2. マッチポイント
放浪紳士チャーリーさんの書かれていた、「登場人物全員が愚鈍」にはたしかに!と激しく同意。全員が単細胞で、自己中心(というより自分+αしか見えない)。上流階級の余裕ゆえか、主役の二人の「上に上がりたい」「この人が欲しい」という強い欲望ゆえかはわかりませぬが。もっとも複雑なキャラ(と思われる)の主人公ですら、単純なアスホール。ヨハンソンは、かわいくてセクシーだけど頭は悪げで、アメリカから来たものの女優としては成功できそうにない(役)。観客に感情移入とかして欲しくない、意図的なアレンの演出なのだろうけど。 実際、やたらとモノローグやらキャラの顔アップなどで心情やら状況やらを説明し、感情移入を促すほとんどのアメリカ映画とは、一線を画しているとは思う。そんな中での数少ない冒頭のモノローグが、映画内でどう生かされていくのか・・・というのはネタバレになるのでアレだけど、私は最後の10分で、ウッディ・アレン、こう来たか・・とやられました。そして、観終わった後、実は124分という長さにびっくり。体感時間は100分くらいだったので。 ウッディ・アレンの他の作品で、もはや彼の作品を生理的に受け付けなくなりそうになっていた私ですが、この映画は楽しめた。もう70代なのね・・・。次の作品も、観たいって思わせてくれた。ちなみに、スカーレット・ヨハンソンには、後半のビッチ振りも含めて9.5点。アレンの次回作(Scoop)でも登場してますよ。鈍くさいメガネっ子役で! ※北米で映画館鑑賞 [映画館(字幕)] 8点(2006-06-29 19:29:41) |