれだけ未来の世界を見せておいて、ラスト穏やかな自然を写して終わるというやり方に感心しました。 8点(2004-02-22 09:09:25)(笑:1票) |
17. マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
北欧の深い緑の中で、ちょっとませたイングマル君が思春期の日々を送るお話です。少し悲しい境遇を持っているけれどそこで沈みきらず、新たに暮らし始めた町での細かなエピソードひとつひとつで、イングマル君は素敵な表情を見せてくれます。とにかくこの主人公の表情が宝。牛乳をひっかけたり、ガラスを突き破って落ちたり、いろんな場面で文字では表現しがたい(ああ…スイマセン)とてもヨイ顔をします。他のガキンチョやちょっと個性的な大人たちも、お涙頂戴ではないさらっとした物語の中でそれぞれいい味を出していました。「・・・・・よりボクの方がマシさ。」と時折自問自答する多感な少年。いっぱい悩みましょう。でなきゃ大きくなれません。 8点(2004-02-14 03:44:40) |
18. マーズ・アタック!
《ネタバレ》 寄り目でぶっ倒れたジャック・ニコルソンが言ってます。「このくらい激しいバカッぷり映画も楽しいもんだ。」頭ボサボサで死んじゃったグレン・クローズも言ってます。「やってるほうも楽しんでるのよ。」変なレーザー光線銃で地球征服を画策する宇宙人がハワイアン(?)を聞いて滅亡しちまうまで、全部笑っちゃいましょう、皆さん。(注:役者の発言については、一部フィクションありかも) [ビデオ(字幕)] 9点(2004-01-12 17:43:26)(良:2票) |
19. マルコヴィッチの穴
笑える映画が見たいなあ、とレンタル点で物色中、「あアン、これねえ、超面白いよン、超笑うヨン」と見知らぬカップルの女の子が彼氏の腰に手を回しながら言っていたので借りてみた。しかし私はOUT。キューザックが高速道路でポインと放り出されるまでは何とか我慢して見たけど、その後は見たような見ないような・・・・。何が原因かはよくわからない。もう、感覚で「ダメだ」と感じてしまった。発想や感覚が新しいのは確かです。でも私は乗れなかった。ダメかなあ、私・・・。 4点(2004-01-03 21:05:54) |