1. マトリックス レボリューションズ
とても楽しめました。2作目リローデッドでは監督と話をした様なそんな気持ちになり、そしてこのレボリューションズでは、本当に伝えたかったであろう根っこの部分を全て見せてもらいました。大半の方には理解して頂けないことを承知の上で、何カ所も泣いたシーンがあったことをここに記しておきます。最も大切な人を死に導いてしまったあの結果が、愛する人にとっては最期まで一緒に生きることの出来た至福の死であり、他にそれを超える方法が見あたらないという辛さ。愛する人を目の前で失うというあの道が、互いの最も幸せな結果と言うならば、私はそんな道を選び、失うことを受け入れることが出来るのだろうかと、ネオを信じて疑わない強いトリニティーのその姿が、現実と相まって涙が止まりませんでした。最後のシーンにナウシカの影響を受けていたというなら、それは充分に消化されたものであったと思います。決してただのマネで済まされてはいなかった。シナリオの整合性や決着を追う人、和製アニメとだぶらせて見えてしまう人にとっては、物足りなかったり、冷めたり、勘ぐったりで楽しめなかったかもしれませんが、監督が伝えたかったことはそんなデコレーションの 部分ではなくて、自分を信じること、それは同時に愛する人を信じることにつながり、自分を否定する弱い自分に蓋をせず戦うということに行き着いていたと私は受け取りました。これは一見よくあるテーマのように読めますが、人生をどこまで行っても変わらない、理解するたびに深まっていく永遠のテーマであり、自分の命以上の価値をもつ相手と出会えた人ならば、涙無しには語れない苦しみのテーマでもあります。私設スクリーンがある方は別ですが、レボリューションズは是非映画館で見てほしい。特に吹き替え版。えー?と嫌わず1度見て下さい。声優陣のすばらしい仕事ぶり。とても良い出来です。キリスト教がどうだとか、アニメやゲームの真似だとか、そんな些細で偏屈な物の見方は捨てて、心からトリップして欲しい。ザイオンを愛し、一丸となって守り続ける戦士たちの命をかけた戦いとその連携に、この平和で見失ってしまった故郷の連帯感と、皆と共に生きる充実感を垣間見て欲しい。そしてネオの戦いから、自分の道を信じ続けることの難しさとその大切さを感じて下さい。監督にとっての命や人生に対する考え方がぎっしり詰まっている作品です。 10点(2003-12-29 09:51:29) |